マガジンのカバー画像

エッセイ, 日記

5
運営しているクリエイター

記事一覧

去りぎわの贈りもの

去りぎわの贈りもの



空気の中にまだ少しだけ残っている夏が、
「やり残したことがあるなら、待っててあげるから今やりな!」
と言っているような夜だった。

9月も終わりに差し掛かったある日、家の前で、おかしなメンバーで手持ち花火をした。私と、両親と、中学生の姪とその友だち。

あまりにもイレギュラーなメンバーで唐突に始まった。しかもこうやって花火をするのは5年ぶり以上だったのではないか。

私はこのちょうど1週間前、

もっとみる
瑞々しい感情を大切にする

瑞々しい感情を大切にする

所属しているオンラインサロン、箕輪編集室で、ある方のインタビューの書き起こしを担当しました。
その方はかなりの大御所と言える存在なのですが、インタビュー音源を聞いていると印象的なことがありました。

それは、その方が感情を隠さずに伝えて下さっているということ。
インタビュー中、ご自身が気づかなかったことをインタビュアーの発言から気づく機会があった際、
インタビュアーに対して「恥ずかしい」も「驚いた

もっとみる
見えないものたちからのメッセージ

見えないものたちからのメッセージ

2016年12月のこと。
夜、駅前の藤棚の下を歩いていたら、冷えた空気の中、あちこちで莢がはじけて落ちてきた。
天然の爆竹のような、乾いた良い音。
見ると足元には、すでにたくさんの莢が積もっていた。
あまり意識していなかったけれど、1日前はおそらくそんなに積もっていなかった。だからきっとほとんどがその日の夕方から夜にかけて、気温が下がるのに従って弾けたんだろう。
とても良いタイミングに居合せること

もっとみる

マイ・ヒーロー



横浜中華街で獅子舞を初めて見たのは、2016年の春節だった。
そのふわふわのたてがみも、瞬きする大きな目も、とても可愛いしどこかあたたかくてすっかり魅了された。
太鼓や銅鑼のリズムに乗せて華やかな獅子が舞う様子は、見ていて自然と心が沸き立った。

獅子は「紅包(ほんぱお)」と呼ばれる赤い祝儀袋の吊るされたお店を一軒一軒まわり、そのお店の商売繁盛を願って舞い、中にいるお店の人やお客さんを一人ずつ

もっとみる
2016年の最後に得た大きな気づき

2016年の最後に得た大きな気づき



2016年最後のフラレッスンでのこと。
最後に先生に頂いたアドバイスは、「肩がずっと緊張して上がっている」というものだった。

そうか、私の踊りにある硬さってここが原因だったのかと、自分史上最高の肩下げで臨んだところ、鏡に映った自分は首がとてもすっきりして、姿勢もぜんぜん違っていた。

そのあとごはんを食べている時も、ずっと力を抜いて肩を下げることを意識していたら、
なんだか急に「今に焦点が合

もっとみる