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2.28 きまじめ、半グレ期

 なんとなく、グレてみたい時があるものである。自らを律する生活の中でのささやかな反抗。携帯を充電器に繋がず寝たり、髪を乾かさなかったり、グレというより何かをサボりたい衝動に駆られるとき、ありませんか。私は今まさに携帯を充電器から引っこ抜いて(さっきまで刺していたのに)これを書いています。
 絶対やった方がいいしやらなかったから得をするわけでもないのに、なんとなく「それでもやらないもーん!」と強い意志が働いてしまう。なんで小さな反抗なのかと書いていて赤面するが、なぜか自分にとってこれが結構重要だったりする。

 決まったルーティンは考えすぎずに生活するために、あと楽をするために必要である。けどたまにそれを破る時の自由感、爽快感たるや。自分で作った決まり事をカチ無視すると、自分よりもさらに自由な何かになったような気がする。
 ルーティンはおおむね自分のために設定されているわけで、携帯が充電されていないと翌日に困る。髪を乾かさないと切れ毛が加速する。それらをこなすことは未来の自分への贈り物なのだが、そんなこと知らんと言いたい時があるものである。全部を全部きちんとしようと思う自分にむかついてくるからだ。うる…うるせー!ムシムシ!と自分に背を向けるのが小さなグレなのである。

 無性に外をほっつき歩きたくなってウロウロすることも、私は「家出」と呼んでいる。一人暮らしだからただの外出なんだけど、否、あれは家出である。思春期に分かりやすい反抗をしてこなかったゆえの、グレへの憧れなんだろうか。誰も困らせないし怒られないけど、やってて満足だ。

明け方のキッチンだけで会いましょう泣く子も黙る卵を巻こう

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