【コラム】テイクアウトに補償と責任を
唐突にすみません。チャチャです、お世話になっております。
さっそくですが、政府、ないし自治体には今すぐにでもテイクアウト容器の補償をしていただきたい。
減税や給付金、控除のどの形でも良いので出来る限りスピーディーかつ幅広く。
即効性があり、尚且つ経済効果のある飲食店支援策の一つになり得ると本気で思います。
というのもテイクアウト容器ってマジで高いのです。
ウチはしばらくお休みしてるので、テイクアウトやってないのですが、替わりに消費者的な目線でお話できればと。
いや~しかし、高すぎる。
よくあるプラスチックの輪ゴムで止めてあるようなやつだとまあ4円くらいで手にはいるのですが、ちょっと質感こだわると30円とかしますしなんなら50円くらいの容器を使ってるお店も見ます。
しかも入荷待ち。
尚且つテイクアウトって単価的に低く設定しがちですので、飲食店の利幅は基本的に低くならざるを得ないです。
これは、普段の営業の中で料理に重きを置いているお店や人気のお店ほど顕著に現れると思います。
テイクアウトであっても、お店のクオリティを維持してお届けしたいという、消費者的に非常にありがたいお店ほど利幅は狭いと思っててください。
いやいや、テイクアウト専門店とか全然やれてるじゃん。甘えるなと思う方もいるかもしれません。その考え方は自然です。飲食店の経営に携わることのないほとんどの方がそう思うのは当然のことです。
ですけど、今だけは、少し考えてみて欲しい。
今回は割愛しますが、そもそもテイクアウト専門店は店内動線の設計やテナントとの相性が全て。住宅街のパン屋さん以外
あの美味しいお店が、繁盛店が苦しい理由。
まず、通常の店内飲食店からテイクアウト専門に移行する難しさの一つが、まさにこの容器代。余計なんですよ。だって当初想定していない費用なのですから。
二人で営業していた10坪ほどのお店で、家賃が10万円程、コロナ以前の月の売り上げ額が100万円と仮定します。
まず、売り上げの半分である50万円をテイクアウトオンリーで目指すと、30日営業で1日平均1万6000円の売り上げを作る必要があります。
一食あたり800円の単価で20食分。
50万円目標で、ですよ。休みなしで。
1万六千円の売り上げに対する固定経費は
家賃3300円
光熱費約1600円
その他1000円
この時点で約6000円かかってます。
あと1万円。
これをベースに材料費の計算しなければなりません。
すごく原価を抑えて、作れるものを作ったとして20%の材料費。
残り8000円。
ここで容器代。25円として20食で500円。
ていうかまず今まで使ってなかった店は結構な数まとめて購入したりしないといけません。
優しいお店ならおしぼりとかつけちゃったりしますよ。当然お箸と袋も付いてきますし、中に飾りや敷紙なんかも使ってるかもしれません。
これを30日やって、ようやく得られる利益はおよそ20万円ほどでしょうか。
それを二人で分けたら10万円づつのお給料。ここからは人間の生活があります。税金、保険、生活費、家賃...
そんな中で容器代の補償月2万円があったらどれだけ助かるか。って話なんです。
あと、最大のメリットが、容器でお店のクオリティを判断されなくなること。
自治体一律のテイクアウト容器があった場合に、消費者的にはその容器は判断基準から外れて、料理内容や価格にシフトするはずです。
通常の飲食店って、お皿やグラス等の備品を減価償却しているので、日々発生する容器代に対する耐性がないのです。
当然、容器の種類も少ないので、ただでさえ暖かい状態で出したい料理がダサい容器で冷めた状態になるわけですから、なんか申し訳なさから値段を通常時より安くしがちです。めっちゃわかる。俺もそうするはず。
でも、肉フェス!とかなんとかフェスの場合ってみてくれショボくても値段とれますよね。あれを目指さないといけない。
そこで、自治体の出番ですよ。
そんなにお金はかからないです。
持続化給付金の認定要件ほどの基準で、市内や町内に対象が1000店舗あったとしてもひと店舗あたり平均3万円の1000店舗分、3000万の向こう半年分ぐらいならどんな財政の悪い自治体であっても十分地方債で賄える。これはある意味で活性化に繋がるチャンス。
しかも、これ自治体が替わりに仕入れることでさらにコスト下げれますから。大量購入しなければ、こんな容器代高くて小さいお店はやってられないですよ。
デザインを施した自治体独自のテイクアウト容器の提供、又はテイクアウト業務を行う各飲食店への金銭的な補償は急務であると思います。
そして、もうひとつ大事なのがテイクアウトに対する食品衛生法的な恩赦、及び補助について。
各々が、独自の判断でテイクアウト業務を行なっている現在の状況は一度食中毒が出た場合に取り返しのつかないダメージを飲食店に与える可能性があります。
現在は各自治体の保健所が目を瞑っている段階ですが、これは責任逃れと云われても仕方がないです。
この状況下では、自治体や国がが消費者に対して責任を持ちつつ消費を呼びかける必要があります。
そのために、容器やプラットフォームとしてのテイクアウト期間を設定することが最も重要なのです。
このムーブメントはやり方によっては飲食店の可能性を広げるチャンスにもなり得るのですが、一歩間違えると死期を早める危険性もあります。
飲食店を救うのは確かな制度設計と僕たちが今まで守ってきたガイドラインの遵守であって、これは他のどの国と比べても優秀であったはずです。
もう一度言います。
テイクアウト容器を補償してください。
そしてガイドラインの設計、消費喚起に対する責任をしっかりと提示してください。
なぜ今人々が飲食店の継続を望むのか。
それは単なる食事スペースとしてだけでなく、そこに集まったり、携わったり、生活を支えてきた、たんなる経済活動の前に生活の豊かさの根幹をなす場所であったからです。
その場所に「テイクアウト専門」という非常に難易度の高い営業を強いるのであれば、そのシステムに対する補償を提供するのが自然であり、それは経済活動の活性化に結果的に寄与できるはずです。
同業者のテイクアウトを色々食べてみて感じました。
レベルが高い。超うまい。量も申し分ない。
のわりに安すぎる。
でも気持ちはめっちゃわかる。売れなければ意味ないから。
今は皆さん、応援の気持ちが強いです。ただ、これが慣れてきてシビアになってきた頃が怖い。そして気温が上がると食中毒のリスクも考慮しなければならない。
例えば、保冷剤の配布や補償もすでにしていなければいけない段階であると思います。
こんなショボい謎の店の声がどこまで届くかわからないです。
日々コロナ関連業務に追われ、心身共に疲労困憊の自治体関係者や政治家の方々には心より御礼申し上げます。
少しでも共感していただけましたら、お近くの飲食店や飲食経営者に具体的な現場環境のヒアリングと解決策を聞きに行って、実行していただければと思います。
一日も早い収束を願っています。共に頑張りましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?