日本はWHOと外資製薬会社の言いなり! 水面下で進められていた協議空之まめ空之まめ2024年4月1日 16:39PDF魚拓







2021年9月3日



厚生労働大臣 田村 憲久 殿



意 見 書







HPVワクチン薬害訴訟全国原告団



代表  酒井 七海



HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団



共同代表  水口真寿美



同  山西 美明



<連絡先> 東京都千代田区二番町12番地13 セブネスビル3階



樫の木総合法律事務所内   電話03(6268)9550



https://www.hpv-yakugai.net/







<意見の趣旨>





1 HPVワクチンの積極的勧奨は再開すべきではない。



2 MSD株式会社が厚生労働省に提出したとされる、HPVワクチンを大量廃棄するようなことがあれば、今後のワクチン供給にも悪影響を及ぼす可能性がある旨を警告した文書(正式なものであるか否かを問わない)を公表すると共に、その入手の過程を明らかにすべきである。



3 厚生労働省が、HPVワクチンの積極的勧奨の再開に向けてMSD株式会社と緊密に協力してきた事実の有無、及び事実であればその協力の内容を明らかにすべきである。







<意見の理由>





1 積極的勧奨は再開すべきではない





本年8月30日、自民党「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟」が「HPVワクチンの積極的勧奨の速やかな再開に関する要望」[1](以下、「議連要望書」)を内閣総理大臣、内閣官房長官及び厚生労働大臣に対して提出し、厚労省は、HPVワクチンの積極的勧奨の再開に向けた検討を開始する方針であるとの報道がなされています。





しかし、現在も続く副反応被害の重大さと、HPVワクチンの有効性・安全性に照らせば、積極的勧奨を再開すべきではありません。





(1) 積極的勧奨の中止の理由となったHPVワクチンの副反応は、頭痛、全身の疼痛、感覚障害(光過敏、音過敏、嗅覚障害)、激しい生理痛、脱力、筋力低下、不随意運動、歩行障害、重度の倦怠感、集中力低下、学習障害、記憶障害、発熱、月経異常、過呼吸、睡眠障害など、全身に及ぶ多様な症状が一人の患者に重層的にあらわれるという非常に重篤なものです(別紙1)。





HPVワクチンの副反応の重篤性や高い危険性は、副作用被害救済の認定頻度からも明らかです。後記のようにHPVワクチンの被害救済はきわめて不十分ですが、それでも、障害(日常生活が著しく制限される程度の障害)の認定頻度は、主な定期接種ワクチンと比べて20倍以上と著しく高くなっています(別紙2)。





(2) 副反応の治療法は確立しておらず、被害者は現在も重い症状に苦しんでいます。HPVワクチンの副反応に対して専門的な治療を行っている医療機関は全国でもわずかです。そうした遠い医療機関への入通院は患者に重い負担となっており、そもそも適切な治療を受けられない被害者も少なくありません。





厚労省は、各都道府県に協力医療機関を設置したと公表していますが、協力医療機関体制は機能していません。協力医療機関での診療を受けても症状の改善は見られず、それどころか差別的な対応をされる例が後を絶たないなどの問題もあり、多くの被害者は受診を断念しています [2]





副反応に対する被害救済給付も十分になされていません。国が副反応の因果関係を明確に認めていない中で、請求しても不支給とされるケースが多くあります [3]。また、給付が認められた被害者も、その多くは一部の期間の医療費・医療手当だけであり、重篤な健康被害に対する補償としてきわめて不十分です。





副反応は、日常生活や就学に重大な影響を及ぼし、10代の早くにHPVワクチンを接種した被害者の女性たちは、進学や将来の目標の断念という深刻な被害も受けてきました。時間が経過して社会に出る年齢となった今、副反応は就労の重大な障害にもなっており、就労を含めた生活支援措置が切実に求められています。しかし、厚労省が設置させた都道府県の相談窓口はそのような支援に対応したものではありません。





(3) 一方で、日本において、子宮頸がんの年齢調整罹患率及び年齢調整死亡率は2010年代以降ほぼ横ばいであり、若年女性の子宮頸がん罹患率及び死亡率が上昇しているという疫学状況も存在しません[4]





