頑張らない事を頑張る
先日の大阪国際女子マラソンで松田瑞生選手について、解説の高橋尚子さんや野口みずきさんが、ずっと習慣として続けてきた毎日500回から1500回の腹筋を止めて、より体幹を意識したトレーニングにシフトし「頑張らない事を頑張る」をテーマにやった事で、フォームが以前より力みが取れて効率的になったと言っていました。
もともと松田選手が腹筋をやり始めたのは、高橋尚子さんが腹筋を鍛えていた事を聞いて、愚直にやり始めたのだったと記憶しています。
腹筋1500回毎日やる事は確かに、その事への達成感はあるけれど。。
それは腹直筋をメインに鍛えるもので、ランニングに重要なのは腹斜筋や腹横筋なので、今回はそちらを意識したトレーニングにシフトしたといいう事だと理解しました。
今回松田選手は、それがうまく結果に繋がりませんでしたが、トレーニング方法や調整方法をいろいろ変えてから、まだ期間が短かったからなのではと感じました。
自分としては、それがもっと形になったところを見てみたいとは思いましたが、松田選手は引退も視野に考えているとニュースに出ていましたので、
そこは松田選手自身の選択ですね。
補助トレーニングするにせよ、ランニングするにせよ、それがどんな意味を持つのかを意識するが重要なのだと思いました。
リディアードがマラソントレーニングの中で、基礎として重視したのは「有酸素能力発達の走り込み」です。
疲れないでユックリ長く走れるかが重要で、誰かより速く走ろうとか、こんな遅いペースでは遅すぎるから、もっと速いペースでないと駄目だとか全く思う必要がなく。1週間10時間以上走っても全く疲れが溜ってないという感じを作る事が一番重要なのだと理解しています。
リディアードは常に「ユックリ過ぎるという「ラン」などない」と言っていて、安静時心拍数が55の人が軽いジョギングで心拍数が90まで上がっただけでも、30%以上の心拍数上昇になるのだから、それは立派な運動になるのだと言っていたそうです。
ゆっくり走る事のメリットは、先日書いた記事「スロージョグの知られざる効果について」も参照してください
リディアードはその「有酸素能力発達の走り込み期」を5~10週をやってから、スピード練習に移行する「ヒルトレーニング期」(2~4週)、「無酸素能力の発達期」(2~4週)、「本番に向けた走り期」(3~4週)、「テーパー期」(1~2週)でやるべきと言っています。
実は、故障続きで最近ようやくランに復帰した、同年齢の大久保さんという友人がいます。
その大久保さんは過去に癌になり壮絶な闘病を経て生還し、その経験から、癌患者を支援するNPO法人を立ち上げて、本を書いて、さらにサロマを10回完走し、サハラマラソンも完走しちゃった凄い人です。
これまで想像を超える頑張りで、苦難を乗り越えてきましたが、どうもその頑張り精神が強すぎて故障が続いていると感じています。
最近の練習状況を見ると、
復帰初日の5kmゆっくりLSDからどんどん負荷を上げようとしているように見えるので、サロマを完走するには、もっと速くしなきゃと思ってるんじゃないかな~って心配しています。
大久保さんは癌の治療中に間質性肺炎をやっていて、心肺機能がかなり落ちていますので、すぐ心拍数があがってしまい、どのペースが適正なのかは第3者からは分かり難いのですが。。
現在のGarminデータをみるかぎり、その5kmゆっくりLSDでも平均心拍139bpm最大154bpm(ほとんどゾーン3で走られている)ですから、スロージョグは9分/km~10分/kmぐらいの方が、コルチゾールをあまり出さずに走れるのではないかなと思いますし、そしてそんなに遅いペースだったとしても有酸素能力の開発という事では、もっと速いペースで走るのと差がなく、逆に疲労せず筋肉の発達も促進できるのだと思っております。(先日の記事の内容です)
日々の走りで早く鍛えなきゃと思って右肩上がりにペースを上げて走っても、またすぐ故障しちゃうので、今は頑張らないことが重要だと知ってもらえると嬉しいなと思って、この記事を書いています。。
今はペースでは無く走る時間(距離ではない)をできるだけ増やす時期
ゆっくり長く走ったら、翌日は超ゆっくりで短くを繰り返し、メリハリをつけて身体に刺激を入れて、もしスピード低下が心配なら2分速く、2分ゆっくりを何度か繰り返す日を週に1日だけ入れるでもよいのだと思いますが。。。
頑張らないことを頑張る そんな言葉からいろいろ考えてた週でした
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