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家屋調査で悩むこと

私が配属となっている税務課で担当している固定資産税を算定する上で、必要になる家屋調査。

主に、新築の家屋を調査して、仕上材や設備などを確認して、評価をするのですが、建築業界は日進月歩で、見たことのない資材や設備もあり、日々勉強しなくてはならないと感じます。

しかし、今はインターネット上にそうした情報があるので、だいたい検索すればどういうものなのかが分かり、評価に困るということはそんなにありません。

また、比較的件数の多い住宅の調査では、数千万円かけて建てられたマイホームの中を見させてもらうので、傷をつけないように細心の注意を払って調査をすることになるため、けっこうなプレッシャーを感じることもあり、それはそれで悩ましいです。(私はプレッシャーを感じますが、新築の住宅を見ることができるということで喜んで調査をする職員もいます)

しかし、それ以上に悩ましいのは、所有者の方との調査のアポイントを取ることです。

こういう情勢ですが、基本的には、家屋の内部に入って調査をするので、原則どなたかの立会が必要になるため、調査日程を決めなくてはなりません。

私の市役所の場合は、建設完了の時期を見計らって、調査の依頼文書をお送りしています。

調査する上でベストのタイミングは引き渡し直後の家財道具などが入っていない時がいいのですが、引き渡し日が事前に分からないことが多く、そのタイミングを逃してしがいがちです。

引き渡し日が分かったとしてもこちらからの依頼文書を引越しなどのバタバタでスルーしてしまい、連絡がなかなか来ないこともしょっちゅうです。

そうした場合は、再度依頼文書を送り、所有者の方からの連絡を待ちますが、入居してからだと生活感があるお家に見ず知らずの人間が入って調査をするわけですからお互い気まずい部分もあったりします。

でも、まだそうやって調査が出来ること自体はとてもありがたいことで、何度依頼文書を送っても何の連絡もない所有者の方も中にはいます。

これが1番頭を悩ませます。

こちらからの連絡が取れないままだと、公正な課税が出来ず、逃げ得のような状態になってしまいます。

それでも課税庁として外観からの評価をすることもできますが、後々のトラブルの元になってしまう可能性もあります。

ですので、連絡がない所有者の方にはどう手を出していいのかを本当に頭を悩ますことになります。

家屋を建てられた以上は固定資産税の家屋調査は必須となることがもっと一般的に知られればこういうことも起きないのかなとも思いますが、まだまだ周知不足の面が否めません。

税務課からの依頼文書ということで、少し身構えてしまい、連絡をするのを躊躇してしまう部分もあるかもしれませんが、職員もこれから長い間納税していただく方を邪険に扱うことはないと思います。(少なくとも私は!)

また、知らない人が自分の家屋に入って欲しくないという心情も理解できますので、建築図面など資料をご提供いただければ、現地調査不要で評価するということをしている自治体もあります。

いずれにしても、これから家屋を建てられる方は建設完了したら固定資産税の調査があるということを知っていただき、出来れば早めに所管の税務課のほうにご連絡いただけると幸いです。というか、自ら連絡をいただけると、本当に税務課の職員に喜ばれると思います!(市役所の職員も人間なので、何か良い事もあるかも…)

納税は国民の義務とされていますが、お互いに少しでも気持ちよく納税ができる関係を作り上げていけたらと思います。

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