また、HPVワクチンの有効性としては、未だに前がん病変の予防効果が証明されているに過ぎず、子宮頸がんを予防する効果は証明されていません。むしろ、HPVワクチンをワクチンプログラムに組み込んで以降、かえって子宮頸がんの罹患率が上昇した国もあります[5]





さらに、子宮頸がん予防については、死亡率や罹患率を減少させる効果が既に実証されており、副反応被害を引き起こす危険がなく、かつ費用対効果に優る検診という予防手段があります[6]







(4) 積極的勧奨が中止されていた8年間に、副反応症状の病態や因果関係を示す研究が積み重ねられてきました[7]。また、厚労省の審議会も、HPVワクチンの接種による痛みや恐怖が惹起する心身の反応(機能性身体症状)とする不適切な解釈のもとではありますが、一定の限度でHPVワクチン接種との因果関係を認めています。ただ、どのような人に副反応が生じやすいのか、どうすれば副反応を防ぐことができるのか、といったことは分かっていません。





こうした中で接種者数が増えれば、被害者も再び増加することは確実です。現に、積極的勧奨が差し控えられている近年にも、HPVワクチンを接種して重い副反応症状に苦しむ被害者が新たに確認されています(別紙3)。





治療法は確立しておらず、協力医療機関体制も機能せず、被害救済もきわめて不十分という現状では、新たな副反応被害者も、これまでの被害者と同じように過酷な状況に置かれることになります。そのような事態は決して許されません。







2 政策決定過程を説明すべき





(1) これまでの事実と報道





議連要望書は、「メーカーは本年10月を再開のデッドラインと捉えて10月に相当数の接種が可能となるように準備されてきた」とした上で、「再開の時期が10月以降に後ろにずれ込むと、せっかく準備をしたワクチンを、使用期限切れで廃棄しなければならない事態も想定されうる」ことを理由に、積極的勧奨の早期再開を求めています。





そして、MSD株式会社(以下、「MSD」)は、議連要望書提出後の本年9月1日付で公表したステートメント[8]の中で、「MSDとしては厚生労働省と緊密に協力し、本年10月の積極的な接種勧奨の再開に向けてあらゆる準備を進めてきました」としており、また同社は、HPVワクチンを「大量廃棄するようなことがあれば、今後のワクチン供給にも悪影響を及ぼす可能性がある」と警告する文書(以下、「MSD警告文書」)を厚生労働省に渡していたと報じられています[9]





上記報道によると、MSD警告文書について、「政府関係者の一人」は、「このままでは『貴重なワクチンを廃棄する国』として、国際的な信頼を失墜させるキャンペーンが起こってもおかしくない状況です。ワクチンや治療薬を供給するラインから日本が外れていきかねません」、「MSDは変異株への効果が期待されるコロナの経口治療薬の開発も進めており、ここで信頼を失えば、今後の日本のコロナ対策に影響が出てくる可能性もあります。『日本にはずっと裏切られ続けてきたから、世界の公衆衛生をしっかり考えることのできる国に優先して回す』と言われたら反論ができません」、「政府は一刻も早く、積極的勧奨再開という正常化に向けて動き始めてほしいと思います」と話したとされています。





さらにその後の報道[10]では、元厚生労働省医系技官であるMSDの担当執行役員は、インタビューに対し、「この文書は正式に提出した文書ではない」としつつも、MSD警告文書の存在自体は否定せず、また厚労省との『緊密な協力』について「国との信頼関係の中で対話をして、我々としては10月の再開のために準備をしてきたというところです」と述べるとともに、「10月という具体的な数字が警告の文書にもステートメントにも書かれているのは、厚労省との緊密な協力の中でその数字が出ているということで間違いないわけですね」という質問に対し「そういったコミュニケーションは協力関係の中でしております」と回答し、厚生労働省との間で本年10月の積極的勧奨再開を前提とした協議を行ってきたことを認めています。





