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「その勉強は何の意味があるんですか?」

…って聞かれたんですよねえ、面接で。
ネタかと思うでしょ、これがまぁ本当なのですよ…
「え???」ってなりました。「え???wwwww」って。そりゃあもう。


まず「就活以外の、『最近のトピック』を教えてください」と聞かれました。
正直に話しましたとも。
ロシア語の勉強を始めたこと。カリキュラムの関係で履修はできなかったけれど、その代わりにNHKラジオ講座で独学していること。
最近は少数言語のバスク語やゲール語の研究もやっていて、それがとても楽しいです。と。

ロシア語、難しくありませんか?と聞かれ
「キリル文字に初めて触れましたから、まずはそこから勉強しなければいけません。難しいですが、まるで暗号を解読しているみたいで、むしろ熱中します。
私の専門は英語で、第二外国語は中国語を学びました。発音面では、どちらも巻き舌の概念がないのです。ですがロシア語には存在します。なのでそういった練習も必要です」
とお答えしました。

面接官の方はゲール語やバスク語についてはあまりご存知ないようでした。別にそれは良いんですよ。私だって、民族音楽聴いてなけりゃほぼ永遠に縁の無い言語だったでしょうから。
そ れ は 置 い と い て!

「その英語や中国語はわかります。ですが、ロシア語や他の少数言語にまでどうして興味を広げたのですか?
それをやって、何か意味はあるんですか?役に立つんですか?

そう聞かれたんです。
びーーーーっくりしました。
あっ、それ聞いちゃうの?って。


私たちは3年間大学に在籍して、友人間でネタとして言うことはありました。
「人文系学問って、社会における『実用性』に関してはそこそこ無いよねw」って。法学部とかはまた全然別なんだろうけど。って。


でもね、それは単純に「ネタ」だったんですよ。
少なくとも私たちは自分の専門・研究分野が「面白い」と確信したからこそ極めにいっていたわけであって。要は…「推し」みたいなもんです。
だから私たちは自分たちの「推し」を研究するし(面白いので)、他人の専門・研究(推し)にも敬意を払うんです。だって、私たちは各々の「推し」で最後には学位を取得するんですから。バチェラーなり、マスターなり。そして究極まで極めればドクターです。
こういうのって一種のマナーなんじゃないかな。別に誰かにそう言われたわけでもなんでもないけど。

まぁだから、そういう環境に慣れきっちゃってたんですよね、良くも悪くも。
「教育機関」という聖域でぬるま湯に浸かりきっていたところに、いきなりこう、社会の冷水を、頭からザバーって浴びたこの感じ。
一周回って笑うしかない。笑


はい、そしてその面接で私がなんとお答えしましたかと言いますと。

「知的好奇心が急に降ってきただけで、作曲や絵画のインスピレーションと全く同じです。こればかりは一種の神秘なので、私にもよく分かりません。
いつかはロシア文学を原文で読めるようになるかもしれませんし、少数言語の保護や、バイリンガル・トリリンガルについて研究する材料にもなります。意味はあると思います。役にも立ちます」

まあこの時点で最早「この会社の内定取るぞ!」みたいなのもあまりありませんでしたしね。ごめんなさい御社。


ちなみに

「ふーーん」

って言われました笑。
いや、それだけ?ちょ、待ってよ、それだけ?反応それだけなの!??

それだけでした。


多分私にも色々と至らない点、多かったんだろうと思います。
ただ、「お前のやってる勉強なんの意味があるの?」って、それだけはだめじゃないかな…少なくとも「私は受け付けないワードBest3」には入ってました。


まあ他にもあるんですけどね。その面接官。
初っ端から「日本で一番高い山がある県はどこでしょう」ばりの謎クイズ出してきたりとか。
英語を専攻していることに対して「就活で有利になると思って専攻してるんですか?」って聞いてきたりとか。(そんな動機だけで「大学で専攻」したら4年保ちません、それだけは保証できる)
私の就活の軸「人々の生活を精神的な面から支えたい、それはきっと究極の場面で人の命を救うから」…を聞いた後にこう仰ったりとか。

「君って八方美人だって、よく言われない?」


い い え 、 初 め て 言 わ れ ま し た が ! ! ! ? ? ?


面接は落ちてました。
ちょっと…安心…(ごめんなさい御社…

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