見出し画像

結婚式前撮り写真 Do It Ourself

 結婚式は神社で。挙式は白無垢、披露宴は色打ち掛けでと決めた。自分を甘やかし続けたプラスサイズボディで、しかも自分のこだわりのセンスに合うウェディングドレスを予算内に見つけるのは無理だとわかっていたからだ。プラスサイズのドレスがないわけではない。だけど、大きな胸の谷間が丸見えの、なんか少し時代遅れっぽく感じる派手なカラードレスみたいなものを絶対に着たくなかった。時間とお金をかけて海外で自分で買い付けるくらいまでやれば、やっと満足できるだろうと思っていた。ちなみに開き直るけど、大幅に痩せるという考えはなかった。


 だから前撮りではウェディングドレスを着て写真を残そう!と思っても、自分が納得できるドレスに出会えないというのは、フォトウェディングで有名な会社を訪ねて 1 軒目でわかった。むしろ、良し。前撮りはDIY だ。


 写真にうまく写ればいいから、質はこの際問題ではない。中国製の安いドレスで 1 番大きいサイズをネットで買った。それでも届いてみたらきつかったから上半身は切った。トップスに白い色を持ってくると更に太って見えることもわかっていたから、ウェディングでは厳禁かもしれないけど好きな黒を着ることにして、手持ちの黒レースのカットソーに、COMME des GARCONS GIRL のフリルのつけ襟でウェディングらしさを出す。どこかにアンティークらしい雰囲気が欲しくて、グローブは F-troupe のデザイナーの Mickさんが買い付けしたアンティークのものを買った。緑のある公園で撮りたいから、足元は夫婦揃ってドクターマーチン。旦那さんのハットは、私が誕生日プレゼントであげたもの。花束も自分でドライフラワーをオーダーした。何の思い入れもない会社に数十万円払って着るウェディングドレスよりずっといい。自分の好きなものを身につけて写真に残せる。

画像1


 さ、次はカメラマンだ。旦那さんの幼なじみがとても良い写真を撮るのでお願いしてみたら、忙しいからと断られてしまったけど、後輩でそういうのをやってるいい人がいるからと紹介してくれた。それでアリスちゃんと出会った。会ってみたら、同じ文化(大学)の後輩だった。彼女自身とてもアイデアフルで、そしてフィルムカメラでしか撮らないという素敵なポリシーを持っていた。私たちはすぐに彼女を気に入り、ドレス以外にも日常の 2 人の様子を残そうと決めた。


 ちょうどその頃、家の近くに雰囲気の良いカフェができて、こんなところで写真が撮れたらいいなと思ってすぐに相談。カフェのオーナーが快諾してくれて、そこでも撮影ができることになった(今は人気店になってて難しいと思う)。こちらにもアンティークのモチーフが欲しくて、Beams boy で素敵な袖の服を(ちょっといい値段だったけど前撮りでどうしても着たいから)購入して、下はお気に入りのヴィンテージのスカート、靴は大好きな F-troupe。

スクリーンショット 2021-01-11 18.17.26


 撮影当日、重たいフィルムカメラをどん・どん・どん、と 3 つも持って現れたアリスちゃんに私たちは全信頼を寄せて、初めての撮影に挑んだ。アリスちゃんはカフェでも公園でもポーズを指定してくれて、距離によって 3 つのカメラとフィルムを使い分けていく。井の頭公園で白鳥のボートに乗りたいと提案しておいたのは私だったけど、春の陽気の中、ボートは長蛇の列。しばらく並んで、やってきた番号 22(夫婦)ののボートに喜ぶ。式当日に流すムービーを撮影しておくために呼んだ私の妹と弟も、カメラ好きの趣味が合ってアリスちゃんとすぐに打ち解けた。好きなアイテムだけを身につけ、いいチームに囲まれて、私たちの Do It Yourself ならぬ Ourself な前撮り写真は完成した。

画像4


 私は中学生くらいからプラスサイズで、クラスで流行っているブランドの服は着れなかったけど、そのおかげで工夫によって他の出会いに恵まれてきた気がする。こだわりを一緒に楽しんでくれる仲間といれば、オンリーワンで素敵なものを自分たちで作り出すことができるのだ。


写真撮影
alice yamanaka instagram


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 ♡マークの「スキ」もポチッとしていただけたらとても嬉しいです。