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これまでと変わらずに「客」でありつづけること

台風15号の被害においては、報道をされている以上に被害が大きいと感じている。

しかしながら、人々の様子は、報道をされているほど疲弊している様子はない。周りからの支援に感謝しつつ淡々と復興の道を歩き始めているように見えるのだ。

ブルーシートで応急処置をしている家だらけだし、農作物の被害は相当なもの。観光客の足は遠のき、いったいいつになったら普通に戻れるのかと不安にもなる。

地域外との交流を生業としている人たちにとっては、まだまだ試練の時が続きそうだ。

一方で、地域内でお金や人を回すことと生業としている人たちは、できる範囲で仕事を再開して、平常を取り戻しつつある。

クリーニング店が再開したというので、仕上がった礼服を受け取りに行った。

台風15号の直後にも店舗へ足を運んでいたのだが、建物が破損しており休業だったため、しばらく様子を見ていたのだ。

店主とのやり取りで、見た目以上に被害が大きかったことを知る。工場の天井など破損しているのだとか。この先しばらくは、不自由な中で操業していくそうだ。

「しばらくは大変でしょうけど……またクリーニングお願いしますね。」

とっさに出た私の言葉に、店主は笑顔を見せてくれた。

「頑張ってください」という言葉よりも、これまでと変わらぬ態度で「客」であり続けることが一番のエール。

これまで通り、地域の人たちの収入に繋がるようなことに対して「消費」を続けていきたい。今の私にできる精いっぱいのことだから。