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メキシコシティに「暮らし」ている✴︎遊学日記week9@CDMX, México
すっかり暮らしている、そんな日々。
6/10 基本的に赤い
学校帰りにずっと気になっていたポテトチップスを食べた。
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メキシコはスーパー以外でも、ストリートフードとして薄めの塩味のポテチが売っている。ポテチなんてスーパーで買えばいいのに、と思っていたけど、ストリートフードのポテチは一味違った。
気になり始めたきっかけは、スタンドのおじさんがじゃがいもをすって、その場で揚げているのを見てから。手作りかつ揚げたてだということを知って、メキシコで食べるものバケットリストに追加した。
小さいサイズと大きいサイズの2種類があって、小さいのを頼んだら日本の個包装のミニポテチの1.5倍量が袋に入れられた。
ライムを絞るか聞かれ、うん、と答える。袋をもらったら、あとは自分でトッピング。わたしの前に買っていた人の真似をして、Salsa Valentina と Jugo MAGGI をかけた。
・Salsa Valentina
ど定番のサルサ。
・Salsa Picante Cholula
これもよく見るサルサ。日本でも見たことある!
・Jugo MAGGI
ビネガーやりんごのピューレ、タマリンド、砂糖などが混ざっている。酸味の弱いビネガーに旨みを足したような味。
・Chamoy
フルーツのピクルスをソースや粉にした調味料の総称。いろんなブランドのものがある。基本的にプラムで作られることが多いので、味は梅干しに近い。
・Tajín
ライム、塩、唐辛子が混ざった粉。サラダ、肉、フルーツ、飲み物、何にでもかける。酸っぱい、しょっぱい、辛い、さっぱり。
・Miguelitos
酸っぱ甘い粉。ブルーベリー、りんご、オレンジなど人工的な色に着色されたいろんな種類がある。パッケージの天使がかわいい。
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ソースをかけることを想定されているから塩味は薄め。薄めのスライスで手が止まらずものの数分で完食。もう少しソースをかければ良かったと思い、舌がメキシコになじんできたことを実感する。
・flan(プリン)
・elote(とうもろこし+マヨネーズ+チリのストリートフード)
・fresa con crema(いちご生クリームかけ)
・mole de olla(伝統的なスープ)
・sukiya(すき家の牛丼がどんなもんか気になる)
6/11 染み渡る2500円のラーメン
学校終わり、韓国人オッパとラーメンを食べに街中へ向かう。
友人らを誘ったら、街中まで出るのは遠いから今日はやめておくと断られた。普段のフッ軽はどこへ行ったの。
ということで、どうしても今日ラーメンを食べたい韓国人オッパにお供する。
○Día cero
メトロバス(地上を走る路線バスみたいなもの)に乗って街中に向かおうとするものの、デモの影響で止まっていたため諦めてUberを呼んだ。
デモは水にまつわるもの。学校の近くに Comisión Nacional del Agua (CONAGUA) というメキシコ国内の水回りのことを管理する機関がある。
México州の北部にあるHidalgo州から農家の方々がやってきて、水不足に対して抗議をしていた。農作物に影響がでているらしい。
そもそも今年はメキシコ全体で水不足が叫ばれている。今年というか近年なのかな。
ホストブラザーのパートナーの実家がある Veracuruz は、水不足が深刻で、毎年のお決まりの誕生日帰省も今年は諦めていた(ようやく週末ごろに雨が降って多少改善されたらしく、来週末に帰省するとのこと)。
ホストファミリーの家も、庭の芝への水やりをやめた。3匹の犬たちが乾いた草の上を駆け回っていたらあっという間に芝は無くなってしまった。見た目はよくないけどしょうがないよね、とホストマザーは言う。
3月末時点で国土の7割が干ばつ状態だった。Día Cero(水が供給できなくなる= ゼロの日)が到来するのではないかと叫ばれていたほど。
