1erオーヴィレ村のルイ・ニケーズ
シャンパーニュの格付けはブルゴーニュ とは異なる
Champagne地方は、グランクリュかプルミエクリュかは村単位で格付けがなされている。グランクリュは17村。プルミエクリュは42村。それぞれの村のブドウの栽培比率も含めよくまとまっている(★こちら)のサイトが便利。いつか村毎のテロワールについてしっかり書きたい。
修道士ドン・ペリニヨン司教が生涯を過ごし、シャンパーニュの聖地として多くの観光客が訪れるオーヴィレ村。一級格付けながら、村の中心にあるチョーク層の丘は高い品質の葡萄が産出される事で古くから知られているという。そんなオーヴィレ村のお気にりRMを今日はご紹介。
今回のRM:Louis Nicaise
ルイ・ニケーズは新世代生産者の一人として注目されている造り手。4代目のクレモンはジャック・セロスで栽培・醸造を担当した後に、グラン・クリュ・マイィの協同組合でデゴルジュマンの責任者として活躍し、2012年よりルイ・ニケーズに加わり、妻ロールと共に4代目としてシャンパーニュを造る様になったそう。オーヴィレ村の丘の斜面に複数の小区画を持っており、斜面によってテロワールが異なるため、各区画に適した品種を選択し栽培、造られる葡萄の品質は以前より特級畑と並ぶ評価を受けているそう。確かにどのキュヴェを飲んでも個性を感じる。
そして何より好ましいのは樽発酵・樽熟成をしていること。ステンレスにはない複雑さを感じる。使用されている樽は、シャルドネがピュリニー、ムルソーの古樽。ピノ・ノワールとムニエはオーヴィレ村の木で作った樽を使用しているそう。オーヴィレの木樽は炭や鉛のニュアンスがあって、ピノ・ノワールを包みこむと言い、このニュアンスに負けないほどの強い果汁だけでこの樽を使っている。
ルイニケはスタンダードキュヴェで6,000円程度、一番高価なキュヴェ『ブラン・ド・ノワール"ノワール" ブリュット』でも15,000円程度とコストパフォーマンスも良い。ブラン・ド・ノワール、ブラン・ド・ブラン共素晴らしいのだけれど今回は一番バランスが良いと感じているキュヴェをテイスティングしたときの感想を。
ルイ・ニケーズ エクストラ ブリュット 2012
アッサンブラージュはシャルドネ70%、ピノ30%、ドサージュは5g。ニュアンスはどこまでもシトラス、何かに例えればレモンに一番近い。熟しきっていないレモンの果実のアロマ。仄かな表皮を薄く切った時の甘皮部分の優しい苦味。長く続くミネラルの余韻。まるでノンドゼChampagneのようなピュアさ。樽発酵樽熟成で判り易い複雑さを押し付けずこんなにも綺麗なシャンパーニュを造る造り手は私の中では未だ珍しく、こういうところがこの作り手の好きなところなんだなと思います。
参考価格:7,150円(マチュザレム )/tasting:2021年3月
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