君は、君がしたいままの表情をしていて

どうしてこの人は、私の気持ちを知っているのだろう。

『潔く柔く』でのセリフ。

友曰く｢1dayのコンタクトを2週間つけた時に見たら横浜流星｣、通称“1day流星”な、会社同期の彼氏の話。その4。

毎度お馴染み1day流星

初デートから毎回欠かすことなく 、私の髪型や服装を褒めてくれる彼氏。恐らくどこかの女の教育の賜物なのだろう。ありがとうな、顔も名前も知らぬ、歴代何番目かの有能な元カノよ...。目の前に現れて欲しくはないが、感謝しているので菓子折りくらいは送りたい。

元カノ数はかなり多いみたいだけど、具体的エピソードは全然教えてくれない。聞いても、ニヤニヤしながら「忘れた」の一点張り。

そう、この男には秘密は多い。

あと私が、大好きと伝えても、ありがとう、としか返さない。あいみょんの歌詞に出てきそうなスタンスの男である。

そんな彼に、君の正直な所が好きだ、と言われた。

昔から思ったことを言葉にしないと気が済まない私。そんな自分の正直さが苦手だった。

正直さを矯正し、隠せる人間に憧れ続けたが、何年経ってもなれなかった。

次第に、ほんの数人の優しい友人たちとしか関わりを持たなくなった。私は自分らしく正直に居るのだと、心に決めて。

そんな私に彼は、

「他人に正直になろうとしても、なれるもんじゃない。みんなどっかで本心を隠す、自分を良く見せようとして。

だから、付き合ってみて驚くほど正直だと分かった君のことを、信じられる人だなと思った。正直なのは凄くいいところだと思う。」

と言った。

地元を離れ、東京で出会い、好きになった人。

どうしてこの人は、私の気持ちを知っているのだろう。なぜこんなにも温かい言葉で私の苦しい部分を溶かすのだろう。

真顔が不機嫌に見られがちなのが嫌で、意識して表情を作る私に、「俺と会う時は、自分がしたいと思った表情をしていて」と言ってくれた、私の大切な人。

初めて言葉を交わした時に雰囲気に惹かれ、もっと知りたいと思ったのは、たぶん「この人は警戒しなくても大丈夫な人」と私が感じていたから。最近気づいた。

この前会った時、「透明な心で人を見ていたい」と言っていた。美化することも卑下することもせず、人のありのままを見ようとするあなたを、私は、出会った時からずっと信じているのだ。

また書きます。