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詩集

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#自然

蛍の詩

蛍の詩

飛びなれて

忘れたくないものも

なくなってしまってる

草で切れた中指に

露を垂らそうとしても

風に拭われて

オオカミの遠吠えだけが

この谷に響いて

青く光るこの花の名前も

忘れてしまったみたい

覚えていても

心地良さなんてなくて

あれば狂ってしまうのに

今の今まで

そうしてまで

見たかったもの

この谷の守り人も

絶えてしまったというのに

美しく残ったまま

変わ

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月読の詩

月読の詩

薄いからだに

光を廻らして

きみのいのちの在り処を説く

自然が生まれたようにしていれば

きっとぼくらは死ぬのだろう

だからいつまでも

自然を殺さねばならないのだろう

摂理というのは

近い未来じゃなくて

遠くの宇宙をいつもみている

それをぼくらに知らせずに

されるがままに死んでいく

それかぼくらが気づけていないのか

なすがままに殺していく

まったくそれは

簡潔な気持ち

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