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たぶん普通の風邪だから……

普段なら風邪くらいのことでは「通常」を諦めたりはしない。

咳がヒドイとか熱があるとかならば、休息を選ぶという選択肢もあるだろう。

だが、咳も出ない熱もない、ちょっと喉がいたいだけというような状態ならば、いつも通りの生活を続けることを選ぶ。そういう人は決して少数派ではないはずだ。

ところが、今のご時世、ちょっと何か不調を感じると、敏感に反応しているのではないだろうか?

仮に風邪の初期症状のようなものがあれば、いつも以上にしっかり睡眠をとるであるとか、栄養のバランスを考えて食べとか、深酒をして体に負担をかけないとか、そういうことを意識しているのだ。

「たぶん普通の風邪だから......」という言葉に続く行動が、半年前と比べたら変化をしている。この言葉の持つ意味自体が大きく変化しているのだ。

健康な成人であれば、風邪くらいのことで仕事を休むこともないし、普通の暮らしを中断することもしない。何気ない日常の一コマ程度にしか思わない。

それがこれまでは当たり前だった。

けれども、今はちょっと状況が違う。

これからはどうだろうか?

考えたとしても結論はでないだろうが。

おそらくは、これからしばらくは、「ちょっとした風邪」の言葉の意味が、かつての風邪とは違うものとして認識されることであろう。

言葉は生き物。

その時々で使う人たちが意味付けしていくから、常に変化している。

風邪という言葉ひとつとっても、今は転換期なのだ