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夜に囚われ続ける、という告白




散文🌜





途方もなく静か。



どこまでも孤独にさせてくれる。



毎日訪れる



のに、色褪せない。



なにも同一でない。



晴れない。



だから暗くて、暖かい。



少し死の香りがする。



心地いい。



愛おしい、残酷な光。



救われる。
掬われる。
巣食われる。



殺されることの方が多いんじゃないかとも考える。



夜に酔って


本当は君に酔ってて


夜に依って


君と寄って


僕らを縒る



包まれる。
包まれる。
包まれる。



いたくて、かなしい。



会いたかったような



春色だったような



そんな人を思い出した昼。



駅のホームを下る階段。


あの花屋。


個人経営のケーキ屋さん。


すぐそこのコンビニ。



すべてがトリガーで


トラウマのフィルムを何度も再生させる。


消費期限が来るまで、白昼夢を見てしまう。



おもいだす。

おもい。

くりかえす。

ふりかえる。

ぶりかえす。



忘れられない


なんて


そう言っておきたい


いや、そう言わなければ


朝が来なくなってしまう人の使う言葉だ。



忘れられない、ではない。



忘れたくなくて


忘れたくない想いを許されたくって


その想いすら見えなくして


凄惨で、だからこそ最も愛おしい記憶にいつまでも抉られていたい


延命したい


そんなどうしようもなさを


どうしようともしなくてよくなった人間が


そんな僕らが、口淋しいとき洩らす言葉だ。

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