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「不要不急」の意図を多角的に考える

「不要不急の外出を控える」というときの「不要不急」。この言葉はどうやって解釈したらいいのでしょう?

そんな疑問からでしょうか、過去に記した「不要不急」の外出を控えるとは? へのアクセスが急増しました。

それほど、この言葉の意図することは捉えにくいのでしょう。

わかりにくいから混乱が起きる

前回の記した「不要不急」の外出を控えるとは? の中で、不要不急の外出を控えてという言葉で、外出を控えてもらうのには不十分ではないかということを記しました。

では、いったいどのような基準で「不要不急」かどうかを判断したらよいのでしょう?

今日やっておかないと生きられないこと

「食料品、日用品の買い物はOKです」といわれていることから、生活を維持するための必要最低限の買い物は「必要火急」という判断です。

食料品や日用品であっても、買いだめが目的の場合は不要不急の部類に入ると考えます。

では、スーパーで久々に会った友人知人との立ち話はどうでしょう?

食料品、日用品の買い物の最中であっても、長々と世間話をすることは不要不急なことである可能性が濃厚です。

食料品、日用品の買い物であっても、それだけに限定してサッと出かけてサッと帰宅する心がけは必要でしょう。


今日やっておかないと困ること

通院や薬の購入などは「不要不急の外出を控える」間であっても、必要な外出とされています。

併せて、公共料金の支払いなども、この部類に入るでしょう。

支払以外にも、何らかの期限があるものは、「やっておかないと困る」タイミングがいつかは来ます。計画的に動くことで困るリスクを減らすことができるので、早め早めに行動を起こしましょう。

それでもわかり難い「不要不急の外出を控える」の意図すること

「不要不急の外出を控える」ということを、具体的に考えてみても、判断に迷う場合もあるでしょう。

なぜなら、「不要不急」の外出を控えるという言葉の趣旨をどのように解釈するかは、その人の性格的なもの、社会的な地位、その人が置かれた状況にも影響を受けるからです。

▼性格的な影響

楽観的な人、自分は大丈夫だという根拠のない思いこみ、身に迫る危険を少なく見積もり(=正常性バイアス)がちな性格。そういう人は、なかなか「不要不急の外出を控える」の意図が理解できないようです。

出かけても大丈夫かどうかを判断するのは自分自身ではないということを肝に銘じましょう。

不要不急の意図を汲み取り、行動の可否を決めるのです。

性格的に「不要不急の外出を控える」の意図を汲みとれない人には、周りに居る人が助言をするしかないでしょう。

▼社会的な地位

おそらくは、社会的な地位が低い人ほど、傍若無人に振る舞うのではないかと考えます。

「失うモノなど何もない!」という思い切った行動に出ることもあり得るでしょう。

本人は「失うモノなど何もない」と思っているかもしれません。でも、実際は、命を失うかもしれないし、大切な人の命を失うかもしれません。

「失うモノなど何もない」というのは事実とは違うということに気づき、「命を大切に」して欲しいものです。

▼その人が置かれた状況

お花見はしないでください」「来年も花見はできますよ」という言葉を聞くたびに、私は胸が痛みます

来年は生きていないかもしれない......と心の奥で感じ取っている人がたくさんいると思うからです。

死を身近に感じるような病と闘っている人は、「来年も」という言葉に傷つく言葉。もちろん、来年も生きてる可能性だってあります。でも、本人が「来年は生きていないかも」と感じている以上は、「来年も」という言葉に気づいた痛みはホンモノです。

そのような状況であれば、花見は必要火急の外出であると考えます。

もし明日死ぬとしたら

具体的に「不要不急の外出を控える」の意図を考えても、どうしても判断がつかなかった場合は、次のように考えてみるとよいでしょう。

もし明日死ぬとしたら、これをしていなかったことを後悔するだろうか?

この言葉を拡大解釈して、カラオケにいったり、夜の盛り場に出かけたりするのは、もちろんご法度です。

まずは基本的な考え方で「不要不急の外出を控える」の意図に沿っているかどうかを判断します。その次に、それでも迷う事項があれば外出の判断目安として自問してみるのです。

テレビのニュースで、”結婚に向けてのごあいさつをする約束があったので、「不要不急の外出を控える」週末ですが、外出しています”という人たちがいました。

先延ばしにする選択肢もあったかもしれません。でも結婚の重要な節目を迎えた2人にとっては、このタイミングを逃したくないという「想い」があったのでしょう。

自分も周りも生かす判断を

周りのことを考えて、自分の生活を窮屈にしすぎてもストレスがたまります。

かといって、自分の解釈で、緩い規制で行動をすることも決してよいことだとはいえません。

周りのことと自分のこと。どちらも大切にする訓練をする好機ともいえます。

不要不急の外出を控えること。

必要火急の行動を見極めること。

多角的な視点を持ち、自分の行動にブレーキをかけるか、アクセルを踏むかを判断する。

それが上手にできる。

これって案外高度なスキルのように思えます。

だから誰もが判断に迷うのです。

日々、多角的な視点を磨きつづけましょう。

そして、この騒動が終わった頃には、何か得るモノがあると期待してみるというのもアリでしょう。

この時期の困難を恵みの糧として。

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