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『Re: ゼロから始める異世界生活』という芸術作品に、敬意を表して...。


突然ですが、皆さんはアニメを見られますか?

アニメって、いいですよね。


疾走感あふれるオープニングテーマ、 魅力的なキャラクターたち、 白熱の戦闘シーン


“王の剣”を称する騎士、 意思の宿る魔剣、 腹ボテのオーク


敵幹部たちの会議シーン

その幹部会議の場で軽口を叩く軽薄キャラ、それを諌めるお堅い騎士みたいなキャラ

横からそのやりとりをからかうトリックスターキャラ......、


そして、ビッグダディのAV......。(あれは衝撃でしたね)


・・・どれも日本人の脳に刻まれた共通の文化遺産だと思います。

そんなアニメ好き かつ 靴はしっかりダンロップの私ですが、先日アニメの完成形に出会ってしまったのでぜひ紹介させて頂きたいと思います。


この興奮が、冷めやらぬうちに...。

そしてこの真っ直ぐさが社会の中ですり減らされないうちに。

ずばり、その作品とは『Re: ゼロから始める異世界生活』です。

現在2期が放送中、そして原作ネット小説が芥川賞候補となっているのはみなさんご存知の通りですね。

綿密に盛り上げ所が盛り込まれた完璧なストーリー、主人公たちの精密な心情描写......。

もはや文学作品と行っても過言ではないでしょう。

著者の長月達平氏に選考提出の意向があられないだけで、応募さえすれば芥川賞はこの作品に授けられるに違いないと私の心の審議会では結論されていますが...。


その露悪的なまでに人間の内面を緻密に描写するさまは、三島由紀夫のようで。


この作品のヒロインたちの儚げな女性美は、さながら生き別れた母の女性的愛にあこがれ続けた川端康成のようで。


激しくも手に汗握る迫力のアクションシーンは......おん、えぇ.......タランティーノ監督のようで...?


とにかく、ここからはアニメ『リゼロ』のすばらしさを書いていきたいと思います。

ゼロからはじめましょうよ。ーーーーーーこのアニメの視聴を。


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1.オープニング(1期1クール目)がおしゃれ


これですねぇ。まずはこれに尽きると思います。


本来ならば、オープニングでは、曲のイントロ終わりごろにアニメタイトルがスタイリッシュに表示され、タイトルが消えてAメロ入りだと思うのですが、

なんと、リゼロはサビでタイトルが出るんです! 

こんなことが許されていいはずがありませんね。


転調に次ぐ転調(ドラムが消えたり出たり)のサビ前が続いたあと、順調に盛り上がりながら疾走感あるサビに突入!

と同時に画面には手前に高速に流れる地面の映像をバックに異世界文字でタイトルが表示され、

1小節後には異世界文字にグリッチノイズがブブン...とかかり、

異世界文字が変化、そこに日本語タイトルが大きく表示されるのです!

バックの地面やサビの疾走感の中、大写しされるタイトル...え、えぐいてぇ!!!


嘘だろ...サビでこんな...。もう勘弁してください。

中学の時にこれ見なくて良かったと心底思います...。

おそらくずっと脳内でOPのオリジナルMADを作るハメになっていたことでしょう。


それから、なんかOPアニメの最初と最後がループしてたり、逆再生でも曲になってたり、主人公のタイムリープ能力とかかってるらしいです。

あと象徴的なアイテムなのは分かるのですが、OPでずっと主人公がコンビニのレジ袋をずっと持ったままで走ったり切られたり苦しんだりしているのがなんだか笑えます。

魅力満載のOP、Netflixとかでご覧あれ。



2.完璧なストーリー、完璧な演出(ほぼ神話)


本当に、長月達平氏および作品制作関係者の皆様がこの世に生まれてきてくれたことに感謝します。


物語の基本的な骨格としては、

①異世界転生とそこでのエミリア(ヒロイン)との出会い
②エミリアの問題解決を手伝ううちに、彼女に恋に落ちる主人公
③主人公が、エミリアの抱える問題・運命(次期国王候補の一人として王選を戦う)を助けることをこの世界での目的とする
④王選突破までの困難を主人公が仲間と乗り越えていく

という感じかと思います。


日常からとあるきっかけで主人公が英雄的な運命に巻き込まれ、困難に打ち勝っていく...。

(ここまで抽象化すると、どんな物語も一緒になってしまいますね汗^^;)


異世界ものの装いを被りつつ、ここまでは長月様は基本的な物語の骨格に則っておられるという感じです。

それでは一体どんな要素がこの作品を芥川賞候補までにさせているのでしょうか?


そのひとつは、主人公が異世界に転生した際に受け取ったたった一つの異能、死を迎えた時にその死の運命を回避できる時点の過去までタイムリープする“死に戻り”能力でしょうか。


この死に戻り能力というたった一つの要素を完璧に料理することで長月様はこの作品を大きく劇的にされています。

主人公は死に戻り以外能力を持たない以上、死を回避したり状況を大きく変えたりすることは出来なません。

つまり、何度も死んでしまうほどこの物語での困難は主人公にとって大きいものとなり、彼が困難を乗り越えるために行う努力も大きくなります。

これはより劇的ということではないでしょうか。


そして、この死に戻りという装置のおかげで、

主人公含めて魅力的なキャラクターたちが殺されてしまうような悲惨な分岐、

信頼関係構築の失敗によって仲良くしていたキャラクターに裏切られる分岐、

その未来に絶望し、回避するために諦めず何度も努力する主人公、

世界線が帰結するたびに衝撃的なエンドが用意され、次回に対して生まれる連載小説やアニメのヒキ...

など、物語に深みやバラエティが生まれています。

もう...えぇ~、なんというか.......おもろいですわぁ。



3.アニメ11話、森の魔獣討伐編にて、なんの戦闘力も持たない主人公がレムとラムを逃がすため魔獣のボスに単身挑むシーンでOPテーマが流れはじめ、OPがサビに入るタイミングと同時に主人公が、唯一使用できるもののあまり役に立たないとされていた煙幕魔法『シャマク』を放つ演出


みなさんお待たせしました...。

やっぱりここですよね。


実際、原作web小説もよく作られているのは間違いないですが、

作品を大ヒットさせるには、こういう放送回単回ごとのミクロレベルでの盛り上げ演出が大事なのかなと思いました!



・・・いかがでしたでしょうか。

よければ騙されたと思ってみなさんもリゼロを見てみてください。

それではさよなら!


★アニメ公式サイト

http://re-zero-anime.jp/tv/


★『Re:ゼロから始める異世界生活』公式


※画像はリゼロアニメ公式サイト様(http://re-zero-anime.jp/)より

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