(2) 『恫喝』に屈した政策決定は許されない





しかし、積極的勧奨の中止は厚労省の審議会の判断に基づいて決定されたものであり、その再開についても公開の審議会での審議と判断を経てなされるものです。そして、これまでに積極的勧奨の再開に向けた審議会の審議がなされたことはありません。それにもかかわらず、厚生労働省が、本年10月の再開に向けた準備を水面下でMSDに求めていたのだとすれば、きわめて不適切であり驚くべきことというほかありません。逆に、厚生労働省の関与がなかったのだとすれば、MSDが、積極的勧奨中止による低接種率が続いている状況の下で、将来の需要予測を誤り、過大な供給計画を立てていたことになるのであって、ワクチン廃棄の責任はMSDに帰すべきものです。





国民の生命と健康にかかわる重要な公衆衛生政策については、その政策形成過程の透明性が確保されるべきであり、利害関係あるメーカーの不透明な関与の下に政策決定がなされることは、許されないと考えます。厚生労働省が、水面下でMSDと本年10月の積極的勧奨再開を前提とした協議を行い、それに反する状況となったがためにMSD警告文書の提出を受け、その『恫喝』に屈して積極的勧奨再開に向けた検討の開始が決定されたのだとすれば、今後の厚生労働行政に禍根を残す誠に由々しい事態と言わざるを得ません。





(3) 厚生労働省の説明責任





厚生労働省には、積極的勧奨再開に向けた検討を開始するという決定に至った過程について、国民、特にこれから接種対象となる女性とその保護者に対する、説明責任があると考えます。



厚生労働省は、MSD警告文書を公表してください。





また、厚生労働省が、HPVワクチンの積極的勧奨の再開に向けてMSD株式会社と緊密に協力してきた事実の有無、及び事実であればその協力の内容を明らかにしてください。





なお、MSD警告文書については、前述のとおり、MSD担当執行役員は正式に提出したものではないとしていますが、正式かどうかのMSD側の認識にかかわらず、厚労省の判断に影響を与えた可能性はありますから、正式か否かを問わず公表されるべきです。加えて、MSDの関与の程度や、正式に提出したものではないとするMSDの見解の当否を判断するため、厚生労働省がMSD文書を入手した過程についても明らかにされるべきと考えます。





以 上












[1] 2021年8月30日 HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟「HPVワクチンの積極的勧奨の速やかな再開に関する要望」

https://44827ace-5ff4-4fe0-99e9-a89f34499ac7.usrfiles.com/ugd/44827a_5afaa56baa7542a5979526943c390358.pdf



[2] 2020年に全国の原告に対して行った調査では、回答を得た128人中、過去に一度でも協力医療機関を受診したことがある原告は111人だったが、2019年1年間のうちに一度でも協力医療機関を受診したことがある原告は23人に過ぎなかった。それも、HPVワクチンの副反応に対して専門的な治療を行っているごく一部の協力医療機関に集中していた。



[3] 長南謙一ら「医薬品副作用被害救済制度におけるHPVワクチンの副作用給付状況について」(医薬品情報学22巻1号1-6頁・2020年)では、請求に対する支給率は、医薬品全体では83.8%であるのに対し、HPVワクチンの場合は44.5%に留まっていることが指摘されている。

また、全国の原告への調査でも、障害年金ないし障害児養育年金の請求に対して決定が出された39人中、半数以上の20人は不支給決定であった。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdi/22/1/22_1/_article/-char/ja/



[4] 2021年8月24日 HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団「HPVワクチンに関する真のファクト」p6~9

https://www.hpv-yakugai.net/app/download/8090710554/silgard9-fact.pdf



[5] 同上p13~26

[6] 同上p10~13

[7] 同上p28~31



[8] 2021年9月1日 MSD株式会社「2021年8月31日厚生労働大臣記者会見 HPVワクチンの積極的な接種勧奨再開に関する厚生労働大臣の発言について MSD 株式会社のステートメント」

https://www.msd.co.jp/static/pdf/announcement_20210901.pdf

※2021/11/07追記 上記資料のURLが変更されましたので下記URLからご覧下さい。

https://www.msd.co.jp/wp-content/uploads/sites/13/2021/09/announcement_20210901-1.pdf



[9] 2021年8月28日 BuzzFeed News「製薬会社が厚労省に警告『HPVワクチン廃棄なら国際的に批判』」

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hpvv-msd



[10] 2021年9月2日 BuzzFeed News「3時間に1人が子宮頸がんで亡くなる現状で『事実上の先送りは遺憾』MSD幹部が語るHPVワクチンを届けたい女性への思い」

