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復職を考える時に

関東では、桜が咲き始め、あっという間に満開を迎えそうです。
桜の花びらの白い淡いピンクを眺めていると、自身の心象風景とも結びつき、切ない儚い気持ちにさせられます。
あちらこちら全国各地でみられるだろう桜を眺めながら、出会う方々思いを馳せ心穏やかになります。

さて、本日は、休職を経て復職を考える時に、今一度、自分で確認しておくことを参考までにあげてみます。

それぞれ方々が、休職期間を過ごし、ある程度自分が心穏やかに過ごせる時間がもてるようになり、心と身体の状態も落ち着いてくると、少しずつ復職を意識しながら過ごすことになるでしょう。

復職判断は、一人で決めるのではなく、主治医の復職判断の可否が必要となります。
従業員数に応じ、産業医がいる職場がありますので、産業医がいる場合は、産業医と面談し、産業医が休職者の現状を精査した上、採るべき対応を職場に意見を述べていきます。
それを受けて、会社の保健スタッフや総務(人事)がラインで環境調整をしていきます。

実は職場復帰の際に、休職前のように十分に業務遂行能力が回復している必要はないのです。
復職プログラムを個別に制定する際、総務部(人事部)が産業医や担当医の意見を参考にが環境調整し、休職者の負担を減らしていきます。
よって、休職者は復職時に徐々に職場へ慣れていけばいいのです。

確認しておいた方が良いこと

心身の状態として、睡眠、食欲、意欲、集中力、抑うつ感、緊張感といったことが、休職前よりも症状が落ち着いており、規則正しい生活を送れるようになていますか。
生活のリズムが整い、睡眠や食欲がとれるようになってきますと、担当医からそろそろ復職について考えていきましょうと提案される事が多いです。
また、そろそろ復職について考えている方は、担当医に相談し、担当医と共に自分の精神・身体の症状等を確認し、最終的には担当医が復職の可否を判断します。
ここで大切なことは、自分の心身の状態と率直に向き合い、焦らないように考えていくことが安全です。

ここでは、「適応障害」や「抑うつ状態」ので休職していた方が、復職の前に確認していただきたい、精神・身体的な症状の確認事項を具体的にあげてみます。

1、睡眠覚醒リズム

休職前に、なかなか寝付けない、眠りが浅い、明け方に起きてしまいそこから眠れない、逆に寝すぎてしまうといった睡眠の乱れを感じる方は多かったのではないでしょうか。
ストレスは睡眠に影響を及ぼしやすいのです。
昼間、なんとかやり過ごしていても、以前よりも睡眠がとれなくておかしいな・・・と思う方もいたのではないでしょうか。
更に、睡眠は、脳を休め自律神経を整えます。
眠れないと、その間、考え事をしてしまったり脳が休まらない状態が続いてしまいます。
休職前よりも、睡眠はある程度まとまってとれるようになってきましたか?

3、食欲

次に、食欲はいかがでしょうか。
食欲がわかない、逆に沢山食べ過ぎてしまうことはないでしょか。
食べた後はもたれたり、気持ち悪くなったりしませんか。
ストレスが多いと、交感神経が優位になり胃酸が分泌されにくくなったり、逆に自律神経のバランスが崩れ、胃酸過多になってしまったりします。

3、意欲
適応障害やうつ病で休職されている方は、休職当時に「意欲」が低下しやる気が起こらない状態になりやすいです。
また回復時に躁状態が出てくることもあり、この際は、動きすぎないでブレーキをかけながら、行動しすぎて心に怪我を負わないよう、自分のことを守っていくことも必要です。
復職時に、ある程度意欲が回復しているかも、みていくといいでしょう。

4,集中力

集中力とは、ある物事に対して「気持ち」や「注意」を集中する能力です。
休職スタート時は、物事に集中できなくなり時には頭がぼーっとしてしまうことが多くなっていたかもしれません。
現時点では、テレビや読書、人との会話時にそのものに集中できていますか。
集中力は、業務でのミスが少なくしたり、同時平行で業務を進めていく際に注意を他に傾け、再度集中するということにも関係しているので、自分が現時点での集中力はある程度回復しているかを確認していくといいですね。

5、抑うつ状態、悲観的な思考

現在、急に落ち込み、物事を悲観的に考えてしまう点については、いかがでしょうか。
生活を送る中で私たちは様々な出来事が起こります。
出来事によって、ドキッとしたり、人から言われた何気ない一言に対して、数日ひきずったりと過度に落ち込んだりしてしまうことはありませんか。
例え現時点で落ち込んだとしても、人に話すことで気持ちが楽になったり、自分の中で気持ちを切り替え「まあ、いいか」とやり過ごしたりが出来ていればいいですね。
抑うつが強い時は、そのまぁいいか、がなかなか出来ず、長い時間その事をひきずり眠れなくなったり、日常の中でも始終そのことをぐるぐる考えて、身体症状(頭痛、吐き気、食慾不信、胃痛、腹痛)も出てきてしまうと、生活に支障が出てきてしまいますので、注意が必要です。
この辺りが、現時点ではいかがでしょうか。

6、身体的な症状

「適応障害」や「抑うつ状態」にある時は、身体の症状も様々なに出てくる時があります。
例えば、動悸、頭痛、肩こり(首凝り)、頭痛といった症状があげられます。
動悸は人によっては、パニック発作を起こす時もあります。
パニック発作によって行動が制限され、更にそれを回避しようと自宅にこもりがちになってしまいます。
ある程度心の状態が落ち着いてくると、試しに行動し成功体験をスモールステップで積み上げていくことで、次第に行動制限がなくなってくることもあります。
また、ストレスが少なくなってくるとパニック発作が気が付くと和らいでいたという事も多々あります。

更に、頭痛や肩こり(首凝り)は、抑うつ状態が重い時に起こりやすく、抑うつ状態と関連している脳内のセロトニンという物質が関係しているともいわれています。
この辺りも、休職前と比較し現況では、辛い身体的症状は軽減しているか、身体の症状によって行動が制限されていないかといった事も確認してくといいでしょう。

復職前は、一時的に緊張感が高まる時期でもあります。
そんな時は、「現在、自分はそういう時期にあるのだな。」と自分を客観視することで、緊張している自分から一歩距離をおいてみましょう。
そうすることで、少し不安にふりまわされなくなることもあります。

一人で何とかしようとせずに、周囲にいる人、家族の力を借りながら、頑張りすぎないようにいきたいものです。
長い人生、他者や環境の力を借りながら、自分で全てなんとかしようとせずに生活することも、とても大切なことだと思うのです。
かけがえのない一人一人の人生ですから、焦らず、時には止まって休みながら、生活していきたいです。






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