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初めての喫茶店の味
あつあつの鉄板、もくもくと上がる湯気、薄焼き卵のジュージュー焼ける音、美味しそうな匂いと共に運ばれてきた。
ほかほかのナポリタンを、湯気と一緒に頬張る。
私のファーストバイトは奪われた。美味しさを逃すまいと必死になって、少々口の中を火傷した気がするが、それも良い思い出。美味しさの証。
口いっぱいに甘いソースの味が広がっていく。
優しい味の薄焼き卵がふわっと麺を包み込む。
ゆっくりと美味しさを噛み締めていく。一本一本確かめながら。
タバスコを一振り。興味本位でかけてみる。ピリ辛が、甘さを引き立てる。辛いと甘い、一見何の関係もなさそうに見える間柄だったのに。
昼下がり、どこかの貴婦人方のお喋り、1人の時間を嗜む食器の音、忙しなく動き回る店員さんの気配、
ナポリタンの味を全身で堪能する。
それは、とてもとても幸せな時間。
私はこのナポリタンを懐かしい味にしたい。
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