【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep.2
昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。
8 Apr. 2022
📍Esbjerg, Denmark
早朝、まだぼんやりする頭で彼女の支度する音を聞いていた。再び目が覚めると、時計はお昼前を指している。ソファに沈んだ体を起こし、改めて部屋を見渡してみる。日の差し込んだ部屋は昨晩とまた少し違って見えた。あちらこちらで植物が葉を伸ばし、窓辺には小さな苗たちが並んでいる。
キッチンカウンターに置き手紙を見つけた。「おはよう。よく眠れた?キッチンにあるものはなんでも食べていいよ。おすすめは私の作ったチアシードプディング!」昨日出逢ったばかりの彼女の温かさに、嬉しくて思わず小躍りしてしまう。
お昼過ぎ、少し散歩に出てみることにした。春の穏やかな日差しに照らされた街は明るく、そのどれもが新鮮に映る。生まれて初めて外国に足を踏み入れた時の高揚感を久しぶりに思い出して、気がつくとニコニコしてしまう。
小さなカフェで「デンマークならではのお菓子が食べたいです」などと観光客まるだしのリクエストを優しく聞いてくれる店員さん。"Romkugler(Rum balls)" というケーキの切れ端を丸めたお菓子を出してくれた。お手洗いで、「この子見ててくれる?」と声をかけられる。不思議そうにこちらを見つめる赤ちゃん。
海沿いに有名な像があると知り、そこまで歩いてみることに。思いの外長い道のりで、おまけにひょうまで降ってきて、ちょっと挫けそうになる。なんとかたどり着いて、その大きさに圧倒される。荒涼とした海を見つめるその姿はなんだか淋しそうにも見えた。
すっかり冷えた体でバスに乗り込み、流れていく景色をただぼーっと眺めていた。
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