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hpvv-msd-tachibana

https://www.hpv-yakugai.net/tamura/
2021/09/03

MSD社からの「警告文書」の公表を求める意見書を田村厚労大臣に提出しました





















2021年9月3日



自由民主党HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟 御中







公 開 質 問 書







HPVワクチン薬害訴訟全国原告団



代表  酒井 七海



HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団



共同代表  水口真寿美



同  山西 美明



<連絡先> 東京都千代田区二番町12番地13 セブネスビル3階



樫の木総合法律事務所内   電話03(6268)9550



https://www.hpv-yakugai.net/











 貴議員連盟が令和3年8月30日付で内閣総理大臣、内閣官房長官及び厚生労働大臣に対し「HPVワクチンの積極的勧奨の速やかな再開に関する要望」[1](以下、「貴議連要望書」)を提出したのを受けて、当原告団・弁護団は、貴議員連盟に対し、以下の質問事項について回答を求めます。



 つきましては、2021年9月17日までに、上記連絡先まで文書にてご回答下さいますようお願い致します。







質問事項







1 当原告団・弁護団が、貴議員連盟に対し、2021年4月15日付要請書により要請したヒアリングの実施について、実施するか否か、及び実施しない場合はその理由をご回答下さい。







2 MSD株式会社が厚生労働省に提出したと報じられている、HPVワクチンを大量廃棄するようなことがあれば、今後のワクチン供給にも悪影響を及ぼす可能性がある旨を警告した文書の写しをご送付下さるとともに、貴議員連盟がこれまでに行ってきたHPVワクチンメーカー(MSD株式会社及びグラクソ・スミスクライン株式会社)との協議の内容を明らかにして下さい。







3 多様かつ重層的な症状を訴える副反応被害者に関し、予防接種健康被害救済制度ないし副作用被害救済制度による認定対象となるかどうか、並びにその原因の解明及び治療法の確立のためどのような具体的政策措置をとるべきかについて、貴議員連盟の見解をご回答下さい。





質問の理由





1 質問事項1(ヒアリングの実施)について





 当原告団・弁護団は、貴議員連盟に対して本年4月15日付で提出した要請書[2]において、被害者の実情を知って頂くためのヒアリングの実施を要請しました。しかしこれまでに貴議員連盟からの回答はなく、また本年8月26日に開催された貴議員連盟の第8回総会[3]においても議題とされておりません。



 一方で、同総会においては、米国研究製薬工業協会から6名、欧州製薬団体連合会から4名が出席し、両団体からの指名発言もなされています。



 国民の代表である国会議員の団体でありながら、被害者の声には耳を傾けず、製薬業界からの意見だけを聞く貴議員連盟の姿勢には、強い疑問を感じます。



 当原告団・弁護団は、ここにあらためてヒアリングの実施を要請するとともに、これを実施するか否か、及び実施しない場合にはその理由について、ご回答を求めます。







2 質問事項2(ワクチンメーカーとの関係)について





 貴議連要望書は、「メーカーは本年10月を再開のデッドラインと捉えて10月に相当数の接種が可能となるように準備されてきた」とした上で、「再開の時期が10月以降に後ろにずれ込むと、せっかく準備をしたワクチンを、使用期限切れで廃棄しなければならない事態も想定されうる」ことを理由に、積極的勧奨の早期再開を求めています。



 しかし、積極的勧奨の再開は厚労省の審議会の判断を経て実施されるものであるところ、これまで審議会では再開についての審議は全く行われていません。そのような中で、なぜメーカーが本年10月の再開を前提としてワクチンを準備していたのか、またなぜ貴議員連盟がこのようなメーカーの内情をご存じであるのか、その経過は明らかではありません。



