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自分に自信がない人の魅力

自分に自信がない人の魅力に気づいているのは、私だけではないだろう。

内省が深い。

慎重さがある。

正直に自分をみつめる。

そういう傾向があるから、自分に自信を持つことが難しいのだ。

けれども、当人は、「自分に自信がない」といって困った様子。だから、周りから見ていると、なんともモドカシイ気持ちになる。

内省が深い。

自分に自信がないという人と話をしていると、たいていは大きな後悔を背負っている。

その後悔の念は、深い内省からくるもの。過去の瞬間、選択の分岐点に立った自分を思い起こし、「他にも選択肢があった」、「こっちを選んだほうがよかったのかな」と思案する。

そもそも、それだけの選択肢が思い浮かぶだけでも能力の高さがうかがえるのだが。

当人は、他の選択肢を選べなかったこと、過去の瞬間、とっさの判断ができなかったことを悔やむのだ。

慎重さがある。

とっさの判断ができなかったのは、慎重な性格であったゆえ仕方のないこと。周りには、そのように映る事案が多いようだ。

その性格は「無鉄砲ではない」ともいえる。

慎重さゆえ、チャンスを逃したり、思い切って新しい世界に飛び込めないという傾向もあるが、その慎重さは周りからの信頼を勝ち取る美点でもある。

「慎重さ」のよい面を見て、アピールポイントにしていく発想の転換ができればよいのだろうが、暗い表情で自分に自信がないことを嘆くのだ。

正直に自分をみつめる。

自分に自信のない人の一番の共通項だと思う。

一般に「自分に自信がある人」というのは、自分自身を過大評価している傾向がある。

全てにおいて過大評価しているとはいわないが、「自信がある」という点に関しては、「自分勝手な物差し」を導入し、過大評価をしてしまっているようだ。よくいえば、愛すべきお調子者のキャラクターといえるだろう。

一方で、自分に自信がない人というのは、自分の評価を均等な物差しで測ろうとする傾向がある。

自分の得意な部分であっても、自分が苦手な部分であっても、世間の常識というもので忠実に自分を評価しようと試みる。得意なことや好きなことに関しては、採点基準を甘くしてもよいのではないかと思うのだが。

その様子を真摯だと感じる人は私だけではないだろう。

自分に自信がない人はどうしたらよいのか?

自分に自信がない人は永遠に自信を持てないのかもしれない。むしろ、それでよいのだろう。

自分に自信がないという感覚そのものが、その人の根底をなす特徴であるからだ。無理をして自分に自信を持とうとするのは、「今ある自分を否定すること」にもなりかねない。

それなら自分に自信がないということを肯定的に捉えるような視点を持つ方が合理的で発展的ではないだろうか?

眠れぬ夜に、そんなことを思ってみた。