ささやかな迷いの中で

 現在、自分には2つの小さな迷いがある。
 1つ目の迷っていることは家庭菜園のことだ。
 我が家では2階のベランダで少しだけ家庭菜園をしている。現在育てているのはハーブとラディッシュ(二〇日大根)だけだ。少し前までは細いネギも植えていたが既に私が食事で使用済み。かつては庭の小さな畑でキュウリやトマト、ナスを育てたことがあったのだが、目の前の家との距離が近いため日当たりが良くなく、おまけに大きな木も植えてしまったため、さらに畑の日当たりが悪くなり野菜の生育が悪かった。そのため、今ではベランダでささやかな家庭菜園を楽しんでいるのだ。とはいえ、最近ではそれほど熱心ではない。ハーブはミントとレモンバームの二種類なのだが、葉の裏に必ず白い小さな虫が発生してしまい、食用に使用できていない。この虫はコナジラミと言うそうだ。最初の頃はハーブの葉を数枚摘んで急須に入れ、簡単なハーブティーとして飲んでいたのだが、この虫を取るのが面倒なので今ではほとんどその機会はない。そして、ラディッシュはすぐに成長するものの、肝心な大根の部分が成長していない。根と根が近すぎないように種を蒔いたのだが、なかなか難しい。今日も試しに掘ってみたら収穫なし。根の近くにはコガネムシと思われる幼虫がいた。幸いにもラディッシュの葉は食べられるらしく、今度酒のつまみにしてみようと思っている。
 そして迷うのが、次に別の野菜を植えるかどうかだ。植えるとしたらやっぱりミニトマトかなぁ。ベビーリーフを植えた時も思ったのだが、こんなに害虫が葉に発生するとは思わなかった。今までの経験からすると、育てやすいのはトマト、キュウリ、ナス、ネギなどの定番野菜だと実感した。新しい野菜を植えるかどうか、迷うところだ。

 もう一つ、違った分野で迷っていることがある。それは今読んでいる小説を読み続けるかどうかだ。これは現在ノートで私が扱っているような歴史小説ではない。現代の話だ。10年ほど前に出版されている本なのだが、内容がおもしろいので読み続けているのだが、困ったことになかなか進まない。最近は小説を読んでいると、数行読むたびに自分の過去に関連した出来事や身近な出来事を思い出してしまって、進まないのだ。もしくは何かが頭に降りて来たような瞑想状態に近い感覚になってしまって、そこから先になかなか進まない。毎日1~2ページぐらいしか進まないのだ。ひどい時は毎日同じページを読んでいる。そのため、読み進めるためには一つの覚悟が必要だと思うようになった。
 今は今後の生活の事を考えたり、身近な所用とかで忙しくなりつつあるのだが、それでも面白いから小説を読みたいのであれば、まとまったエネルギーを本にぶつけていく必要がある気がするのだ。自分のエネルギーを分散させずにロケット噴射みたいにする感覚だ。読んでいる間の妄想状態、瞑想状態、チャネリング状態を引き起こさないように一気にまとまった単位で読み進める。だから、最近は比較的ノートなどでアウトプットを行っていたのだが、今後は本を読むインプットの時間を増やすとしたらノートなどの投稿も減るかもしれないなぁと迷っている。

 こんなささやかな迷いを持つことが出来る自分は幸せなのかもしれない。
 今年も梅雨がまだ続いている。夏の水不足の心配はなさそうだが、これ以上、豪雨にはならないように祈りたい。






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