拝啓 -真面目で不器用で生きづらいと感じる24歳の自分へ-

はじめに

学校の世界は「全部オールマイティにこなせること」で評価をされ、それに応えることが正だと思っていたから幼少期の私はそれはもう、必死にそのルールに答えられるよう生きてきた。

なのに、社会に出ると急に「得意で突き抜けられた人が勝ち」みたいなルールに変わり、困惑したのを記憶している。

自分の得意が何かもわからず課題と向き合い克服することに集中してきた私は、今思えばどう考えても適性にあっていなかった銀行員の仕事を、毎日お腹を壊しながら「いつか、自分にもミスなく仕事をこなせるようになる日がくるんじゃないか」と淡い期待を抱いて真面目にもがいていた。

そのあと自信もやりたいこともないまま転職活動をして本当に200社くらい落ちて迷走する(笑)のだが、これまでキャリア支援の仕事をして32歳になった自分が、当時の不器用な自分に対しての助言として手紙という形でまとめようと思う。

拝啓-24歳の自分へ-できないことを認め、捨てられるか

2013年の今頃、とてもしんどい時期だと思う。毎朝7時に家を出る前にお腹が痛くなってきて「今日いきなり大雨とか降って、仕事行けなくなったりしないかな」と都合のいいことを考え始める頃かもしれない。

それでも変に真面目な性格だから、毎日満員の通勤電車に乗って「自分は何のために働いてるんだろう」と思いながら今日も銀行のバイクでお客様の家にピンポン営業に向かうはず。

しかしそんなモヤモヤ した日に限って追い討ちをかけるように、伝票のミスは発覚するし、自分はこんな仕事もできないのであれば、どこも通用しないんじゃないかと自己嫌悪に陥ることはよくあったなと今振り返っても思う。

ただその仕事、後になって1番自分に向いてない仕事だと分かるから。自分が無価値で無能だと自分を責めすぎなくても、大丈夫。

だから「これはどう頑張っても苦手だな?」と思ったら我慢しすぎず「できないと認めて、早めに捨てる勇気」を持つことも必要なんだと30代になって、ひしひしと感じます。

努力をひたすら我慢する方へ使って毎日を消耗するのではなくて、自分が輝ける場所を探す方に全力で使って欲しい。

それを見つけるタイミングは早いに越したことはないし、違和感があるなら、まずその場所を捨てる勇気と自分が輝ける場所を見つける覚悟を決めよう。

本当の自分を取り戻そう

自信をなくし、働くことに疲れた状態でおもむろに転職エージェントに登録しはじめ「営業が向かないから、できるだけ残業が少ないデスクワークに転職したい」とあなたは伝えると思うけど、

自分のことをよく理解もせず、なんとなく転職活動を始めるのはおすすめしません。むしろ自分の首を締めるので、絶対に辞めた方がいい。

そこからあなたは迷走して、200社落ち続けて余計に凹む。当時リーマンショックの影響があるとは言え、さすがに惨憺たる状況ですね。

自信もなくて疲れた状態で転職活動をすると、ロクなことにならないから、まず一旦立ち止まって本当の自分にはどんないいところがあるか考え、自分を取り戻そう。

都合のいい会社は存在しない 自分は何がgiveできるか 

「営業は嫌、残業したくない、有名企業で働きたい、年収欲しい」だなんて、世の中そんなに自分に都合よくできていません。

会社や環境に依存せず、そして自分の欲求だけでなく、自分がgiveできることは何か、本当に今の自分にとって必要なことに対して、自分が飲まなきゃいけないリスクは何か、優先順位を決めよう。

自分の仕事を分解し、自分の苦ではないことに目を向ける

銀行の仕事が合わない=「営業向いてない」と勘違いをし、「営業」という言葉を聞くだけで抵抗を示すような営業アレルギーになってしまうけれど、

自分が苦手としていた仕事は「細かい事務作業やルール」であって、人と話すことや目標に向かって頑張ることは苦ではなかったはず。

自分の仕事を分解して何が良くて何が嫌だったのか、正しく整理をしないとそのまま仕事探し迷子になって、一生自分に合った仕事なんて見つからない。

自分で決めることが大事

転職活動で迷いに迷ったおかげで、しばらくすると自分にチャンスをくれる会社にありがたみを感じるようになってくるはず。

そして薄々「どんな会社で働くか」よりも「自分にどんな力があるか」が大事なのではと気づくようになっていきます。正直、その直感は正しいです。

そこから当初転職活動を始めた頃とは想定もしていなかった企業に内定を貰い、転職を決めようとするけれど、

もちろん、親は大反対をします。

ただその大反対を押し切って、人生で初めて自分の意志で決断するのだけれど、その直感も合っているので大正解。

やっぱり最後は自分で決めて自分で責任を取るというのが、1番大事。時には言い訳や逃げ場をなくして頑張ることも必要なのだと今になって思う。

得意を伸ばせ 世間の理想と自分の理想は違う

その後やっていて苦ではない仕事にありつけたことと、とてもいい上司に巡り合い、徹底的に「得意を伸ばそう」としてくれる存在のおかげで自信を取り戻し、仕事が好きになって、自分でも驚くくらい寝食忘れて働くようになります

あれほど自分に自信がない、仕事が辛いと思っていた自分も、苦ではない仕事と自分を活かせる環境を選択することで、これほど人の生き方や価値観を変えるのかとビックリするはずです。

銀行のようにワークライフバランスや福利厚生はしっかりしていないけれど、ご機嫌に働けるようになったと気づけた時、世間的な理想と自分が生きるうえで大事にしたい理想は異なることや、自分にあった環境で得意を伸ばすことがいかに大事かを痛感して、

「もっと早く誰か教えてくれよ」という気持ちにもなると思うけど、一方で「いつかこういうことを伝えられる事業をやりたい」という気持ちも湧いてきて、それは6年後の30歳で叶います。

その時に自分が失敗だとか人に言うのも恥ずかしいと思うような体験も実は全て糧になっていくと気づくから安心して欲しい。

だから失敗するかもと思って行動しないのではなく、失敗も全ていつかポジティブなストーリーに変わるので、恐れずに行動しよう。

そして今、キャリアのパーソナルトレーニングという一人一人と向き合ってキャリアを一緒に考え伴走する事業の立ち上げにジョインして、カウンセリングやトレーニングをする仕事をしています。

24歳で仕事で身も心もボロボロの自分からすると想像もつかずよくわからないと思うけれど、3-5年あれば人はどうにでも変われるってことです。

そして今やりたいことや自信がなくても、「自分の得意を生かして輝ける場所を探す」「自分で決めてやり切る」の先に、必ずありたい自分や自分ならではの道は見つかっていくということ。

だから人生本当にいろいろあるけど、何があっても自分だけは自分を好きでいることと、自分の意志と直感を大事に生きてほしい。

追伸‥

ちなみに、そのあと病気でニートになったり、めちゃくちゃ好きになった人と結婚して離婚もするけど、なんだかんだご機嫌で楽しそうに生きてるので安心してください。

おしまい。

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POSIWILL CAREERというキャリアのパーソナルトレーニングプログラムやってます。

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