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茶埜子尋子
2023年9月13日 18:59
私が灰になって消えていくことそれはきみが星になって消えていくことよりもずっと夜空っぽくて美しい屋上から空をめがけて落ちても地上から星をめがけて宙を舞っても何も美しいことはなくきみがきみの命をころしたそれだけのこと わたしはわたしを生きながら嘘を食べて涙をのんで人間であることに絶望しながら燃え尽きて灰になるまでを美しくしている 若い命だから美しいことはなく老いぼれた
2023年9月10日 17:14
僕のいない世界で君がいると知った時君は誠に幸せに生きていると知った時僕はもう死んでいい水槽のぶくぶくに一縷の希望を託していた 君だけだった君の呼吸が美しくて君の呼吸が僕の呼吸で君の吐いた泡にキスをしていたコンクリートで固められた世界のなかの唯一の幸せだったもうそれが君じゃないと知ったただの機械だと知ったこの世界は君じゃないと知ったもう僕は
2023年9月8日 17:43
プールに落ちるのと見上げた夜空に堕ちるのとどっちが速いのだろうね どっちが冷たいのだろうね光がこわい闇の窓 星たちが笑っているのを白い月から見ている茶埜子尋子