2022-23ちゃこのVリーグ観戦記【番外編・天皇杯準決勝】
令和4年度 天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権
ファイナルラウンド 準決勝
2022年12月17日(土)
東京都渋谷区・東京体育館❣️
vs ジェイテクトSTINGS
JR千駄ヶ谷駅の目の前にある東京体育館。
今シーズン東京GBがホームゲームを行ったけど、私がここに行くのは、JTがVリーグ初優勝した2014-15シーズンのファイナル以来です。
ヴィスコ体制2年目のこの年、2013-14シーズンではJTファン(多分スタッフも)も「東京体育館…」というだけで浮き足立ってしまっていたけど、この年は準備万端で「やるぞ!今年こそ初優勝だ!」と、選手、チーム、スタッフ、ファンも一丸となっていたことを、昨日のことのように思い出します。
準決勝の相手はジェイテクト。
今シーズン、多分JT以上に補強に力を入れて臨んだであろうチーム。
シーズン開始前から下馬評では優勝候補と言われていたけど、年内最終順位は6位。(…JTは7位。もたもた連敗しているうちに、テクトに抜かれていた)
まだ今年のVリーグでは対戦がなく、これが初対戦になります。
(テクトとのV初戦は、1月14、15日。相手のホームゲームです)
同じコートで、同日に4試合行うという強行スケジュール。
第4試合だったJTは、当初の試合開始時刻が17:00。そして、女子の試合などが押していたのでそれぞれ試合時間が伸び、実際に試合が始まったのは、18:10でした。
コンデションを整えるのも大変だったことと思います。特に故障明けの選手や現在進行形で故障を抱えている選手には。
観客も流石に夜も深くなってきて、応援団(もやっぱり昼間のマーヴェラスの試合ほどは来れていない感じで。仕方ない。)とコアな緑色ファン(うちらの周りにも緑のハリセン、緑のユニ着た人は一定数居ました。なかには、グレべのハリセンを持った人が緑のハリセンをもらいにいってくださって、応援してくださってる姿も)は、長時間東京体育館の固ーい椅子に座ってて腰も限界だったけど、一生懸命にハリセンを叩きました!
さぁ!
劉力賓のいた2018-19シーズン以来の天皇杯決勝進出、そして優勝はあるか?!
試合はどうなった?!
25-20
31-29
25-27
18-25
12-15
第3セットで「決勝への切符を手に入れた!」と思った場面からの、逆転負け…。
これは痛い…。
うちらの腰も痛い…。しかも脱水だ…。
今日のスターティングメンバーは
OH:ラッセル、坂下
MB:小野寺、安永
OP:ジャン・チュアン
S:金子 時々合田
L:唐川/西村
試合前のアップの時から、何か違和感があったんですよ。
ベンチ外のメンバーを確認して(これも、なぜ試合経験のあるMB西、ナカジが2人とも外なんだ?大丈夫なのか?と思った)、
コート内で対人パスをしている様子を見る。
リベロユニ(JTだけでなくどのチームも(GBを除いて)、決勝で1stユニを着る、という覚悟があり、準決勝では2ndユニだったので、リベロが緑。)が2人。
で、ほかの皆んなは白ユニだけど?1、2、3、4、…………1人足らない。
リベロを入れて13人しかコートに居ない…?
え?!武智がいない??!武智くんはどうしたの??!
それでも、第1セットはジャン大爆発!で、サーブでアタックでボールがコートに突き刺さってましたからね。調子の良い時に出る『あーあぁ〜!』の雄叫びも健在でしたし。
それに対して、相手OPの強打には良いブロックタッチが取れていたし(なんなら止めていた)、坂下が鬼のようにディグで上げまくっていた!
第2セットもデュースになったけど、相手に一回もセットポイントを取られることはなく、常に一歩うちがリードして、取り切りました。
第3セットも序盤はリードしてたんですよ。で、相手のサーブに坂下ー唐川の間を攻められて点差を詰められ、23-23。
でも、その次のマッチポイントは、うちが握ったんです!
で、最後のポイントは相手のスパイクアウト(最初っからブロックアウトを狙ったスパイクでした)。
25-23❗️で、もうベンチから選手も飛び出して抱き合って!!
ベンチと反対側の関係者通路には、クマさんに後ろを押されて車椅子に乗った武智くんの姿も。「え?!車椅子?!何があったんだよ…。大きな怪我じゃないんだろうな…。」
などと考えていたら、
「ピィー」
ん?!何?!
