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いつもの道に命がいた。

この10日間でいくつの生物をみただろ。いつもの道に命がいた。

たまたま空を見上げると名も知らぬでかい鳥が群れを作って飛んでいた。月は丸かったし、黄色では月を表せない。カエルの鳴き声には種類があるようで、コンクリートの階段の両端でカエルが一匹づつ静かに壁とにらめっこしていた。地面を灰色というにはあまりにも鮮やかなグレーだった。郵便局の前では、転んだクワガタがジタバタしていた。人生で初めてクワガタに触った、思ったより7gは軽かった。深夜一時の森では、大量の白と翡翠色をしたセミが孵化をしていた。硬い色に思えてい田焦げ茶色には、翡翠の記憶があったことを知った。

足は、体を移動させるためだけでなく、立ち止まったり、しゃがんだりすることもできる。折り曲げれば、小さな浴槽に3人の人間が入るだけのスペースを作ることができるし、真なる空想は、地に足をつけることで実現できる。だから、それぞれの瞬間に美がないことはありえないし、一度それに気づくことができたら、その美は内的な世界へとはいっていくための通路になる。

いただいたサポートは、これまでためらっていた写真のプリントなど、制作の補助に使わせていただきます。本当に感謝しています。