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「転職するする詐欺」の人を5タイプに分けて考える

「転職したいんだよねー」「今の職場から早く抜け出したい」…なんてしょっちゅう口にしながら、かれこれ長いこと同じ職場で働き続けている、“転職するする詐欺”の人は、周りにいないだろうか。

うちの夫が、まさにその人である。

我が家は共働きだけど、2人とも高給取りではないし、東京で暮らしていくにはそれほど余裕がない。

さらに子どもが生まれて私は時短勤務になり、当然フルタイムの頃よりは給与が減った。

夫は今の職場や年収にも不満があるようだし、前々から「転職する」とよく口にしていた。そして「転職するなら、今よりハードでも、必ず年収をアップさせる!」と。


しかし、待てど暮らせど、一向に転職活動をする気配はない。

「転職したい」とは言うものの、転職サイトをたまーーーに見る程度で、「一度相談してみようかな」と言いながら、転職エージェントに登録すらしていない。

夫の年収が上がれば…と淡い期待を抱いては、落胆し。その繰り返しがあまりにも長すぎて、私は期待するのをやめた。

世帯収入アップを夫頼みにしていると、いつまでも振り回される。夫婦と言えど、他者軸に依存してはダメなのだ。私は私で稼がなければ、と悟った。


「転職するする詐欺」の人

夫のように、世の中「転職するする詐欺」の人はわりと多いのではと思う。

もちろん、さまざまな事情があるので、一概に言えないのは大前提。たとえば、心や体に病を抱えてすぐに動けないケースなどは、ここではひとまず置いておく。

私は20代で4回転職し、「仕事や会社なんて星の数ほどあるし、そこで消耗し続けるなんて超ナンセンス」「自分が抜けても会社は回る。会社が回らなくなったらそれは会社の責任」という比較的ドライな思考の持ち主。

なので、転職するするといって一切行動しない人の気持ちは、正直あまり分からなかった。「そんなに転職したいんだったら、どうして転職しないの??」と。


でも、世の中いろいろな人がいるし、それぞれに状況や背景があることを知った。なので、私なりに「転職するする詐欺の人」を5つに分類して考えてみたいと思う。

1.転職がめんどくさい人

転職活動は、正直とてもエネルギーを使う。何回経験しても、そう慣れるものでもなく、毎回しっかりエネルギーを消耗する。

自分に合う仕事を探し、履歴書や職務経歴書を準備して応募し、都合をつけて面接に行き、採用されるかどうかは分からない。

決まったら決まったで、現職の引き継ぎや周りとの調整、関わっている人々への挨拶なんかもある。

そして、新しい職場では基本的に1からのスタート。人間関係もリセットされてまた最初から築き上げなければいけないし、社風や独自の文化に慣れる必要もあるだろう。

そもそも、転職を周りに反対されるパターンもあると思う。家族やパートナー、友達に止められたり。まず理解してもらって、となるとこれまたすごく消耗する。

そうこう考えていると、「めんどくさい」という気持ちの方が大きくなり、転職活動に踏み切れない、というケースである。

2.忙しくてそれどころじゃない、余裕がない人

日々の業務に忙殺されて、にっちもさっちも身動き取れないタイプはこれ。

忙しくて限界で、このままだと倒れてしまう、だから一刻も早く働き方を変えたい。本気で思っている。

でも、忙しすぎて本当に本当に時間が取れない。帰ったら泥のように眠りたいし、なんとか空いた時間はせめてストレス解消のためにゆっくりしたい。

こんな人も多いのではないだろうか。

時間なんてつくろうと思えばつくれる!というのも一説だけど、心と体に余裕がまったくなければ、本当につくれない。それは知っている。転職活動どころじゃない、という話だ。

こういうケースは、長期休みがとれた時や、何かのきっかけ(身内の事情や自分自身の病気・怪我など)がないと、なかなかチャンスがとりにくい。

状況から抜け出せなくて辛い、そんな状況に陥っているタイプである。

3.転職への条件が高い・難しい人

転職するなら、それは今よりも条件のいいところがいいに決まっている。

年収はいくら以上で、仕事内容はこんなこともできて、裁量があって、職場の雰囲気もよく、残業は少なく、なんなら会社もそこそこネームバリューがある…などなど。

ここまであれこれ求めなかったとしても、例えばママの転職は非常にハードルが高い。高すぎるのである…。給与、勤務地、仕事内容、時短勤務、これらが叶えられる職場は、とても限られてくる。つらい。

私も昨年、条件に合う仕事が見つからなさすぎて、半年ぐらいはこの状態だった。で、結局、転職せず週2勤務にしてもらうという働き方に行き着いた。

常に自分の条件に合う求人があるわけではないし、こういったケースは多いと考えられる。

4.転職活動の仕方が分からない人

今まで一度も転職をしたことがなかったり、周りに転職経験者がいない、といった人は、そもそもどう動いていいか分からない、ということも考えられる。

転職サイトは知っているけど、まず一歩が未知の世界。踏み出すのが不安。でも助言をだれに求めていいかも分からないし、とりあえず現状でステイ、というタイプである。

5.「転職したいんだよね」という話題が好きな人

「あー転職したい」「今の職場はイヤ」という話題は、たとえば親しい人との飲みの席なんかでは、盛り上がる。誰しも働いていて大変なことはあるし、ネガティブ系の話のネタとして、共感を得やすい

このタイプは、いわゆる「転職するする詐欺」のど真ん中の人たち。そもそも本当は転職する意欲はほぼなく、現状への不満を「転職」という言葉に置き換えて表現しているということである。

意外とこのタイプも多いように思う。夫もこれに近いところがある。

転職すれば今より年収が上がるのに、転職すればもっとやりがいをもって働けるのに――といった、“可能性の中に生きたい人”とも言える。厳しいけど。



このように、転職するする詐欺の人にも、いろいろなパターンがあることが分かる。半分ほどは、“詐欺”なんて表現は、ふさわしくないかもしれない。もがいている人たちもいる。

もし周りに「転職したい」と常に口にしている人がいたら、本当はどうなのか、こんな視点を持つのもありだと思う。

特に1.転職がめんどくさい人と、5.「転職したいんだよね」という話題が好きな人には、要注意。真剣に相談に乗ったり、一緒に悩んだりしても意味がないことが多いし、私のように振り回されて消耗するのはおすすめしない。

あるいは、自分自身もよく口にするという人は、自分の本音や状況はどうなのか、一度振り返ってもいいと思う。

転職することが必ずしも正解ではないけれど、踏み出したいなら1mmでも行動を始めたほうがいい。動くことで視界が開ける可能性は大いにある。

では、また。


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