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3.12 sut

 3月ももう半ばだということに驚き、少しホッとしている。日々が過ぎれば抱えている仕事は締切を迎えるし、現場も次々と訪れては去っていく。終わりがあることは救いだ。「日々は過ぎていくのに何もできていない、虚無だ」みたいな気持ちはなく、今はひたすら色んなことの峠を越えることが嬉しい。峠は連綿と続いているので安心している場合ではないが、やはり何かの終わりを迎えるとホッとするものである。そんな感じで仕事をしています。

 会話、というかトーク力のなさに頭を抱えている。そういう仕事をしているからだ。人と話すのがすごく苦手な方だ、とは思わないけど、すごく得意だとも思えない。エピソードトーク、社交的なトークを目の前にすると、モロモロと膝が崩れ落ちる。その手の話は苦手だ。
 考えてみれば、初対面の人と話していて意気投合したことがない。多分。たまに友人から「こんな人と会ってめっちゃ話が合って盛り上がった」みたいな話を聞くけど、なぜそうなるんだろうと不思議な気持ちになる。盛り上がる、の感覚が全体的に薄いかもなーと考えたりする。いつの間にか共通言語ができていて、気がつけばツーカーの仲になった、というのが私の友達付き合いのパターンだと思う。
 食や旅行、キャンプやユーチューバー。ぽっと話ができそうなことに私はあまり詳しくない。端的に言えば、引き出しがあまりない。お笑いと音楽、アニメのことなら多少知ってはいるけど、やはり雄弁にはなれない。そもそも雄弁じゃないのか、私。
 いや、そんなことなど関係なく、ユーモアや自己開示のバリエーションとタイミングが……ごにょごにょ。難しいもんですなあ。

 とても困っているので、自分はどんな風に喋っているんだろうということが気になってきた。試しに喋ってみるかーと思って、radio talkで誰に聞かせるでもなく喋り始めました。単語と単語の間にいつも数秒の空白が生まれるのにウケている。

おいそれと産めず増やせぬ助動詞が布団の中であばれだす夜

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