水不足は気候変動によるものと簡単には片付けられず、水のインフラ管理不足による老朽化も理由の一つとしてあげられている。
水がない!とは聞いていたけどここまで深刻だとは思ってなかった。
○10分間のおいしさ
さて、向かう先は Deigo Ramen。
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どうやら人気店らしく、いつも並んでいるとの噂を聞いた。火曜日の昼間だったからか外待ちは3組だけで、後ろに並ぶ。
並んでいる間にどのラーメンを食べるか格闘していた。チャーシュー醤油ラーメン、豚角煮醤油ラーメン、担々麺、つけ麺、そしてなんと期間限定の冷やし中華。どれもだいたい2500円。悩みすぎて韓国人オッパに笑われた。
選ばれたのは豚角煮醤油ラーメン。
美味しかった。とくに味玉が沁みた。カウンター席で、日本の回転寿司にある暖かいお茶セルフサービスまであって感動。
旨みと麺の食感を感じるためには温かいのが一番。なので、日本では10分以内に食べます。
日本みたいに、できるだけ早くラーメンを食べるのをおすすめめします。
早く食べるとラーメンをより楽しめるだけではなく、待っているお客さんたちも早くラーメンを楽しめます。
10分以内なんて大袈裟な、と思いカードをみていたのだが、二人して黙々と食べ進めちょうど10分で完食した。まさに日本のファストフード。
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そしてこの日一番の驚きは、「微妙な三角関係」は韓国語でも「びみょうなさんかくかんけい」と言うこと。爆笑した。
6/12 守り続ける力
○マヤ文明から
クラスメイトが juego de pelota の試合観戦に誘ってくれた。
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・tlachtli, ulama とも呼ばれる球技
・メソアメリカ世界を象徴する、儀式的なチームスポーツ
・3500年もの歴史をもつ
・1200以上のコートが存在していた
・肩、肘、腰、膝でしかボールを触ってわいけない(今回見たのは腰しか使っちゃダメな種類)
・痛いので、ベルトとコルセット、軍手などをつける
・昔は夜明けから日没までプレーされていた(今回の試合は18:00-23:00ごろ)
・勝ったチームのプレーヤーが生贄になって首斬りされてた、らしい(データはない)
日本の蹴まり見たいに、昔のおあそびとして扱われているものだと思っていたら、がっつり広場で試合をやるらしい。エキシビションのようなものなのかと思いながら集合場所に行ったら、クラスメイトのルーミーが juego de pelota で使うボールを持って待っていた。木の樹脂でできており(つまりはゴム製)、ハンドボールくらいの大きさで、重さは2-3kgほど。だいぶ重く、そしてものすごく跳ねる。
色々話を聞いてみると、彼は大学で juego de pelota をやっているらしい。その中でも腰だけを使う ulama と呼ばれるスポーツをやっている。人気なスポーツなのかと聞いたら、メキシコシティには複数の大学内と外部チームがあって、今はちょうどリーグ戦の時期なのだそう。メキシコ州のチームは基本的にはレベルが低く、Yucatán(ユカタン半島), Veracuruz(ベラクルス), Sinaloa(シナロア)などの地域が強いんだそう。マイナースポーツではありながら長い歴史があり、今でも一定の競技人口はいる模様。
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若い子らが集まるチームや女性チームもあるようで、プレイヤーの幅も広くてびっくり。Ulama の普及活動に勤めているっぽいおじさんに撮影してもいいかと声をかけられ、みんなで撮影協力をしたり、伝統的な飲み物を飲んだりしながら、ルールを理解しきれないながらも楽しんだ。
Instagramのストーリーに試合の様子を載せたらメキシコ人から、「すごい!!見たことない!」とのリアクションが来た。歴史で習う大昔に行われていたスポーツというのが、ほとんどのメキシコ人の認識のよう。
