6番「玄関ベルの鳥」

 フェリシーには秘密の宝物が数多くある。

アカリ「みなさまはお気づきでしょうか。こちらにおりますのは、みなさまのご帰宅と旅立ちを見守る小鳥さんです」

美海「・・・」

アカリ「この小鳥さんはフェリシーの創業当時からおられます古代の紋章、文明の英知、フェリシーの守り神で」

美海「アカリちゃん、どったの??」

アカリ「ひゃあ!? い、いたんですか。声かけてくださいよ~」

美海「いや、なんか面白そうなことしているから、声かけるのもどうかなって」

アカリ「でも、後ろから声かけるなんてひどいですよー」

美海「ごめんごめん。で、何しているの?」

アカリ「えっとーー、ガイドを少々」

美海「ガイド??」

アカリ「お客様にもっとフェリシーの魅力をお伝えする練習ですっ」

美海「あ。それで、さっきから玄関で喋ってたわけね。あたし、アカリちゃんが狂ったものかと。。。心配しちゃった」

アカリ「私はひとりごとなんていいませんよー」

美海「それで、フェリシーの魅力ってどんなとこ?」

アカリ「えっと、この玄関にいる小鳥さんです。お客様のご帰宅、お見送りをいつも見守っててえらいなーって思って」

美海「アカリちゃんだって、あたしはがんばってると思うよー?」

アカリ「私なんてまだまだですよー」

美海「アカリちゃんは未来の私たちを担っていくんだから」

アカリ「え。それってどういうこ」

美海「さて、今日もお仕事がんばりますかー」

 美海さんから言われたことばが少し気にかかったけれど、私はその意味をまだ知らない。

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