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タイパ時代は何を想う〜フィットネス市場の変遷・消費者志向から読み解くトレンド変化〜

こんにちは、チャボです。
今日は書きたいこと書いてみたシリーズの投稿です。
今年に入っておうちトレーニングを継続してるのですが、その時にふと感じたことなどを含めて今日は、タイパ時代と運動ブームの変遷についてを簡単に書こうと思います。


フィットネス市場規模と動向

帝国データバンクによると、フィットネス市場は23年で6500億円規模の市場です。この市場は主要なスポーツジム施設などの売上と店舗推移のため、実態はもっとあると捉えていいでしょう。
コロナで一時期市場規模が下がって、以降回復傾向にあるのは他の健康市場と同じ傾向ですね。

「フィットネスクラブ・スポーツジム」業界動向調査(2023 年度)より引用

市場の変遷

このフィットネス市場は古くから見ると1960年頃からになります。簡単な変遷を以下にまとめてみました。結論、現在のフィットネス市場はコロナを起点に大きく変わりつつあります。

1960~70年代:フィットネス市場導入期

この時期、エアロビクスやジョギングが一般的なフィットネス活動として広まりました。ジョギングは特にアメリカで人気を集め、日本でもフィットネスの概念が少しずつ普及してきました。
この時代は東京オリンピックが開催された時期でもありその影響を少なからず受けています。2020年前後に五輪影響でプロテイン市場が伸長したことと重なりますね。温故知新。

1980~90年代:市場拡大とバブル崩壊期

この時期にはフィットネスジムの数が増え、エアロビクスやウエイトトレーニングが主流となりました。ちょうど「りんごだけダイエット」などのダイエットブームとも重なり、体型維持や減量を目的とした運動が流行します。

しかしバブル崩壊に伴って新規入会者の減少、ジムの維持費などの様々な問題が発生。ここからは、従来の形式のジムの他にパーソナライズジムなども増えてきて、フィットネスの方法が多角化を見せてきます。

パーソナライズジムの当時チラシ

2000年代:市場拡大期 リラクゼーションと成果志向の加速

この時期には一気に多角化を見せます。ちょうどここからヨガやピラティスが広まり、カーブスなども登場したことで、年配女性を中心にフィットネス市場が再興を迎えます。リラクゼーション目的の層、少し今までのマッチョ・筋肉作りとは違った層を中心に市場が拡大します。
さらにフィットネス市場については以下のような4セグに分かれてポジショニングされていき、市場の多角化を見せます。特にこの時期は、ビリーザブートキャンプのような海外のフィットネスなども導入されていき、成果志向の手法が拡大していきます。

2010年代:市場安定期

上記のトレンドが継続し、徐々に市場は安定期を迎えます。
クロスフィットやHIITが登場し、短時間で高強度のトレーニングが可能なプログラムが支持され、特にコミュニティを形成することがブームを支える要因となります。カーブスは分かりやすい事例ですね。

2020年代:新需要創成期

コロナによってジムの閉鎖などが続出。
それに伴い、デジタルフィットネスの時代が到来します。具体的には自宅で行うオンラインワークアウトやフィットネスアプリが普及し、新たな運動の形が定着していきます。おうちトレーニングなどはだいぶ大衆化した印象です。
また、コロナ初期は原点回帰のようにランニングなどの基本的な運動習慣に立ち戻る動きが強かったです。これは食と同じで、消費者の志向が「基礎の健康習慣」に立ち戻ったのだと思います。

直近のトレンド タイパ視点から見るフィットネス

ここから少し個人的な話を混ぜながらです。私は、コロナに入って以降、運動習慣をゆるく長く続けており、その中で核になるのが「フィットネスユーチューバーのおうちトレーニング」です。

フィットネスユーチューバーは色々な人がいるのですが、そんな中で最近の動き気になってきてるのが「動画の時間」です。

だんだん省時間化するおうちトレーニング

コロナ禍の初め2020年頃は「皆で踊ろう 10分ダンス」とか「鬼やせ20分有酸素運動」などの動画をよくみた記憶があります。その他動画も含め、5分以上で投稿する投稿が中心だった印象です。おそらくユーチューバーが流行りの時期で、収益化のこともあってこの時期は長めの動画での運動が中心だった印象を持っています。

しかし直近では短時間動画が多くなっている印象を受けます。「毎日3分で痩せる」「1日1回でOK」などの手軽で短時間ダイエットを毎日続けることが中心になっているようです。

サムネ比較

これは1ユーザーの感覚なのですが、確かに再生数とかでみても短時間動画の方が回ってる印象でもあり、かつ自分が使う動画も3分プランクとか短いものが多い印象です。では短時間動画が溢れている中で、どのように消費者は試聴サービスを選ぶのでしょうか。

タイパ世代の重視するフィットネスのポイントとは?