そんなスポーツを生で見ることができて、熱中している人々を知ることができて、そして一人のメキシコ人に遠い昔のスポーツではないと伝わったのが、少しうれしい。
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○お父さんの発明料理、スパムパイ
試合観戦をしながら、イギリス人の友人と話をしていた。
わたしの通う語学学校にはヨーロッパ出身の人があまりいない。学校全体の2割くらいの印象。メキシコでイギリス出身の友人は一人もいないと言っていた。
暮らしている人も少ないとなると、自ずとその国のレストランも少なくなる。メキシコシティにあるイギリス料理屋さんは2軒だけだそう。
そのうちの一軒でフィッシュ&チップスを食べたら、本場のものとは少し違ったらしい。衣にチリが混ざっていた、みたいなメキシコ風アレンジが加わっていたわけではないけど、納得いかなかったよう。
イギリスに4年間暮らしていたわたしからして、フィッシュ&チップスはどう頑張っても間違えようがない。塩とモルトビネガーは基本的に後からかけるから、つまりは揚げた魚とじゃがいものセットじゃないか(ちなみにフィッシュ&チップスは好きです、モルトビネガーたくさんかけるのが好き)。何かはわからないけど、何かが違ったと言う彼の言葉を信じよう。
彼に一番懐かしくて食べたい料理は何?と聞いてみたら、お父さんが作るスパムパイと答えてくれた。スパム、ベイクドビーンズ(イングリッシュブレックファーストに添えてある白インゲンのトマト煮込み)、マッシュドポテトにパイを被せて作るらしい。お父さんの発明料理で、伝統料理でもなんでもないけど、懐かしいと振り返る。
親の作る名のない料理を懐かしく思うのはみんな同じ。
6/13 comida gratuita につられて
CEPE(わたしが通っている語学学校)には、UNAM(語学学校の親元であるメキシコ国立自治大学)の生徒がボランティアとして、なにかを企画したり、事務手続きを手伝ってくれたりする。正式な手続きを踏んでボランティアをしている生徒もいれば、手続きなしで義務ではないけど好きで来てくれている生徒もいる。みんな優しい。
図書館で勉強していたら、突然3人のUNAM生がやってきて、行くよ!、と言われ荷物をまとめられ、拉致られた。
この日はUNAM生とCEPE生で仲良くなろうといった趣旨の企画で、メキシコやスペイン語にまつわるミニゲームがいくつか用意されていた。わたしを拉致した(=誘ってくれた)子らと4人で一通りミニゲームを楽しんだ。
ゲームが終わり、大学の広場にみんなで向かう。comida gratuita があるよ(食べ物無料ででてくるよ)!と言われ、とりあえずついていく。
りんご、アボカド、ポップコーン、お菓子がどんどん出てくる。食べながらみんなでUNOをやる。一通り落ち着き、近くで開かれていた bachata(ドミニカ共和国発祥の社交ダンス) クラスに勝手に混ざり踊る。
UNAMの学生たちは授業も終わり、長期休みに突入しようとしている。そんななか、たくさんわたしたちにかまってくれてありがたい。
CEPEに通う生徒の大半はメキシコの滞在は一時的なもの。また会えるかわからないのにこんなにたくさん優しさをくれて、、と思う自分が人間関係の中に利益を求めているような気がして少し気持ちが悪くなった。
ただその人を知りたいから、その人と一緒にいて楽しいから。もちろん一緒にいれる期間が長いに越したことはないけど、短くても、純粋な気持ちで出会った人々を大切に思うことを怖がらなくていいんだよ、自分。
6/14 怪しいラベルのあいつ
クラスメイトの一人がみんなを中華料理屋さんに誘ってくれて、みんなで授業後に中華ランチ。
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一見さんお断りというのと、平日の昼ということもあってか、お客さんはわたしたちグループだけ。
次々と運ばれてくる料理にみんなおぉ!これ何?おいしい〜〜!と言いながらテーブルを回して料理を皿にとっていく。
飲み物も全部初めましてだった。怪しいラベルのココナッツミルクの存在は前から知っていていつか飲みたいと思っていたので、初対面できて嬉しい。そして、ラベルは怪しいのに味はおいしくて感動。