 MSD株式会社は、貴議連要望書提出後の本年9月1日付で公表したステートメント[4]の中で、「MSDとしては厚生労働省と緊密に協力し、本年10月の積極的な接種勧奨の再開に向けてあらゆる準備を進めてきました」としており、また同社は、HPVワクチンを「大量廃棄するようなことがあれば、今後のワクチン供給にも悪影響を及ぼす可能性がある」と警告する文書(以下、「MSD警告文書」)を厚生労働省に渡していたと報じられています[5]。上記の『警告』の内容は、貴議連要望書の主張と合致しており、また貴議連要望書がメーカーの内情に触れていることや、貴議員連盟の主要なメンバーとして現職の厚生労働副大臣がおられることからすれば、貴議員連盟とメーカーとの間でも、積極的勧奨の再開に向けた協議が行われてきたことが推測されます。



 国民の生命と健康にかかわる重要な公衆衛生政策については、その政策形成過程の透明性が確保されるべきであり、利害関係あるメーカーの不透明な関与の下に政策決定がなされることは、許されないと考えます。特に、メーカーの在庫廃棄を避けるために接種率の拡大を図ろうという今回の動きは、加熱製剤開発後に、在庫処分のために危険な非加熱製剤を輸入販売してHIV感染を発生させた、薬害エイズ事件の悲劇を想起させます。



 したがって、貴議員連盟がMSD警告文書の写しを保有されているのであれば、その写しをご送付下さるとともに、貴議員連盟がこれまでに行ってきたHPVワクチンメーカー(MSD株式会社及びグラクソ・スミスクライン株式会社)との協議の内容を明らかにされるよう求めます。



 



3 質問事項3(副反応被害者への対応)について





 貴議員連盟の自見英子事務局長は、本年8月28日付のブログ[6]で、「報告された副反応と子宮頸がんワクチンとの因果関係もないことが明らかになりました」とされています。これまで、不十分ながらも、多様かつ重層的な副反応症状を訴える患者の一部に対して被害救済制度(定期接種の場合は予防接種法による予防接種健康被害救済制度、任意接種の場合は薬機法による副作用被害救済制度)が適用されてきましたが、因果関係がないことが明らかであるとすれば、こうした救済制度の適用は否定されることになります。



 また、貴議連要望書では、副反応被害者への対応について、「ワクチン接種後の有害事象に対しては、自治体と連携しつつ適切な相談・診療体制の構築など不安に寄り添った丁寧な対応ができるようにすること」として、因果関係を前提としない「有害事象」の用語を用い、救済制度に言及せず、症状ではなく「不安」への対応を求めています。



 しかし、副反応被害者たちは、現在も続く症状と、それによる学業・就業・日常生活上の困難、そして症状に対する社会の無理解に、苦しんでいます。被害者たちが一番強く望んでいることは、元の健康な身体に戻して欲しい、ということです。



 HPVワクチンが高い接種率であった積極的勧奨中止以前に、HPVワクチン接種後に多様かつ重層的な症状を訴える患者が多数発生したのは厳然たる事実です。どのような人にそうした症状が発生するのか、どうすれば発生を避けられるのかといったことは、現在も分かっていません。そうした状況の中で積極的勧奨を再開すれば、再び同様の患者が発生することが予想されます。実際に、積極的勧奨が中止されている中でも、新たな患者が発生しています[7]。そのような患者に対して、貴議員連盟はどのように対応すべきとするお考えなのでしょうか。



 多様かつ重層的な症状を訴える副反応被害者に関し、予防接種健康被害救済制度ないし副作用被害救済制度による認定対象となるかどうか、並びにその原因の解明及び治療法の確立のためどのような具体的政策措置をとるべきかについて、貴議員連盟の見解をご回答下さい。



以 上








[1] 2021年8月30日 HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟「HPVワクチンの積極的勧奨の速やかな再開に関する要望」

https://44827ace-5ff4-4fe0-99e9-a89f34499ac7.usrfiles.com/ugd/44827a_5afaa56baa7542a5979526943c390358.pdf



[2] 2021年4月15日 HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団「要請書」

https://www.hpv-yakugai.net/app/download/8069628254/jimin-giren-yosei.pdf



[3] 2021年8月26日 HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟第8回総会議事次第

https://44827ace-5ff4-4fe0-99e9-a89f34499ac7.usrfiles.com/ugd/44827a_6fb34d03a7594c44a9229e21f99eef99.pdf



