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持つべきものは 2/4の日記

大学時代の友人4人と遊んだ。
ちょくちょく会っている人もいれば、卒業式以来3年ぶりの人もいた。

大学を卒業して間もない頃はみんな北陸や九州など散り散りになっていた気がするが、3年間で異動などを経て、私を含め5人全員が都内に住んでいるようだった。
3年という年月の長さを改めて感じる。
私も転職したし。

新卒1年目はみんなで通話しながらSwitchのマリオカートとかを夜な夜なやっていたりした。
雑談しながら画面に向かって話すのはまあまあ楽しかったけど、「コレ何時までやるんだろう」という若干の不安と、いざ終わってみたらひとりぼっちの冷たい部屋に急激に押し寄せてくる孤独感が嫌で友人との通話はなんとなく避けるようになってしまっていた。

今回は日曜日、かつ対面での遊びだ。
みんな翌日は仕事だからズルズル時間が延びる心配もないし、急激な孤独も押し寄せてこない。
まずは友人が行ったことがあるというボードゲームカフェに行った。

オモコロチャンネルで色んなボードゲームを知ってボドゲカフェ自体ずっと気になっていたが、なかなか機会がなく人生初のボドゲカフェだった。
エプロンをかけた柔和な店員さんが立つ後ろの棚には、大小さまざまなボードゲームがギッチリ並んでいる。

ウォーミングアップとして、共感覚がカギとなるゲーム『ito』でしばらく遊んだ。
現地集合だったから久しぶりの友人とは若干のぎこちなさを感じていたが、itoを始めたらあの頃に戻ったように距離感がグッと近づいて一気に楽しくなった。
学部のオリエンテーションで知り合って丸4年間一緒にいた仲だから、かなり正確に感覚を合わせることができた。

「便利なもの」というお題で大学周りの地名を出し合うあの感じが久々だった。
「〇〇は駅近いから数字が大きい」「〇〇は何もないだろ」とジワジワとあの頃の感覚が蘇る。
結局盛り上がりすぎてしまい、1時間半ぐらいitoをやっていた。
笑いすぎて腹が痛くなったのも久々だ。

その後も色んなゲームをやった。
店員さんがとにかく親切で、複雑なゲームを分かるまで丁寧に説明してくれたり、オススメのゲームを教えてくれたりした。
「コレ面白かったね」となったゲームを見せて「コレっぽいゲームありますか?」と聞くと、柔和な笑顔で棚からオススメを引っ張り出してくれて、そのゲームもめちゃくちゃ面白かった。
なんていい仕事なんだ

オモコロチャンネルで観てずっとやってみたかった『コヨーテ』もできて嬉しかった。
ルールは単純だけど、なぜか同じ人が負け続けたりして楽しい。
結構大きな数字を言っても意外と大丈夫だったりして、動画を観ているだけじゃ分からない戦術も学ぶことができた。

『ito』『コヨーテ』『ニゴイチ』『ピクチャーズ』『インサイダーゲーム』の5種類をやって終了。
夜ご飯の焼肉を1時間ずらしてまで延長してしまうほど楽しいボドゲカフェだった。
しかも5時間近くいて料金は2000円!
もっととっていいですよ!!

すっかり暗くなった道を歩き、焼肉屋で夕食。
レモンサワー飲み放題のサーバーがブッ壊れていたり、店員さんが日本語が通じているか微妙だったりしたが全然気にならなかった。
料理が美味しいというのもあったし、何よりボドゲカフェでの楽しい気持ちを引きずっていたのだろう。

「牛タンひつまぶし」をメニューで見つけてみんなで頼んだら、数枚の牛タンが乗ったごはんにだし汁がかかっているというただの「牛タンだし茶漬け」だった。
ひつまぶしさせてよ〜
何段階か楽しませてよ〜
でもコレはコレで美味しい。

途中で突然1人が「そういえば俺、結婚したわ」と告げて場が騒然となった。
あまりにもあっさり、目の前の牛タンひつまぶしに匹敵するあっさり報告だった。
「え、おめでとう」「結婚したんかい」
あっさりすぎて反応に困る一同。

指輪もお互いいらないと決めていて、結婚式もやらないらしい。
元々同棲していたから「結婚しても何も変わらん」とも言っていた。
あまりに淡白だが、これがリアルなのかもしれない。

結婚した友人はイジられ役だから、その報告の後は「子どもの名前をどうするか」というテーマで大喜利合戦が1時間ぐらい続いた。
ここで真剣な流れにならないのがこの人たちの良いところだ。
焼肉屋で真剣な話なんかしたくない。

やがてみんな満腹で無言になってしまうほど肉を喰らい、まだ時間があったのでカラオケへ。
大学時代もよくカラオケに行っていた。

いきなり誰が入れたのかも分からないVaundy『怪獣の花唄』をマイクを回しながら歌う。
マイクを持っていない人もみんな熱唱しているから恥ずかしげもなく全力で歌うことができた。
1人でVaundyなんて絶対歌えないからめちゃくちゃ気持ちよかった。カラオケの楽しさってコレなんだ、と今さら気づく。

その後も色んな人が色んな曲を入れたが、結局全員で歌うからずーっと歌えたしずーっと楽しかった。
恥ずかしがりながら椎名林檎を歌う会社のカラオケの5000倍楽しい。

だんだん普通に歌うのに飽きてきて、歌っていると画面上に計上されていく「しゃくり」「こぶし」「フォール」などでレースが始まった。

「しゃくりもっといけ!!」「ビブラートこい!!」「こぶし逃げ切れ!!!」
最高にくだらなくていい。

バカ笑いが止まらないままカラオケの時間も終わり、そのままみんなで駅に向かう。
みんな微妙に方向が違うため、「俺こっち、じゃーね」とどんどん人が減っていく。
恋人だったらここでウダウダするのだろうが、あくまで友人だから、しかもまたいつでも集まれるからあっという間に1人になった。

日曜の夜、いつもだったらどんよりとした気分になってしまうが、1人で電車に揺られる私の心はホクホクしていた。
持つべきものは、バカ笑いし合える友だ。

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