見出し画像

【日本美術】田中親美模写「伊勢物語図色紙」

田中親美は益田家本伊勢物語図色紙を模写しています。現在は個人蔵となっていて、36図のうち第6段の雷神が画帖から剥がされ35図となっています。

『田中親美 平安朝美の蘇生に捧げた百年の生涯』(名宝刊行会編・展転社・1985年)に伊勢物語図色紙についての記載がありました。

それによると田中親美は団家本と呼ばれている4図も模写していたようです(132頁)。こちらの模写本は現在所在不明です。また団家本は団家にあったときは4図をまとめて画帖となっていた(130頁)という記述もありました。
団家は中村好古堂から購入(131頁)し、益田鈍翁は北岡(苗字だけなので美術商か不明、131頁)から購入したとあります。

益田鈍翁が手にした時は36枚で1,000円、団家が手にした時は4枚で20,000円くらいであったとも記されています(131頁)。明治時代は1円が現在の20,000円くらいだったと言われます。国が2015年に購入した「かへる浪」は6,000万円でした。

戦後に益田家から流出した(132頁)と記されています。