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03期は熟した

1979年、私は自身の人生における大きな一歩を踏み出す決意を固めました。それは、生まれて初めての長期にわたる海外旅行への挑戦であり、しかもその旅は単身でのヨーロッパ探訪でした。未知の土地への旅は、想像を絶する不安と興奮が入り混じるものでしたが、それ以上にわくわくする気持ちが満ち溢れていました。ただ、心残りがあるとすれば、それは宮崎大学付属牧場から本学部への通学用に愛用していたホンダ「XL125」を手放したことでした。渡航費用を捻出するために、愛車を売却する決断を下したのは、夢に向かう上での苦渋の選択でした。

夢を追う旅の準備として、教育学部でのフランス語学習に加え、NHKのラジオ講座を利用してフランス語と英会話のスキルを磨きました。学業とアルバイトに追われる日々の中、放送時間に合わせることは容易ではありませんでしたが、放送用テキストを携帯し、隙間時間を利用して自習に励みました。それは、私にとってさほど苦ではありませんでした。なぜなら、母が小学生の頃に「大学生になったら外国に行っても良い」と約束してくれた大学生である私は、全てのことを犠牲にしてでも夢を実現するという強い情熱を持っていたからです。

それでも、渡航に向けて解決すべき問題は数多く存在しました。特に、海外行きの航空券の入手方法や、どのような準備をすればよいのかについては、インターネットが存在しない時代では情報を得るのが一層困難でした。田舎町宮崎では、そうした情報を探すこと自体が難題でしたが、地道に本屋で立ち読みをし、少しずつ情報を集めていきました。そして、ある日の夕方、NHKのラジオ番組を通じて岩崎さんが主催する世界ケチケチ旅行研究会の存在を知り、私のヨーロッパへの道が一気に開けました。番組から得た情報をもとに、急いでNHKに連絡を取り、岩崎さんに連絡を試みました。その結果、長らくの悩みの種であった「フランスへの航空券」を手に入れることができました。
今にして思えば、NHKは簡単に岩崎さんの連絡先をおしえてくれたものです。当時は個人情報とか守秘義務なんてあまりこだわらず、なんだかんだとうるさくはなかったのです。

「期は熟した。」

そしてその日はやってきました。

【補足情報:夢を実現するための心得】 夢を追い続けることは、常に楽な道のりではありません。しかし、夢をあきらめずに追い続けるためには、いくつかの心得が必要です。まずは、目標に対する情熱を失わないこと。情熱があれば、どんな困難も乗り越えることができます。次に、失敗を恐れずに新たな挑戦を続けること。失敗は成功への階段であり、それぞれの経験が貴重な学びとなります。また、自分自身を信じることも重要です。自分に対する信頼があれば、不安や挑戦に直面したときに、前進し続ける力が湧いてきます。そして、常に柔軟な思考を持ち、状況に応じて計画を調整する能力も必要です。これらの心得を持つことで、夢の実現に向けての道のりも、一歩ずつ確実に進むことができるでしょう。夢を追う旅は、自己実現の旅でもあります。自分自身の可能性を信じ、夢に向かって歩み続けましょう。


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