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みんながちゃんと食べているか、楽しんでいるか、度々確認してくれる彼女。
2児の母。お子さんは今中国語強化のために、中国の学校に通っているから離れ離れ。学校終わりや土日はお仕事をしている。
いつもわたしに宿題終わった?とにこにこしながら尋ねてくる。彼女は6割終わっていない。
わたしがこれから一人でメキシコ国内とラテンアメリカの国を回るというと、とっても心配してくれる。
30分の休憩時間に何も食べないわたしを心配して、チョコクロワッサンを丸々一つくれる。
みんなのお母さんというか、お姉ちゃんというか。クラスに欠かせない存在。
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6/15 コロナビール1ダースをお供に
ずっと行きたかった Xochimilco 。ついにデビューできた。
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ドタキャン勢が多すぎてキャンセルされそうになったものの、どうにか持ち堪えていざ4人で向かう。
2時間の周遊で1台のボートが$2000(¥20,000弱)。他の団体客を誘って、安くしようと試みるも周りにお客さんがおらず、4人で端っこに座って宴を始める。
メキシコ人にも、外国人観光客にも、人気なスポットだから土曜日は信じられないくらい混んでるんだろうな、と思っていたら、案外ゆったりと時間が進む場所だった。
マリアッチやアルコール、軽食を売るボートに声をかけられながら、ゆっくりと進んでいく。誕生日会が開かれているボートの人たちと乾杯をした。違うボートで演奏しているマリアッチを盗み聞きしながら気持ちよく時を過ごした。
やり残したことは elote(とうもろこしの軽食) を食べること。Xochimilco での密かな夢だったのだが、忘れてしまった。また乗る機会があったら大人数で激盛り上がりしながら elote を食べよう。
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帰り道、喉が渇いてジュースを買いに簡易コンビニ(海外によくある小さい個人経営の小売屋さんのことを指しています)に寄った。
$11(110円)で紙パックのマンゴージュースを買った。お店のおかあさんとのおしゃべりが始まる。一問一答じゃなくて、知っていることを付け加えながら質問を返す。最後には良い一日を、と気持ちよくばいばいする。聞き取れなくて聞き返すこともたくさんあるし、勢いよく話されると半分も理解できない。でも、少しずつ、心に余裕を持ちながらおしゃべりができるようになってきた。
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ちなみに、英語とスペイン語が少しずつ混ざってきている。英語でものごとを考えている時に、phrase という単語が全然頭に浮かんでこず、palabra で思考停止してしまった。成長なのか、退化なのか。
6/16 わたしの家族
父の日。
お父さんにはお姉ちゃんと一緒にポロシャツをプレゼントした。
ホストファザーには折り紙でネクタイを折ってプレゼントした。
ラーメンを一緒に食べた韓国人オッパに、親御さんはラテンアメリカ遊学についてどう思ってるのと聞かれた。
「不安な部分も多いと思うけど、応援してくれている」と答えた。
休学をしてラテンアメリカに遊学に行くと言ったとき。
父は、「休学して1年どこかに行くから、何か特別なことを得れるとは思うな。でも、誰かに説明するためだけでもいいから、何かを得る必要はある。一年で得ることと失うことをしっかり天秤にかけて考えなさい。」
母は、「許してはないね。止めても行くんだろうし、かほの人生だし。でも肌荒れは心配。」
一人、女、ラテンアメリカ、学生、心配な要素はたくさんあっただろうし、完全に認めているのかはわからないけど、いってらっしゃいと送り出してくれた。
ちなみに姉は、「いいなぁぁぁぁぁぁぁ」だった。
「暮らし」があと2週間したら終わりを迎える。
寂しさと、焦りと、興奮と、バックパックに荷物を詰め直す恐ろしさと。
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