[4] 2021年9月1日 MSD株式会社「2021年8月31日厚生労働大臣記者会見 HPVワクチンの積極的な接種勧奨再開に関する厚生労働大臣の発言について MSD 株式会社のステートメント」

https://www.msd.co.jp/static/pdf/announcement_20210901.pdf



[5] 2021年8月28日 BuzzFeed News「製薬会社が厚労省に警告『HPVワクチン廃棄なら国際的に批判』」

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hpvv-msd



[6] 2021年8月28日 自見はなこブログ「子宮頸がんワクチンの積極的勧奨再開に向けて」

https://go2senkyo.com/seijika/163357/posts/293979



[7] 2020年9月25日 2017年の新たな被害者の母(静岡県在住)による手記

https://www.hpv-yakugai.net/app/download/8033489854/200925%20shizuoka-mother.pdf

https://www.hpv-yakugai.net/2021/09/03/public%EF%BD%B0question/
2021/09/03

自民議連に公開質問書を提出しました






HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団は、2021年9月3日午後、厚生労働省の記者クラブにおいて会見を行い、接種勧奨再開の動きに抗議し、製薬会社から国に対する不透明な働きかけが行われた事実関係を明らかにするよう求める厚生労働大臣宛意見書自民議連宛公開質問書を提出したことを説明しました。
全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士からは、MSD社による、HPVワクチンを廃棄することになれば今後のワクチン供給に悪影響を及ぼす可能性があるとするような不当な働きかけによって、医薬品行政が歪められてはならないことを説明し、製薬会社と厚労省の水面下での不透明な交渉過程が明らかにされるべきであることを指摘しました。

 本日の会見では、全国各地からオンラインで参加した原告から、被害者が放置されたままHPVワクチンの接種勧奨が再開されようとする動きがあることについてのメッセージを、記者のみなさんに伝えました。

 名古屋原告の落合晴香さんは、「副作用被害のためにあきらめた夢やプライドがたくさんありました。被害者の声よりもワクチンの期限が優先されることに本当に腹が立っています。 私たちの人生にも期限があります。元の体に戻してください」と語りました。
東京原告56番の女性は、地震で揺れているような不快感や、日本語なのに別の言語のように理解できないといった認知機能の障害が日々続いていることを説明した上で、「20代になった今も家族の協力なしには生活できない、健康な若者がこんな状態になるワクチンを再開していいはずがない。国民の健康を思うなら考え直してほしいです」と訴えました。



 東京原告15番の女性は、「重度の倦怠感、特に右半身の痛みが強く、殺してほしいと母に頼んだこともあります。 一番症状が重かった当時の状況は記憶がないので、当時の母の日記を見て話す内容を考えました。 今も当時の症状を思い出すのが苦しくてたまりません。厚労省やワクチンを推進する人は、協力医療機関があるから心配ないと言いますが協力医療機関に7年ほど通いましたが、今も治っていません、 積極的勧奨も求める動きを報道で見ましたが、議連の先生が笑顔で要望書を提出しているのを見て、怒りがとまりませんでした。  勧奨中止の間に被害への治療は何も進んでいないです」と自らの気持ちを説明しました。
 九州原告梅本美有さんは「現在23歳です。ワクチン接種から8年がたつが未だひどい倦怠感、吐き気が今も続いています。今年の4月から何とか働いているが、症状のため、早退、欠席が多く働き続けることができるか不安です。 誰一人として自分たちと同じ苦しみを味わってほしくないです。積極的勧奨を絶対してはならないと思います」と訴えました。

 小池純一弁護士からは、MSDが2021年10月に勧奨が再開されないと在庫が大量廃棄となるとしている点についての疑問点を解説しました。

 MSDが製造販売する4価HPVワクチンであるガーダシルの有効期間は「充てん日から3年」と添付文書に記載されています。報道によれば、2021年10月から積極的勧奨が再開されないと、2022年4月から順次廃棄となるとMSDが警告したとのことですが、それは、3年前の2019年4月に充てんされたワクチンの廃棄を意味するはずです。
 しかし2019年4月当時、厚労省の審議会で積極的勧奨の再開が議論されていた事実はありません。

 なぜ2019年4月に積極的勧奨の再開による需要を見込んだ生産が行われたのでしょうか。
 もし審議会での議論もなく、厚労省とMSDが水面下で勧奨再開時期を見越して協議していたのなら、その事実経過は明らかにされなければなりません。



