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実は「簡単に信じ込む人」が最も幸せかもしれない。いつでも誰でも多くの情報に触れるようになった時代だからこそ思うこと。

妻とYoutubeで「昭和にあった詐欺広告の動画」を見ていたときの話。

今なら簡単に調べられるものも、当時は事実確認が難しかった

X線メガネ?オート魚釣器?スーパーブレンナー?
モザイク除去器?すいみん学習器?
今なら一目でインチキ商品だとわかるようなもの。
※詳細はググれば簡単に出てくる。

もちろん自分は使ったことがないので、商品がどれほどのものなのかわからない。まぁネットに出てる多くの詐欺広告が、エロ目的だったり、簡単に頭がよくなるものだったりが多いので、まともなものではないだろう。

今なら子供でもスマホを使ってネットで調べられてしまうので、こういった詐欺商品に騙されることはほとんどないだろう。ところが、インターネットが普及していない時代は、怪しいと思ってもそれが事実かどうかを確認する手段が少なく、事実が確認できないからこそ、その夢のような商品内容に期待して購入してしまった人が大勢いるのだろう。

商品の効果を信じることで生まれた可能性

その購入してしまった人たちの中で、特に頭が良くなる系の商品を購入した人について、一部は頭がよくなった可能性がある。

それはプラシーボ効果によるものだろう。科学的に効果が証明されていないものでも、その効果を信じた人にはプラシーボ効果が働き、普段やっていた勉強がより効果的なものに感じられ、効果的に感じられたからこそ、勉強量が増え、結果的に成績が上がる。

詐欺商品を製造・販売していた企業・個人はもちろん悪い。
ところが、その商品を信じ込んだ人には、プラシーボ効果によって良い効果が得られることもあっただろう。

簡単に信じる人が最も幸せなのかもしれない

知り合いで企業を経営している知人のもとには、お金目的で日々多種多様な人が訪れる。中には明らかに嘘くさい人もいる。だが、そんな人の話も簡単に信じてしまうその知人は、話を鵜呑みにしてなんだかよくわからない商品やサービスを購入してしまう。

このように簡単に信じる人は、もちろん騙されやすい。
だがその知人からすると、効果が認知できてようができてなかろうが、「なんかいい感じがする」らしい。科学的にわかっていないことも、わかっていないからこそ、良い効果が起きている可能性を信じているのかもしれない。

側から見てると、とても滑稽に見えることもあるのだが、当人はそれで幸せを感じているように見える。何かしらのプラシーボ効果が現れているのかもしれない。

解釈次第で将来的に大きな差になる可能性もある

UX関連の本に、とある実験についての記載があった。
これは解釈の差が、将来的に大きな成績の差につながったというものだった。書籍から抜粋して紹介する。

学校でうまくいかず、将来について悩んでいる大学1年生を対象に、バージニア大学の社会心理学者ティム・ウィルソンは実験を行った。無作為に学生を2つのグループに分け、1つめのグループには30分の短い介入を行い、もう1つのグループには特に介入をしなかった。
(中略)彼の行った介入は、そのような学生たちに、学校で悪い成績を取ることについて異なる解釈を与えるというものだ。

「成績の問題が、落ちこぼれとは別の原因によるものだと示す事実と他の学生たちの証言を学生たちに伝えた。それは、入学当初はコツを覚えるのに苦労したとしても、大学生活を送るにつれて適応し、高校時代とは違ったやり方で勉強することを学び、良い成績が取れるようになる、ということだ。(Gilbert and Wilson 2011)」

自身の悪い成績に対して再解釈をしたグループは、その後より良い成績を得ることができた。彼らの成績は卒業まで上がり続けたし、大学を中退する傾向も低かった。

ここで注目なのは解釈を変えられた人がいるということ。もちろん中にはこの介入で解釈を変えられなかった人もいる。重要なのは、30分の短い介入を信じた人だ。信じた人は卒業まで成績が伸び、信じられなかった人は中退したかもしれない。この差はあまりにも大きい。

全てを鵜呑みにするのとはまた違うが、信じる人は行動への移行も早い。
情報が溢れている社会の中で、どれだけ信じて(時に勘違いの力も借りて)行動するか。何にしても信じる力の強い人は幸せな場合が多いだろうと思う。

■本日のオススメ本

先にお伝えした書籍。UXデザインとはどんなものか。どのように考えたら良いのか。どのようなユーザを想定してその人がどのように行動していて、どのようにプロダクトを使ってもらうのか。

デザイナーはもちろん、事業会社のディレクターやエンジニアにもオススメしたい一冊。

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