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夜窓の詩




元いた場所に

帰ろう


虚宿行きの列車に乗ろう

窓を開けて

ぼくに身を任せて

瞳をとじれば

満天の星々が迎えにきているよ

ようやく君に見せることができる

銀河へつづく夜を


車掌さんも

お客さんも

いないんだ


ぼくときみだけ


風と星だけ


それだけで宇宙はできる


ポッペンを割ったような

弾ける音がぼくらを包みながら

遠い遠い夜へ


元いた場所に帰ろう


あたりまえだった宇宙へ



茶埜子尋子

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