 会見の最後には、水口弁護士より、自民議連の国会議員は被害者の声をきき、その声に答える必要があることを指摘しました。



 全国原告団・弁護団は、被害者を置き去りにしたまま、製薬企業が国に不当な圧力を掛けようとした経緯を明らかにすべく、さらなる働きかけを続けていきます。

 どうか引き続きご支援下さい。



カテゴリ: 全国, 2021

https://www.hpv-yakugai.net/2021/09/03/press/
2021/09/03

勧奨再開の動きに抗議し、製薬会社による不透明な働きかけを批判する会見を行いました


ガンと診断される人の割合は1985年以降増加している。国立がん研究センターがん対策情報センターの2013年データによると、生涯でガンと診断される確率は男性で62%、女性で46%である。これが「日本人の2人に1人がガンになる」という根拠だ。ガンと診断される人が増えているのには、診断技術の向上も関係しているとはいえ「半分の確率でガンになる」といわれると、誰でも不安になるだろう。

ただ、この言葉をどこまで額面通り受け止めたらいいかは慎重に考えたほうがいい。実際にガンになるとしても、それが自分自身にどれほど差し迫ったものかは、年齢によって大きく異なるからだ。

国立がん研究センターがん対策情報センターのデータによれば、たとえば30歳男性なら、10年後の40歳までにガンと診断される確率は0.5%だ。この確率は20年後の50歳で2%、30年後の60歳でも7%にとどまる。あくまでも統計的にみれば、60歳までの現役世代のうちにガンになる確率は10人に1人以下に過ぎない。

では、「2人に1人がガンになる」のはいったいいつだろうか? 現在30歳の人なら、男性は50年後の80歳で42%、女性は50年後の80歳から天寿を全うするまでの間の46%である。

そもそも日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳で、死亡の確率が半分になる頃とほぼ一致する。ガンは身近な病気とはいえど、「2人に1人」の確率になるのは、ほかの要因も含めて死亡のリスクが高まる世代になってからである、というのは知っておきたい。

若いうちからガン保険に入るのは得策か?



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ガンになったときの備えとして、ガン保険は有効な手段のひとつだ。特に現役世代にとって、ガンは治療費などの出費のみならず、仕事の休業など収入面でのダメージももたらす恐れがある。しかし、現役世代にガンにかかる確率が10人に1人と低いなら、若年のうちからガン保険を契約するのは払い損なのではないか? という疑問がわいてくる。

そこで、男性が現役世代の30~50歳から、平均寿命である80歳までガン保険に契約した場合の保険料の払込総額を試算した。日本医療政策機構・市民医療協議会がん政策情報センターの調査によると、ガンの治療にかかる自己負担は平均で115万円である。そこで、ガンと診断されるとその水準に近い診断給付金100万円を受け取れるアクサダイレクト生命の終身ガン保険(ほかにがん入院給付金日額1万円がついている)を例に試算した。

すると、30歳に契約して80歳まで保険料を払い続けると、払込総額は約73万円になる。これに対して、50歳に契約して80歳まで払い込むと約96万円となる。ガンのリスクが高まる年齢に近づいてから契約したほうが、払込総額つまりコストを抑えられると思いきや、保障期間が長いにもかかわらず、むしろ若いうちに契約したほうがコストは低くなるのだ。

保障内容は各社で異なるものの、他社のがん保険でも同様の傾向が見られた。これは、将来の給付金支払いの財源として、契約者が支払う保険料のほかに運用収益が見込まれているためだ。

がん保険のみならず、生命保険の保険料は運用によって得られる収益を見込んで割り引かれており(これを「予定利率」という)、運用期間が長いほど割引の効果が大きくなる。このため、年齢が若い方が払込総額も低くなるというカラクリだ。なお、これは現時点での保険料率が将来も変わらない前提で計算しており、保険料が変われば計算結果が変わることは注意したい。

https://toyokeizai.net/articles/-/87744?page=2
「2人に1人はガンになる」という通説の誤解 30代のあの人に保険はどの程度必要なのか

加藤 梨里 : FP、マネーステップオフィス代表取締役