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大阪をつくった男から学ぶ志の大切さ〜五代友厚〜映画「天外者(てんがらもん)」を観て

もし自分が刀で斬り合う戦国時代や江戸時代に生まれたら、すぐやられてしまいそうだと思う半澤光希です。

みなさんは五代友厚(ごだいともあつ)という人物をご存知でしょうか?
僕は恥ずかしながら、映画「天外者(てんがらもん)」を観てはじめて知りました。

天外者(てんがらもん)とは薩摩(鹿児島)の方言で、天からの授かり物という意味があるそうです。
この映画ではとんでもない才能を天から授けられた者という意味で使われています。

「激動の幕末から明治初期、日本の未来のために駆け抜けた男がいた」とのキャッチフレーズだけで胸が熱くなります。

そんな映画「天外者」で描かれる五代友厚について紹介します。


五代友厚とは

1836年生まれで1885年に満49歳で亡くなります。
坂本龍馬と同じ歳に生まれ、三菱財閥の創業者岩崎弥太郎や初代内閣総理大臣伊藤博文と同じ時代に生きます。

2024年から新たに一万円札紙幣に描かれる渋沢栄一と並んで「西の五代、東の渋沢」と称されるほどの実業家で「大阪の父」とも呼ばれています。

五代自ら起こした事業設立にかかわった会社のうち主要なものだけでも、とんでもない実績です。

五代自ら起こした事業設立にかかわった会社の主要なもの

1869年(明治2年) 大阪通商会社・大阪貿易会社設立。金銀分析所設立。
1870年(明治3年) 大阪活版所設立(活版印刷の大阪の嚆矢) 薩摩藩より
堺紡績所掛を命ぜられる。(大阪の機械紡績の嚆矢)
1873年(明治6年)  弘成館設立。(鉱山経営の統括機関)
1876年(明治9年) 堂島米商会所開業。朝陽館設立。(製藍所)
1878年(明治11年) 大阪株式取引所設立。大阪商法会議所設立。(大阪商工会議所、初代会頭)
1880年(明治13年) 大阪商業講習所設立。(大阪市立大学)
1881年(明治14年) 大阪製銅会社設立。関西貿易社設立。
1882年(明治15年) 神戸桟橋株式会社設立。

出典:大阪商工会議所


当時の大阪で関わらなかった事業はないとまで言われる五代ですが、
これだけの実績や功績を残しながら、事業については私利私欲に走るものではなく全て国益を重視したものであるとのことです。

したがって、五代は私腹を肥やすことなく死後には借金があったことさえ判明しました。

まさに大阪のため、国のためにその命を使った人物と言えると思います。


映画「天外者」を観て


映画の中では、たくさんの実績・功績を残した五代の原動力となるものはなんだったのかが描かれます。
若い頃にどういう経験をして、何を目指して生き抜いたのか。

映画なので、史実の部分と演出の部分はあると思いますが、とにかく情熱と想いがあふれる映画で心が揺さぶられました。
(三浦春馬さんの熱演も素敵でした。)

知識や国際感覚、先見力を持って時代の先を見ながら、国のために尽くす五代ですが、家族や地元の人々など、まわりからは総バッシング状態です。
無理解や誤解が重なりまくってとんでもないことになります。

「刀で人を殺しても世の中は変わりはしない」
と未来に向かって信念を持って行動する五代ですが、当然武士たちからは嫌われ、異国に魂を売ったと命を狙われることにもなります。

そんな中でも五代が目指したのは

「誰しもが、夢を見れる国へ」

という志でした。

歴史を振り返ると、時代が変わっていく時には、無理解や誤解、偏見がつきものです。

「世の人は我を何とも言わば言え 我なす事は我のみぞ知る」

と五代と同い年の坂本龍馬の言葉ですが、そんな激動の時代を生き抜いた先輩方のおかげで今の日本があることを考えると本当に感謝という言葉では表しきれません。


まとめ


僕は25歳の時に起業を目指すことを自分で選択しました。
その時には家族や会社の同僚、友人に至るまで、ほぼ賛成の人はいませんでしたが、一度きりの人生なのでチャレンジしてみようと踏み出しました。
こうやってチャレンジできる世の中であることは本当に幸せだなと感じます。

このように、どんな人でも夢や目標を持って、自分で働きかたや働く場所を選択できる今の日本は、五代友厚が目指した「誰しもが夢を見れる国」と言っても良い思います。

そんな先人たちの想いや努力に恥じない毎日を送っているかなと考えると、自分自身の背筋が正される想いです。


今の世の中は不安や混沌という意味では、五代が生きた幕末から明治初期の世の中との共通点もあり、足りないものや、できなくなったことに目を向けがちでもあります。
ただ、そんな時代だからこそ、逆にできるようになったことや変わっていくことにフォーカスを当てて生きていくことが大事と五代友厚が語りかけてくるような映画でした。

そうやって今の時代をつくっていただいた歴史の先輩方に胸を張れるような毎日を送りたいですね。

お読みいただきありがとうございます。

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地位か名誉か金か、いや、大切なのは目的だ
五代友厚
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