人生100年時代に対応した 新しい「キャリア未来地図」の作り方
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人生100年時代に対応した 新しい「キャリア未来地図」の作り方

キャリア未来地図研究所

2013年時点での”キャリア未来地図”

2013年の1月。もう8年前になりますけれども、千葉智之と原尻淳一の共著という形でキャリアの新しい働き方の本をダイヤモンド社から出版しました。今でも覚えているのですが、震災があった2011年3月11日の翌週からミーティングを始めて、2013年に出版したんですね。その時提唱したフレームワークがこちらになります。

まず横軸に「ライスワーク」と「ライフワーク」があります。「ライスワーク」というのは、いわゆる本業の、メインの収入を得ている仕事のことを指します。「ライフワーク」というのは、どちらかと言うと”やりがい”とか”生きがい”とか、そういうプライベートの、好きでやっているにつながる活動を指しています。

縦軸には「消費」と「創造」とあります。このライフワークとライスワークも、消費レベルと創造レベルがあるということです。

例えば「ライスワーク」の「消費レベル」を「労働」としました。いわゆる「やらされ仕事」ですね。会社に入ったばかりの新人はここに入ってくると思うんですけれども、要は人から言われてやる仕事が「労働」となります。これが「創造レベル」にアップすると「仕事」になります。自分で考えて、自分で決めて、自分で仕事を創り出すという領域に入ります。

次にプライベートの「ライフワーク」の部分です。ライフワークの「消費」領域は「趣味」、つまり、好きでやっている活動ですね。これが「創造レベル」にアップをすると、「特技」になります。

よくラーメンを例えに出すんですけど、例えばラーメンが好きで、趣味で食べ歩きをしているという人は、まだ消費領域ですね。ラーメンが好きでいろいろ食べていたら、ある時自分で作りたくなる、もっとおいしいラーメンを自分で作る段階になると、そこで消費から創造にステップアップします。もっといく人は脱サラしてラーメン屋をはじめる人もいますが、つまり消費から創造領域にジャンプして、ラーメン作りが「特技」になるということですね。

なぜ僕らがこれを提唱したかというと、「仕事」と「特技」の2つが、この創造領域にあるとポジティブにフィードバックを引き起こすからなんです。

例えば、本業の仕事のスキルがプライベートのイベントで役に立ったり、プライベートでできたネットワークや人脈が、本業の仕事で役に立ったり…。この創造領域に入っていくと、ものすごい勢いでフィードバック・ループが生まれる。僕らはこのフィードバックを身をもって体験していて、このループが起こるほど仕事も楽しいし、人生もすごく生き生きする。

それに活動の柱が2本あるので、すごく精神的に安定します。ちょっと仕事で失敗しても、ライフワークで充填されて、モチベーションの回復も早いわけです。こういう二刀流のキャリア形成はどうですか、と8年前に提唱したのでした。


ビジネス環境の変化に対応した”キャリア未来地図”へ

ただ、今のビジネス環境だと2013年で開発したフレームでは、かなり説明不足になっています。それで今回バージョンアップをして、まさに令和の、人生100年時代のキャリアデザインができるようなフレームを再構築しました。

今まで象限が4つしかなかったのですが、3×3の9マスに増えてます。また、言葉の定義を変えました。横軸の「ライスワーク」を「本業」、「ライフワーク」を「個人」としていて、更に本業の横に「副業」を追加しました。これは最近のトレンドを反映しています。

縦軸の「消費」を「投資」という前向きな言葉に変えました。更に「創造レベル」の上に「所有レベル」を新たに追加しました。そして、起業やオリジナルコンテンツを追加することによって、今のキャリアを考える上で必要なバリエーションを広げました。

少し補足をすると、先ほど「仕事」と「特技」が相乗効果、シナジーを起こしてポジティブなフィードバック・ループを引き起こすいう話をしましたが、これを「オリジナル・スキル」と名付けました。ここが磨きこまれていればいるほど、個人に内在する価値が増幅し、様々なキャリア・シフトを引き起こすことが、このフレームの肝になっています。

この「オリジナル・スキル」を中心に据えながら、「副業」としてスキルの転用をしていったり、自分独自のコンテンツを作り上げたり、更にこれをコアにして起業して、有形資産を増やすと、自分の看板で仕事を創ることが出来て、また会社から離れた65歳以降のキャリアも安定するというのが、このフレームと特徴といえると思います。