チャレンジ?!あぁ、ブロックタッチを見る、のね。
将平、慎さん「みんな、一旦戻れ戻れ、ここ(ベンチ)から、やり直せばいいんだろ?!」
と一旦ベンチのメンバーは下がっていきました。
今回の天皇杯は、準決勝・決勝を東京体育館の1つのコートに限定していますし、チャレンジ制度が復活してました。
しかも、Vリーグと違って、会場の大型ビジョンに映してくれるので、応援している私らもチャレンジ画像を見ることができます。
思えば、この「会場のみんなに見える」ことも、マイナスに働いたとも思えます。
Vのように密室(会場のみんなにもベンチにも見えない位置。非公開。)で行われているわけでもなく、しかもビジョンを見るために選手がみなこっち(客席)を見ているので、各人の表情も見えます。
この時点で真実を知っていたのは1人だけ。ブロックに飛んでいた小野寺くんです。
大型ビジョンが私らの真後ろにあったので、チャレンジの結果を見届けるために選手たちもみんな私らの方を向いていたんですよね。
もう一度飛び出す準備をしているベンチの将平や慎さん。
ケリがついたと思う雰囲気が流れているコート内。
…その中で1人だけ、苦笑をしている人間がいました。そう。小野寺くんです。
「あ。触ってるんだな。」とこのとき私は思いましたが、コートの中のメンバーやベンチはどうだったでしょうか。
結局、ここが転機になってしまい、このセットをデュースの末に失いました。
第4セット、第5セットは相手にリードを許しながらのゲーム運びとなり、常に追いかける展開に、精神的に耐えられなかったように思われました。
相手には、Vでの対戦前にして、あ。JTはここが弱いんだな。と見せてしまいましたね。
相手にあって、JTには無いもの。それは、
コートの中でチームをまとめてくれる人材、です。
危機的状況になればなるほど、個人の力量だけではどうにもならないことが起こり、それをコート内で解決しなくてはならない。
監督やコーチは策を与えるけれど、実践するのはコートの中にいる人間です。
そういう意味ではベンチにいる選手も、一部分しか関わってはいない。
個人の力量的にはラッセルが故障明けだったことも含めて決して劣ってはおらず、なんなら上回っていたと思います。
金子くんのトス回しも、センター少ないぞ、とは思ったものの、相手も似たようなものだったので、今日はええじゃん?!と思って見てました。
ラッセルに、好みの高さ速さのボールがいってなくて申し訳なかったけど、時折は「おぉ!!」と思えるボールもあったですよね?今後良きに調整していくので許してくだされ。
金子くんは東福岡で厳しく指導されていんだろうなぁ。勝機を見つけるためには相手のウィークポイントをとことんつけ、と。そこは、パナが相手だったとしても、今回の準決勝も、絶対に彼がブレないところなんだなぁ。攻めの気持ちが強いというか。
ここのところラッセルの対角は武智くんだったし、多分直前までそれで調整していたんだろうし、坂下くんとのコンビが減るのは致し方なかったのかもねぇ…。坂下ー金子ラインは、昨シーズン結構トリッキーなコンビもやってて、見てて面白いんだけど、今シーズンはどっちが主原因なのかはわからないけど影を潜めていて、ちょっと寂しいんだよね。
これからは金子くんも新人ではなく中堅ーベテランのセッターになっていくのだから、急な交代があっても組み立てをすぐにし直して、その中でその選手個人の特色が生かされる攻撃&守備を考えていかなくてはね。
ロサノ監督の謎の「新井ー坂下ワンポイント交代」は、私なりに想像してるものはあるけど、ロサノ監督、ジャン、ラッセルも含めてチームが1つになる時には解決するんじゃないかなぁ。
チームをまとめる人間が必要、という急務について、今季から指揮を取っているロサノ監督がどこまで危機感を持っているのかなぁ、と思います。色んなチームを指導してこられている監督だから、全くそんなこと気がついていない、とは思いませんが、日本人特有の同調圧力やみんな一緒、一緒に並ぶという感覚は他国の人間にはわからない、と言われます。
どこまでこの壊滅的危機を理解しておられるのか。
平馬コーチや平野GMには見えていて、ロサノ監督には見えていないものがありそうな気がします。
この試合、世論は相手チームのことを褒め称えるでしょう。
それはそれでいい。実際に素晴らしいサーブを何度も入れられましたし、逆転されたのも事実です。
でも。
あの場に居た人間としては、JTサンダーズ広島というチームは、
ここぞという場面を切り抜けるメンタルを持ち合わせていないという問題
コートの中を誰も纏めていないという問題
を改めて思い知る結果となり、この後のシーズン残り試合に重くのしかかりました。
これは、相手ではなく、JTの中の問題です。
リーダーは一朝一夕には育成出来ませんし、運良く移籍などで輸入することは出来るかもしれませんが、そんなことで解決できることは稀です。
今いる選手の自立を促すしかないですよね。
でも、果たしてその役割はロサノ監督の契約時の役割に入っていたのでしょうか(ロサノ監督がその問題の解決に適しているのか、ということも含めて)。
試合を、リーグを諦めていないのなら、首脳会議をしっかりと亀渕さんを真ん中にして、行う必要がありますよね。
天皇杯準決勝のあの場面においては、私なりに考えてみて、
あの場での最善策は
「グリーンカードをGETする」
だったのではないか、と思っています。
小野寺くんが1人で戦っている、と思うことが多いんだけど、コートの中に武智くんがいると小野寺くんの表情や態度が少しずつ変わってきてたように思ったんですよ。
アクシデントだから仕方ないとはいえ、あの場面のコートには武智くんは居なかった。小野寺くんが1人で背負わないためには、事実をオープンして、その後でチームとして取り返せば良かったのではないか、と。まぁ、お節介な隣人の忠告ですけどね。
勝鬨をあげ、記念撮影をする相手チームの隣で、長い時間円陣を組んで反省会をしていたJTチーム。
そのメンバーを、車椅子の武智くんが1人ずつに声を掛けて迎え入れ労っていました。坂下くんは結構泣いていました。
車椅子に乗ってる姿をファンや関係者の多くに見られたくはないだろうに、それ以上にチームのメンバーのことを考えていた武智くん。
泣けました😭
2022年内の試合はこれで全て終了です。
2023年は、1月7、8日広島グリーンアリーナで、男女JTの共同開催となります。
JTサンダーズ広島は、東レアローズとの今シーズン初対戦。東レは天皇杯の決勝に残りましたので、まだ試合をしていることと思います。
この年末年始休みの間に、何をどう仕切り直すのか。各人よく考えて欲しいです。
選手、チーム、スタッフ、ファンが一体になる瞬間を、また味わいたいです。
頑張れ!JTサンダーズ広島!
頑張ろう!NIPPON!
(ちゃこ)
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