文化が見える、韓国の建築 その1【不動産システム】
6年韓国で住んだたまごの「韓国の建築シリーズ」第一段!
18歳で韓国・ソウルで外国人として住みつつ、サバイバルしたおはなしです。笑
韓国語を勉強中だったり、ソウルに旅行に行ったことはあるけどまだまだ韓国のことについてよくわかんないという方に向けて書いてます。
今回もマニアックな情報をお届けしたいと思います。建築というキーワードでつなげれる話題をまとめるのですが、最初は身近なところからいってみます。
保証金ってなに!日本とちがう賃貸システム
日本で一人暮らしされたことある方や家探しをした経験がある方は敷金・礼金についてご存知だと思いますが、韓国にはそれに代わる資金が必要です。
保証金といって、指定された金額を入居時に大家さんに預けます。この「預ける」というのが日本と違いますよね。
50万円から億にいたるまで部屋の大きさや土地によって保証金の金額は決まります。では月額の家賃はないのか?となりますが、家賃ありとなしの2種類があります。
保証金+家賃 = ウォルセ(월세)
保証金のみ = チョンセ(전세)
保証金にくわえ、家賃があるのはウォルセといいます。保証金が高いと家賃が安くなったり、組み合わせは多少交渉可能です。
一方、チョンセは保証金のみで月々の支払いは光熱費や管理費くらいです。その代わり、ウォルセよりは預けるお金が高いです。
月額の家賃収入よりも利子でもうけていた不動産投資者
昔は銀行の利子が年間5~10%でした。どういうことかというと、銀行に100万円を預けていると一年後には105~110万円になっていたということです。
これを利用して、部屋を貸してあげる代わりに保証金をもらって、その利子の分を自分の収入としていました。たくさん銀行に預けると自動的にお金が増えていたんですね。
今は昔ほど利子は高くありません。韓国の基準金利の推移をみると、2008年は5%ありました。
しかし、どんどん下がっていき、ついにコロナウイルスの影響で、2020年2月末に韓国銀行は1.25%にすると決めました。
100万円預けて、5万円入っていた利子が12,500円になってしまったんですね。けっこう落ちました。なので最近は月々の家賃収入があるウォルセが多くなりました。
もちろん、銀行に預けておくだけではなく、金融商品を買ったり、投資や資産運用をしている方もいます。
韓国の基準金利とは中央銀行である韓国銀行が市場の一般銀行と貸し借りをするときの金利をいいます。
チョンセもウォルセの保証金も最初に預けたお金はその家から出るときに返してもらえます。
チョンセの資金が足りない、どうすればいい?
チョンセで借りるほどの資金がない!という方はたくさんいます。そんなときどうしているのかというと、銀行からお金を借ります。
これを 대출 といいます。ローンのことですね。収入や信用等級によっていくら銀行から借りれるのか決まります。条件によって違いますが、借りれる上限は保証金の70~80%です。
チョンセの頭金を用意する → 銀行からローンを借りる → 保証金を出す → 住み始める → 引っ越すことになる → 保証金を返してもらう → 銀行にローンを返す
実質払うのは、銀行の利子と管理費、光熱費ですね。管理費は建物内の共有部分のメンテナンスや掃除にかかるお金のことです。
不動産会社や大家さんのことはなんていうの?
最近はアプリでも自分が住みたい家を検索できますよね。ある程度、目途がついたら不動産会社に行くと思います。日本でも駅前に不動産屋さんがたくさんありますが、韓国も同じです。
駅前で 공인중개사 という看板を見たことあるでしょうか。それが不動産屋さんです。何件かまわってみると地元のプロにもっと詳しい話が聞けると思います。
공인중개사 の方の案内で、いろんな物件を見せてもらえます。時間が合えば、大家さんとも会って話ができるでしょう。大家さんは、男性であれば 집주인 아저씨、女性であれば 집주인 이모 という感じで呼びます。
最後が重要!家から引っ越すときに気を付けること
韓国の不動産はだいたい2年契約のところが多いです。日本だと2年契約でも途中で事情があれば満期でなくても解約できますが、韓国は少し違います。
会社員なら転勤、学生なら留学・休学・軍隊などいろんな理由で引っ越すことになりますが、場所によっては2年を満たさない場合、次に入ってくる人を見つけてこなければなりません。
これは韓国の大学が2セメスター制で、3月・9月に人の移動が多いからです。それ以外の時期に引っ越ししようとするとなかなか部屋がうまらないので、大家さんは次の人がいてほしいんですね。
半年先の予定が決まっていて、あらかじめ言っておけば交渉可能かもしれませんが、突然の引っ越しとなるとなかなか大変です。
どこの国でも家選びは慎重に!
日本も初期費用はかかりますが、韓国の場合、保証金が高額になるので十分注意が必要です。簡単に変えれるものでもないし、毎日帰る場所なので自分にあった場所をとことん探すことをおすすめします!
この記事は、2020年4月時点での情報です。その後、変更されている内容については分かり次第、随時追記という形で更新いたします。
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