黄色で色をつけているところに注目してください。これは「自己決定できる領域」です。例えば「自分で仕事を創る」とか、趣味で特技というのは自分が好きなことをやっているので「自分で選べる」とかですね。「オリジナル・コンテンツ」は本を出版することが代表的なものですけど、自分のコンテンツなので「好きにやれる」。また、自分の会社を起こせば自分の自由にできますね。この黄色の部分が割合として多ければ多いほど、自己決定できる。それが仕事の充実度や幸福度につながっているわけですが、最近のキャリア研究では自己決定領域が増えると仕事の充実度や幸福度が高まるという結果が出ています。

では、どうやって具体的にキャリアを作っていくのか。次のように「5つのステップ」で整理しました。


人生100年時代のキャリア形成5ステップ

STEP1:会社で「ビジネス創造資産」を蓄える。

第1ステップは「本業」、つまり会社の仕事を捉え直すことから始めます。僕らは会社をまず給料や昇進だけで捉えないで、ビジネス資産を蓄える場であると捉え直してみたいのです。

2013年時点での四象限モデルでは「消費から創造へ」と言っていましたが、先ほど言いましたように、「消費」という言い方ではなくて、「投資」という前向きな言葉に変えました。それは資産の観点から見ると、会社は社員に対して、研修や先輩からのオンザジョブトレーニング(OJT)などで、「ビジネス資産」を蓄えるよう様々な取り組みをしてくれている。これは会社の人材投資ですよね。

このビジネス資産が蓄積され「自ら仕事を創れるような資産が身についている」レベルになると、仕事は俄然楽しくなります。そこでビジネスがゼロから創造できる資産のことをここでは「ビジネス創造資産」と呼ぶことにします。

このような資産の観点から、もう一度自分のキャリアを捉え直してみてください。皆さんにはどれだけ「ビジネス創造資産」が蓄積されていますか?

僕らの親父世代・昭和の企業戦士たちは給料や昇進にすごくこだわっていました。平成の人もそうかもしれない。しかし、環境が激変してしまったのです。人生100年時代という新たなライフタイムを見据えて「資産」という見方で会社を捉え直し、そして自分自身を見つめなおす必要性が出てきたのです。

「自分はビジネス創造資産をちゃんと蓄えているかどうか?」。ここから新しいキャリア未来地図はスタートします。

改めて、本業=会社でのビジネス経験は「人生の支柱」になる大事な資産です。みなさんの会社の定年って何歳ですか? ほとんどの会社は65歳とか、そこから再雇用で70歳までとか、そういったところが多いのかなと思います。人生100年時代と考えると、65歳で終わった後に、100歳まで生きるとなると35歳分は自力で生きなきゃいけないわけです。そうすると「会社の看板」は使えないわけですね。そうした時に、会社で蓄えた「ビジネス創造資産」で残りの35年を生き抜けるか、改めて考えてみてほしいと思います。

STEP2:「ビジネス創造資産」の蓄積で、転職も副業もしやすくなる。

これは僕らがステップ2で唱えている「バリュー・シフト」です。

ビジネス創造資産である「仕事」及びSTEP4で説明するオリジナルスキルが高ければ高くなるほど、副業の部分への「コミットメント・シフト」が発生しやすくなる。このスキルを使って転職をするという手もありますけれども、自分の本業をしっかりしつつ、(他に)自分のバリューを活かせる場を作る。「コミットメント」は「関与する」という意味ですけど、その「関与する比率」を自分なりに変えていってコントロールしていく。

ちなみに、投資レベルで副業をすると「労働の切り売り」になりやすいです。本業に全く関係ないコンビニでのバイトなどがこれに当たります。労働や時間の切り売りにならないように注意が必要です。

STEP3:人生100年時代に必要なキャリアの「二刀流」。

ステップ3は、右側の「プライベート領域」での資産形成です。会社で「ビジネス創造資産」を蓄えるとともに、プライベート領域まで視界を広げて、「自己投資」して「自立資産」を形成していく過程です。

遊びで自己投資する人もいます。例えば、芸人のヒロシさんみたいにソロキャンプにものすごく投資をして、それがすごく好きでもうプロみたいですよね。それから学びということで自己投資をして、プログラミングを勉強したり、今から英語を勉強したり、MBAをとるのも自己投資ですよね。

