眠れないことにこだわらない
昨年の9月に父がALSと診断されてから、睡眠が思うようにとれなかった。
精神科で働いていた時にお世話になった先生に相談して、以来ずっと睡眠薬(と言ってもだいぶ弱い効果のもの)を使っていた。
スッと眠りにはつけるのものの、精神状態が良くないためか2時3時に目が覚める。
朝まで何回も起きる。
寝起きは気分が悪い。
ずっとその繰り返し。
父が亡くなり、お葬式やらなんやらであの1週間の平均睡眠時間は3時間ほど。
睡眠薬を使って短時間だけ寝るという生活。
精神が昂ぶって、お薬使わないとあの時は寝れなかったかもしれない。
また仕事に復帰してからも不眠は改善されず、薬に頼る日々。
先生からは、『大丈夫だよ。今はお薬うまく使って休んだほうがいいよ』
と言われていた。
もちろん、私も不眠の患者さんにはそのように長年お伝えしてきた。
でも、最近眠れないことに振り回されることに疲れてしまった。
寝る前に、いつも不安になる。
今日はきちんと寝れるだろうか?
明日の朝寝過ごさないだろうか?
明日仕事でちゃんと働けるだろうか?
薬、いつまで飲まないといけないのかな?
このまま寝れなくなったらどうしよう?
そして負のループにハマっていく。
1週間ほど前にたまたま見たとあるYou Tubeの動画で、中村天風の睡眠に対する考えが紹介されていた。
寝れない日があっても、いつか必ず眠れるようになる。
眠れなくても、日中のパフォーマンスが著しく落ちていなければ大丈夫。
人間は動物なのだから、寝なければ必ず眠くなる時が来る。
だから、大丈夫といった趣旨の内容だった。
そっか、いつか寝れるのか!
と目から鱗が落ちた気がした。
その日から、薬を飲むのをやめた。
はじめは案の定ほとんど寝れなかった。
でも、その翌日はいつの間にか寝ていた。
相変わらず波はあるけど、でも薬使わずに眠くなったら布団に入り、眠れなくてもクヨクヨしない。
ちょっと昼間パフォーマンスが悪くても、あまり気にしない。
そのうち寝れるさ!と軽い気持ちになっている。
うまく行かないことにフォーカスを当てるより、ずっとずっと気持ちが楽になった。
自分を苦しめているのは、結局のところ自分なんだなーって改めて気づいた今日この頃。
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