25番「カエルさんと仲間たち」(深夜)

 フェリシーには過去の先輩たちの魂を受け継ぐ動物たちが夜な夜なお店の中をうろついているという都市伝説がある。今日もメイドたちが家に帰ったあと、人のいなくなったお店にひょっこり現れる。

カエル「みんな起きてるーーー?」

インコ「起きてますとも」

アルパカ「もふもふ♪」

シカ「ええ」

カエル「今日もフェリシーのために皆で協力だっ」

 カエルはインコの足に掴まり、インコは羽ばたく。アルパカ、シカは自身の足を使って、待合室から階段を下る。

 スタっ

 カエルは勢いよく、そして華麗にカッコ良くインコから地面に着地する。決まった! カッコイイ!

 カエルは口元に手を置き、今日も決めポーズをとる。

インコ「あのー、シカさん、アルパカさんはもう先に行ってますけど」

カエル「なぬっ。先を急ごう」

インコ「はいはい」

 インコは半分呆れながらもカエルと共に施術部屋を目指す。

シカ「隊長! ベッドが高くて登れません!」

カエル「了解したっ。インコくん先に行ってくれ。私はあとから乗り込む!」

インコ「アイアイサー」

 インコを先に施術用ベッドに上がらせる。これでインコくんにタオルを引っ張り上げてもらえれれば、完璧だ!

 えっせえっせとシカさんとアルパカさんに協力してもらい、新しいタオルを施術部屋まで運ぶ。カエルはその手の器用さを使い、タオルとインコの足を紐を結ぶ。

カエル「よし。出発っ」

インコ「アイアイサー」

 インコとカエルのコンビでタオルをえいさえいさと引っ張りあげてベッドにしいていく。

 そうこうしているうちに夜が明けていく。

カエル「よし、設置完了! これにて今日は解散だっ! アドュー!」

 メイドさんが出勤してみると、そこには・・・

 施術用ベッドにタオル。それにインコの羽が何枚も散らばっていた。

アカリ「えっと、これは何事??」

 私たちメイドには知られていない世界がここフェリシーには存在しているのかもしれない。

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