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トラの未来と僕らの未来

明けましておめでとうございます!
謹んで新年のご挨拶を申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

◆今年の干支

ちなみに、今年の干支は「虎」です。

東洋で言う百獣の王はトラと言っても差し支えないと思います。
言語文化や民俗文化においても、古くから強者や王者のイメージ、
英雄や豪傑のシンボルとして受け取られています。

一休さんの代表的な説話「屏風の虎退治」や、
戦国武将の加藤清正の虎退治の逸話があるように、
獰猛な野獣と向き合った先人たちは、彼らを征服したいと考え、
中でも「虎」を選んだのはトラの雄々しさに魅せられたからかもしれません。

2016年にインドネシア/バリ島で撮影

ところが、そのトラは今、絶滅の危機に瀕しています。

◆個体数の減少は深刻

現在野生のトラの推定個体数合計 約3,159~4,240頭、
かつては26カ国を数えた生息国も、現在では11カ国にまで減少していると言われております。(WWFのホームページより)

ベトナムやカンボジアでは既に野生のトラは絶滅したとされていて、
さらに内政の混乱が続いているミャンマーでは、
長い間トラの生息状況などに関する調査や管理が行なわれておらず、
実際にどのくらいの数が生息しているかは、よく分かっていませんが、
ミャンマーの国境地域の闇市場で、トラや他の野生生物の大規模な違法取引が行われている懸念があるそうです。

また、かつてトラには9つの亜種がいましたが、

インドネシアのジャワ島に分布していたジャワトラと、バリ島に分布していたバリトラは、20世紀の100年間に絶滅、

中国の華南に生息するアモイトラについては、1990年の調査で20~30頭ほど生き残っていると推定されましたが、その後、確実な記録は途絶え、
野生の個体は絶滅した可能性が高いと言われています。

2016年にインドネシア/バリ島で撮影


◆絶滅の危機に瀕している理由

その原因は大きく3つ。

「森林破壊」「密猟」「違法取引」です。

例えば、トラの生息地の一つ、インドネシア・スマトラ島では、
1985年に2,540万ヘクタールあった熱帯林の半分以上がすでに消滅。

高価な薬の原料とされるトラの骨を狙った密猟と、
それを違法に取引する密輸などの犯罪も横行しており、
2000年から2015年までの間に、少なくとも1,755頭に相当するトラの骨や毛皮がアジア各地で押収されています。

◆自然界のバランス

僕自身は生態系というのはどんな理由があれ"諸行無常"であり、
特定の種の存亡についてこだわるのはあまり公平ではないと思います。
「鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず」じゃないですけど、
人間の価値観だけで種の価値が決まるわけではないですしね。

ただ、ある種が絶滅の危機を迎えている状況というのは、
我々人類にとっても危機の可能性があると考える事もできます。
特定の種を闇雲に狩ってしまう事で、自然界のバランスを崩してしまっているわけですから。

同じ地球の住人として、お互いが済みやすい環境を作るべく、
振る舞いや接する距離感を大事にする謙虚さが必要だと思います。
少なくとも、地球の環境が激変している原因の1つは我々自身です。

今年2022年がそのターニングポイントになるかもしれませんし、
僕たち1人1人の意識が変わることで、それを達成できるかもしれません。
我々の生活が変わることで、それを防げる可能性は十分にあります。

■WWFの公式サイト


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