東から探すか、西から探すか
なぜこのまちに住むことに決めたんですか?
そう聞かれることが多い。
夫婦で、引越しにあたって、住むとしたら?を想定し、2年ほどの間で3、4回関西を訪れた。
なんだかここいいね、落ち着くねと二人で意見が合う場所が、いくつか見つかった。
共通していたのは、気に入って長く住んでいた東京のまちと特徴が似ているところだった。
何かと何かの境界のまち、川がある、最寄駅の1日の乗降客数がほぼ同じ(まちの規模感、出歩く人の数が一致する)、スーパーがたくさんあって便利など。
どうせ引っ越すなら全然違う特徴のところでもいいのだけれど、住むということは落ち着くことが大事で、刺激を求めての引っ越しではないので、やっぱり落ち着くねという場所で候補地を絞っていった。
山のない平野育ちの私は、山が近すぎると圧迫感があるので、夫がいいねといった場所でも候補から外れた場所もある。
そんな感じで住むことが決まった所を、地形や地理やまちの成り立ち、特徴に詳しい友人に言ったら首を傾げられた。
東京で住んでいるまちと同じような特徴を持つまちなら、大阪や神戸方面にたくさんあるではないか、と。
そして結論。「東から探したから、ここに落ち着いたんですね」。
京都を中心にして、滋賀の方から視察した。
そこで気に入ったのがいまのまちだ。
もし兵庫側から探していたら、神戸か大阪の下町に落ち着いたはずだ、と。
東から探すか、西から探すか。
ちょっとした偶然と計画で、私たちは、知らないまちにまた住むことになるのかもしれない。