これは「健康の向き合い方」と「その中で重視する点」が変化していることを理解することが重要です。今の時代、過去のダイエット商品が売れなくなるヒントはここにあるのかもと考えてます。

●健康志向とライフスタイルの変化
現代の、特に若年層は、健康を単なる身体的なものだけでなく、精神的な健康も含めた包括的なものとして捉えるようになっています。
今までの健康診断のために「痩せればOK」のような考えではなく、目的が心身ともに健康であることとなっているため対処方法が変わってきています。
代表格はピラティスで、ここ数年で爆発的に拡大しています。チョコザップでも導入店が増えているみたいですね。ダイエットにおいて心身のバランスを整える運動が注目されています。

健康のその先にある自己実現という新しい志向性
今の若い世代は、健康を通じて自己実現を図り、メンタルヘルスを向上させたいという思考が強まっています。そう言った中でフィットネスは単なる運動ではなく、個人の自己表現の手段としても重要視されるようになっています。では、その自己実現についてを達成させる上で重要な打ち手・・・。
それは「ロールモデルの創出」 ややチープな言い方だと「推し活」です。

●「推し活」に近いフィットネスインフルエンサーの役割
自己実現の象徴として多くのフォロワーに影響を与えているのが「フィットネスインフルエンサー」です。

この人たちは視聴者にとってロールモデルとなっているケースが多く、フィットネスプログラム以外にも、自分自身のモーニングルーティーン・食習慣・Vlogなどを発信しています。
自分の体型改善の成果や食事管理法をシェアして、フォロワーに自己改善や目標達成の重要性を説明したり、たまの休日にリゾートに行って自身の生活の棚卸しをする。これによりユーチューバーの自己表現・価値観を発信し、視聴者はそれを通じて自身の生活に反映させる。

少し切り口は変わりますが、サウナも似たような話があったと思います。
楽天の社長が、何か大きいことを決断するときはサウナで思考を尖らせ、その上で事業判断を行う。こんなストーリーも、先ほどの話と繋がる部分があるように感じます。

そのため、タイパというと単に「時間」「効果」だけのように感じますが、今のフィットネス・ダイエット市場の理解には
「消費者の健康観・向き合い方」の変化の理解
「自己実現とそこに寄与するロールモデルの構築

この2つが欠かせないと私は考えてます。特にダイエットサプリや商品が苦しい中で、食アプローチでのこの市場に取り組む企業が増えてます。
しかし、サプリメントなどの商品がまだ終わったわけではないと思ってますが、大手含め、上記の変化についていけてない印象を各社受けます。特に大手の会社ほど販促手法などが固定化されてしまっているので転換すること自体がかなり難しいというのもあるのかもしれませんね。。

終わりに

簡単に書く予定だったのですが思ったより壮大&書いてる途中での気付きを整理してたら、思った以上に実務で重要な考えに辿り着いてしまいました 笑
明日以降、実務と並べて考えてみようと思います(考えを言語化するのはこれだから面白いしやめられないですね✨)

さいごに、誰も興味ないかもですが私のロールモデルについて紹介です。
わたしのロールモデルは「のがちゃん」です。

今日内容を書きながら、確かにこの方のユーチューブを継続する理由って、別に痩せる・痩せないとかフィットネスの結果以外にも「人生観・価値観」「健康管理」「仕事術」などいろんな部分で参考になることが多く、そこが影響しているなぁ。と改めて感じました。

今年に入ってから年間での達成目標を立てて、1ヶ月ごとに振り返り習慣をつけたり、月に1回は新しいこと・消費にチャレンジするなどを取り組んでいるのですが、影響を受けている部分は多いなと感じる点は多いです。

この8月で1年の2/3を終えます。
今年頭に立てたやりたかったこと・やり残してることの進捗はいかがでしょうか?まだ1/3の期間もあります。

9月からは涼しくなって今まで暑さを言い訳にできてなかったことを推し進めるチャンスです!みなさん、24年残りも頑張りましょう!!

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