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「効率よく仕事をしたい!」と考えているチームのための「リソース効率」と「フロー効率」の話

Scrum Inc. Japanで人事兼アジャイルコーチとして活動しています、庭屋と申します。
アジャイルの考え方を広める中で、「チームで効率よく仕事をしたい」と考えた時に重要な「効率」について、チームで考えるきっかけとなれば幸いです。

リソース効率の話

想像してください。「効率よく仕事をしたい」と考えた時に、チームの中で手が空いているメンバーがいたらどうするでしょうか?
「手が空いているメンバーには余裕がある」「全員が100%手を動かしている状態が無駄がなくて良い状態だ」そんな風に考えた方もいるのではないでしょうか?
この「メンバーが100%手を動かす状態」を重視するのを「リソース効率」を重視した状態と言います。
リソース効率を高めるためにチームはどのように仕事をすれば良いでしょうか?それは、手が空いている状態を作らないために、「一つの仕事が終わったらすぐに次の仕事ができるように準備しておく」ということになります。
※図1

図1:次の仕事を準備している状態

この状態について少し考えてみましょう。
1の仕事を完了させる前に、各メンバーに2の仕事を割り振る準備をしておく、ということです。つまりリソース効率を高めるには「仕事を待たせておく」必要があります。

ここで気づいた方もいらっしゃるかもしれません。
リソース効率を高めようとすると、「仕事を待たせる=仕事の流れが遅くなる」ことに繋がります。

フロー効率の話

それでは逆に仕事の流れを重視して効率を高めるにはどのようにすれば良いでしょうか?
それは「チームとして集中すべき仕事を明確にして、いち早く完了に持っていく」仕事の進め方です。これを「フロー効率」を重視した仕事の進め方、と言います。
※図2

図2:仕事を完了させるためにチームで協力して仕事をしている状態

この仕事の進め方をするためには、各メンバーのリソースに遊びを持たせておき、チームとして集中すべき仕事が来たらすぐにそれに取り掛かれるようにしておく必要があります。

つまりどっちが良いのか?

2種類の効率について説明しましたが、これらに優劣があるとは考えていません。なので単純にどちらが良いか?という問いに対しては答えられませんが、それぞれのやり方に向き不向きな場面があると思いますので、この点を参考にしていただければと思います。
仕事の型や成果が明確、量をこなすもの→リソース効率重視
仕事の型や成果が不明確、価値を探索する必要があるもの→フロー効率重視

仕事の型や成果が明確であれば、人の稼働、リソースを最大限に活用するリソース効率を重視した働き方が最も多くの価値を生み出すことができます。

一方で仕事の型や成果が不明確な場合には、「仕事を早く顧客に届け、何が顧客にとって価値があるのか」を探っていく必要があります。その際にはフロー効率を重視し、「チームとして集中すべき仕事を明確にして、いち早く完了に持っていく」ことが有効です。
※これを会社組織全体で既存事業/新規事業で使い分けるのが「両利きの経営」の考え方になります

今回はチームとしての仕事の進め方についてまとめてみました。
こんな話が聞きたい、こんな時はどうすれば良いの?などコメントいただけますと幸いです。

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