こういった準備しておくこと。これがしっかりと身について、自分の資産になった時には「特技」になります。この特技を僕らは「自立資産」と捉え直しました。いかに人生100年時代に自立して、自分の資産として蓄えているか。「ビジネス創造資産」だけでなく、「自立資産」の2本柱でいかないと、しっかり立てないんじゃないかと考えています。僕らが提唱したいのは、忙しいかもしれないですけど、働きながらなにか自分がやりたいことだったり、興味・関心があるものだったり、あるいは仕事の領域で使えるものがあれば、自己投資をして資産を蓄えておくことが大事なのだと思います。

大谷翔平選手のように、僕らは二刀流でやらなきゃいけないのかもしれない。これら(「ビジネス創造資産」と「自立資産」)を蓄える準備を今から始めないといけないわけです。

STEP4:「ビジネス創造資産」✖️「特技」=「オリジナル・スキル」。

「ビジネス創造資産」がたまって、しかも自分が好きな特技の部分での「自立資産」もたまった。そしてこれをうまい具合に融合して、「オリジナル・スキル」で生きてく糧を作っていく、というのはステップ4です。これが僕らの考えている、人生100年時代のゴールの1つです。

「オリジナル・スキル」を磨き上げればマネタイズもできるし、特技として蓄えてきたものなので、やること自体が苦じゃない。そういったものを生成するのが、たぶん人生100年時代の1つのゴールになるかもしれないね、とずっと二人で話してきました。

ビジネス創造資産と特技が合わさってくると、その人なりの独自の価値が形成されてくる。そうすると副業もしやすくなります。仕事をしていたとしても、その人独自の価値があれば、副業をお願いするということも出てくるかもしれません。では最後にステップ5です。

STEP5:オリジナル・スキルを有形資産化する。

オリジナル・スキルが磨き上がってくるとステップ5に進みます。なにかと言うと、今までは自分に内在するビジネス創造資産や自立資産の話で、資産の話で言うと「無形資産」に分類されるわけですが、無形資産のオリジナル・スキルが高ければ高いほど(バリューが高ければ高いほど)、コンテンツに化けやすくなる。あるいはビジネスに化けやすくなるのです。

オリジナル・スキルがコンテンツにシフトしていく。あるいは、起業にシフトしていくという、この「シフト」がステップ5です。有形資産としての「オリジナルコンテンツ」でわかりやすい事例は「本」ですね。またはブログだったり、YouTubeの番組だったり。最近ならではのコンテンツとしてはコミュニティの主催だったり。そういった有形資産に化けます。

あるいは「オリジナルコンテンツ」を活かし、起業してビジネスを作る。そうすると会社を所有することになりますから、有形資産になりますね。ステップ5では、そういった有形資産化が起きやすくなるのです。オリジナルスキルを持つことにはこういう効用があることを、みなさん覚えておいていただきたいな、と思います。

5ステップを順序立てて説明をしていくと、行き着くところは、まずは「オリジナル・スキル」をゴールにする。そして、スキルを有形資産化していくシナリオが見えたかなと思います。


”人生100年大航海時代”に必要な3つのアイテム

ここまで「キャリア未来地図」のフレームに沿って5つのステップでキャリアデザインのヒントに述べてきました。

キャリアは航海に似ていると思います。「人生は止まることのない時間をどう過ごしていくのか」と定義すると、どんな船に乗って、どんな航路を辿り、晴天や嵐や凪の色んな天候を乗り越え、どんなクルーと一緒に旅をするのか。航海術ならぬキャリア術が最も必要な時代だと思います。

そんな人生100年大航海時代に必要なアイテムは3つあると思っています。「地図」と「コンパス」と「仲間」です。その3つが集められるフレームワーク「キャリア未来地図」。もちろん大企業のような大きな船の方が安心感があるけれど、いつ降ろされるかわからないとなると自分の船も持たなければいけないなと切実に思います。そのためには時流に乗って荒波を乗り切る航海術も必要です。「キャリア未来地図」はそのための航海術=キャリア術になりたいと思っています。

ぜひともあなたも一緒に「キャリア未来地図」を描きましょう!


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キャリア未来地図研究所
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