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きみのすべてよ応答せよ


前は子供なんてぜんぜん好きじゃなかったけど最近は他人の子供見てかわいいって思うのね、だって未来の塊みたいでしょ。

そんなふうに力説する人とランチを食べた

生物がなぜ子孫を残すようにプログラムされてるのかわからないんです、なぜ自分の分身みたいなものをつくるのかが。

そんなふうに訴える人とお酒を飲んだ

昨日の朝、帝王切開で女の子を出しました。変な顔だけど可愛いです。名前はまだないのでまたお知らせします。

そんな出産報告メールが朝早く届いた


このところ小さな生命に関する話題に事欠かない
昼夜早朝に色分けされた言葉たち
色を選ぶのはわたしなのか彼女らなのか
どれも血の通った言葉であることにかわりはないけれど

生きて
   いるだけで丸儲けなんて考えと
生きて
   いてもいいことばかりではないという実感と

わたしが未来の塊に見えなくなったのはいつからだろう
名前のない生き物を産むことは
すでにあるものを名付けるよりもなお
無から有をつくりだすことに近しい気はしてるけど

電車は血管のように町を走り人々を吸い込んでは吐き出して
真夜中には高層ビルの上で赤い灯が点滅してるずっと
朝が来ればまた同じような一日の始まりに
満員電車の中で泣き叫ぶ赤ん坊に舌打ちしたりもする

いつか出会うかもしれないきみがもし
いつまでも未来を失わないのなら
わたしもほんの少し健やかに生きられる気がした
たとえ一度も出会うことなどなくても
その可能性だけでいいような気がした

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褒められて伸びる子です。 というか、伸びたい。