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狭霧 織花
2024年5月19日 22:49
品行方正、謹言実直、堅物、真面目が取り柄。 そんな評判が当たり前で、それが私の名札ですらあったような気がする。名前を聞けば「ああ、あの」の後に続く言葉があげたうちのどれかであるのは間違いなく、そしてその評価は正しいのだ。 成績がいいのは当たり前。学級委員に選ばれるのは当たり前。なぜならば、こつこつ授業を受けてノートをとって課題をこなし、予習復習は日課でテスト前は学んだことを確認するだけにして
2024年5月12日 20:32
私の瞳の色は、他の人と違う。みんなは焦げ茶色。私はみんなと違う色をしていた。 変な色、とばかにされた。みんなと違うから遊ばない、と仲間はずれにされた。そんな幼少時代、私は自分の目が嫌いになったし、憎らしくも思った。この瞳を鋭利ななにかで突いてしまえば、こんな苦しみや悲しみもなくなるのだろうかと思うこともあった。 けれど、この瞳は二十歳を越えた今も私の眼窩に収まっているし、視界は良好、ぱっちり