見出し画像

#84 レシピ動画で見た食材をそのまま購入できるコンテンツコマースアプリ「flavrs」

Briefing

レシピ動画で見た食材をそのまま購入できるコンテンツコマースアプリ「flavrs」

レシピ動画に出てくる食材をそのまま購入できるアプリ「flavrs」(フレイバーズ)がβ版をローンチした。同時に米国のVCアンドリーセン・ホロウィッツをはじめ、料理界のトップスターやセレブリティから700万ドルを調達したと『CISION PR NEWSWIRE』は伝えている。ユーザーはflavrsを通して、有名シェフやフードクリエイターが考案したレシピ動画を見るだけでなく、必要な食材の購入までアプリ上で一気通貫で行うことができる。購入から配送までのオペレーションはインスタカートと提携しており、flavrsは食通向けのプレミアムなコンテンツづくりに注力できる仕組みだ。
動画コンテンツからそのまま購入へつなげる “shoppable”機能はTikTokやInstagramも注力しはじめているが、食の分野でも「動画で発見してそのまま購入する」という消費行動が当たり前のものになっていくかもしれない。

ライフスタイルブランドに必要なこと

ECやデジタル部門の担当者向けに、顧客体験づくりのハウツーなどを発信するメディア『CMSWire』が、今月16日の記事にて、ライフスタイルブランドになるための具体的な手法を紹介している。
まず、前提としてライフスタイルブランドとは、自然と醸成されるものでなく、ブランドが掲げるパーパスやミッションに共感する人々が集まり、強固なコミュニティが形成されることで初めて成立すると定義されている。そんな熱狂を生むライフスタイルブランドたり得るための第一条件は、確固たる魅力的な商品を1つ持つこと。アウトドア愛好家向けのライフスタイルブランドとして知られる「YETI」が、クーラーボックスというひとつの「ヒーロープロダクト」から始まったように、総合的な演出を得意とするライフスタイルブランドも、まずは真に魅力的なひとつの商品が必要不可欠だ。ある商品で認知を得た次に重要なのは、パーパスやミッションに則って商品を展開すること。Tシャツからポロシャツのような、類似品へいたずらにラインナップを増やすのではなく、ブランドの目的に沿った横断的な商品展開がライフスタイルブランドには求められる。最後は、コンテンツへの投資だ。コンテンツは、顧客がブランドのパーパスやミッションに関与するきっかけとなるため、コミュニティたるライフスタイルブランドを名乗る上で避けては通れない。低アルコール飲料を手掛ける「Haus」は、Spotify上でオリジナルのプレイリストを公開しており、同ブランドが演出する世界観を、自宅で聴覚から再現することができる。
ライフスタイルブランドを目指す上で、すべての顧客にアピールできるわけではない。ときに反感を買うこともある。しかし、あるライフスタイルに特化した幅広い商品展開と、質の高いコンテンツへの投資は、熱狂的で忠実な顧客を抱える、競合他社とは一線を画したブランドの誕生にきっと寄与するはずだ。


Editor’s View

『レシピ動画で見た食材をそのまま購入できるコンテンツコマースアプリ「flavrs」』を読んで

Flavrsが日本ではまだ使えないのが残念!料理動画は「時短」「家にあるものでできる」など利便性の高いレシピが求められてきましたが、たとえばELLE gourmetのような、変わった料理や手の混んだレシピを好む層(いわゆる「foodie」)も一定数いるはずで、その際に手に入りづらい変わったスパイスや材料もまとめて家に届くのは便利。ビデオコマースは意外と食の分野からブームが来るかも?
一方で、コマースが絡むとデリバリーの問題で、簡単にはスケールできないのが弱点でもある。Flavrsは自社でオペレーションせずInstacartと連携しているので、海外展開するとしたらよい提携先を見つけられるかがキーになりそう。──Asami(@qzqrnl

Flavrsは、YouTubeのグローバルのクリエイター領域のマーケのヘッドをされていた方が立ち上げたスタートアップ。購入・配送部分は、Instacartが請け負っていて、どうなるか気になるサービスです。Podcastでも話をしたInstacartのキュレーション機能(クリエイター・セレブが紹介するお買い物リストを公開・収益化予定)も面白いですよね。InstacartもこのFlavrsも買い物や料理する予定がなくてもアプリを開いてしまうエンタメ性のある買い物アプリっていうのが肝だと思います。──Miki(@mikikusano

『ライフスタイルブランドに必要なこと』を読んで


ブランドがライフスタイル化する流れは昔からあることだが、今まで以上に実現するのが難しい理由は競争が激しくなり、トレンドサイクルが早まっているからだと思われる。そもそもサブカルやニッチな領域から始めないといけないが、それが週単位でTikTok上で変わるとブランドが長続きしにくくなる。良いブランドを作るには信頼を作らないといけないが、それには時間がどうしてもかかる。だからこそコンテンツへの投資は長期的に重要だが、すぐに結果が出ないため、長く運営するブランドが少ない。個人的には今までのライフスタイルブランドの作り方は既存のカルチャーに根付くのが重要だったが、次世代のライフスタイルブランドはカルチャーをいかにプロダクトに出来るかが重要になる気がする。ーTetsuro(@tmiyatake1

Podcast

今回はこんな話をしています!

・フードクリエイターと食料購入のエンタメ化
・ELLE gourmetのような珍しい材料を使うレシピとFlavrsは相性がよさそう
・おすすめの買い物リストというキュレーション
・Instacartとの連携のメリット・デメリット
・スーパー「トライアル」のIT化
・ライフスタイルブランドを作るには?
・A24はコンテンツ自体がプロダクト
・ライフスタイルブランドになるには時間がかかるけど、それがクールだからやってる

News


▼米国の次世代ブランドやリテールテックの情報はCEREAL TALKのニュースレターでも配信中。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?