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最近観た映画たちのちょっとした感想など


『ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』

『ハイキュー!!』の映画を観てきました。
とても面白かったです。これぞスポ根、という気がして、なんとなく青春な感じがしますよね。
個人的にすごいな~と思ったのは、映画の終盤、最後の得点のシーンです。
孤爪研磨の一人称で試合の中に入るような演出。あれはすごかったなあ。

実はハイキュー自体を見始めたのがここ数日で、YouTubeでよく観させていただいている写真家 渡部さとるさんの『2BChannel』というチャンネルで、渡部さとるさんが『ハイキュー!!』は面白いよ、と仰っていたのを聞いて、なるほど、と思ってアニメをAmazonPrimeで見始めた感じでした。
自分はバレーボールのルールすら怪しいド素人なんですが、そんな自分でも、あ、これ面白いな、と。

アニメを彼女と観ていたんですが、丁度最初の合宿行く前くらいのところ、烏野高校のメインメンバーがやっと出揃ったところまで観て、彼女が「このあとの合宿でやる音駒高校戦が映画でやってるから観よう!」と。
あら、そうなの? 面白いし観ようかーってサッと準備して映画行ったら物語終盤での音駒戦だったので、劇場の隣の席に座っていた彼女に謝られたのが今思い返してもちょっと面白い。なんとなくキャラ名は知ってるから、別に大丈夫だよ、と伝えておきました。

そんなこんなで中途半端な予備知識で観に行ったんですが、そんなの全然関係ないくらい面白い。回想の入れ方が丁寧でちゃんと説明してくれるし、映画を通して描かれるバレーの試合感が良くて、時間があっという間に過ぎてしまった。。
ここ最近観た映画で一番時間の感覚が短かった。。エンタメとはかくあるべきだな、なんて思っています。展開の速さ、間の使い方、観客を引き込む物語性とその分かりやすさ。どれをとっても良い映画だったな~と。

ちなみに帰ってから彼女と合宿の部分をアニメで観ました笑
そろそろ県大会が始まる、あたりまで観たので、これからも彼女と一緒にちょこちょこ観ていきたいです。

『ノスタルジア』

アンドレイ・タルコフスキー監督の『ノスタルジア』が、仙台の小さなシアターで復刻上映している、というのをたまたま見かけて観に行ってきました。
実はこの映画を観る前に仙台の街中を小一時間ほど歩いたおかげで非常に眠くて、少しうとうとしてしまいました。。
タルコフスキー監督の映画はYouTubeのMosfilmの公式チャンネルで無料公開されている『ストーカー』を観たことがある、くらいです。
どっちの映画もですが、ある程度内容とか、せめてあらすじとか調べてから行った方が楽しめるのかな、なんて思いました。パンフレット読む、とか。
というのもどちらも何の事前学習もなく観て、恥ずかしいことに自分はしっかりわからなかった。。なんとなくのストーリーはわかるけど、しっかり入り込めない感じです。映像の美しさだけはしっかりわかる。。特に水を使った表現が美しくていいなあ、と。
ただ、やっぱり映画体験としてもったいないことをしたなあ、という気持ちが大きく、反省しています。というか、また忘れた頃にまた観よう。。

昔の映画を観るときは、いろいろと準備をしてから観よう、という教訓になりました。。

『DOGMAN ドッグマン』

リュック・ベンソン監督の最新作。『レオン』や『ニキータ』が有名ですが、どちらも観たことがありません。。本当はAmazonPrimeなんかで観てから鑑賞したいな、なんて考えていたのですが、急遽観ることになりました。。

なぜそんな予定変更があったのかというと、チネ・ラヴィータとフォーラム仙台という映画館の仕様をきちんと理解していなかったからなんですね。。
該当の映画館のチケット販売サイトはこちらなんですが、同じサイトで徒歩30分くらい離れたところにある映画館のチケットが販売されていたみたいで、自分は全く気付かずにフォーラム仙台(『ノスタルジア』をこちらで鑑賞しました)に向かってしまい、結果として『落下の解剖学』を見逃すという悲しき事件がありました。。かなしい。。
ちなみに『落下の解剖学』は宮城だとチネ・ラヴィータでしか上映していなかったと思います。なぜだ。。来月あたりにリベンジします。。
それで取り合えずチネ・ラヴィータの場所でも確認しておこう、と思ったら丁度『DOGMAN ドッグマン』があと10分後にやるらしい、とのことだったので、じゃあ観よう、という流れでした。

と、そんなこんなで観に行った本作ですが、とても良かった。
先に伝えておくと、犬は酷い目にあったりしません。これが唯一の救いでした。。

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ演じる主人公、ダグラスが警察に捕まるシーンから始まり、ジョニカ・T・ギブス演じるイブリンという精神科医との刑務所内でのやり取りを聞く形で、ダグラスの壮絶な過去が描かれていきます。
過去の回想の中で、DOGMANというワードが出ます。これは熱狂的なキリスト教信者?の兄が犬小屋に「NAME OF GOD(神の御名のもとに)」と書いてある幕を貼るんですが、これがダグラスの居る犬小屋からだと一部見切れていて、DOGMANという文字列になるんですね。このDOGMANっていうのは、観る前は単に犬を操るからなんだろうな、なんて安直に思っていたんですが、GODを逆さにしてDOGなんですね。
このアナグラム、というか逆さ読みは海外だとよく使われるみたいです。どういう意味合いがあるのかは、しっかりと理解できなかったんですが。。

またダグラスは女装をしていますが、これはジェンダー的な問題というよりは、己を偽ることで別の人として生きていけるような感覚がある、というような形での変装であり、ジェンダー的な問題とは別であるようなことを言っていました。
本作でドラァグクイーンという言葉を知ったのですが、こういう文化もあるんですね。なんとなくゲイの人々のイメージがあったんですが、異性愛者でも趣味として、あるいはプロのパフォーマーとしてやられる方なんかもいるそうです。

非常に暗い映画でしたが、ダグラスは明らかな狂人という風ではなく、ある種の道徳的な規準におかしな点を持ちつつも、比較的前向きに人生を謳歌しています。これが重要で、彼は神を恨んだりしないんですね。こんな境遇に産みやがって、全員恨んでやる、とかそういうのはない。それはそういうもの、という感じの、若干の諦観のようなものを持っているような感じです。そして最後は、普通の人と同じように、天国に行くことを望みます。当然、その為には己の過去と向き合い、それを清算しなくてはならない。今思えば、刑務所での供述は、ダグラスにとって教会での告白に近い行為だったのかもしれないな、と。
死に向かって歩き続け、教会の屋根に設置された十字架から差す影を受けながら、さながら十字架に貼り付けられた罪人のような画面になるあのシーンは、今思い返しても美しいシーンでした。

余談ですが、この映画を観た際、なんと観客が自分ともう一人、高齢の女性の方しかおらず、鑑賞後に女性の方からお声を掛けて頂いたので、よかったですね、なんて会話をしました。これが暗いだけの映画だったら、こういう会話もなかったなあ、なんて思いました。
小さな映画館ですが、素敵な体験をしたなあ、なんて思っています。


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