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在庫管理の重要性の高まりと新たな潮流

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2023年6月26日配信 Vol.120より

Briefing

ブランドの成長戦略として、在庫管理の重要性が以前にも増して高まっている状況をRetail Brewが解説している。
その背景にはコロナ禍による生産・物流の混乱やインフレ、原料高といった社会的要因も絡んでいる。NielsenIQ dataの調査によるとコロナ前の2018年に顧客が品切れを目にする機会は1/200だったが、2022年には1/59と品切れに直面する確率が2倍以上に跳ね上がった。それにともなって、2018年には3億ドルだった売上の機会損失も、2021年には売上額の7.4%となる820億ドルが失われたという。

サプライチェーンは以前にも増して複雑さを増しており、インフレや政情不安、パンデミックといった企業努力の範疇を超えた要素に左右されやすくなっている。一方で、テクノロジーの進化によって在庫予測や補充といった在庫管理の精度も上がりつつある。Shopifyのアプリストアでも在庫予測ツールや発注管理ツールが成長を見せており、在庫管理をはじめとする経営管理の効率化に各企業が目を向け始めている。

しかし、テクノロジーを活用した在庫管理には過去の失敗例もある。たとえばAmazonが2017年にWhole Foodsを買収した際、Whole Foodsの店舗にAmazon独自の自動在庫補充システムを導入したところ、あちこちの店舗で品切れが発生してしまったことがあった。オンライン販売と異なり、店舗在庫まで含めて在庫管理をするには輸送ラグも計算にいれる必要があり、より複雑になる。とはいえ、新興ブランドの多くが卸売や自社店舗での販売など販路拡大に力をいれているため、在庫管理ツールもゆくゆくは流通チャネルすべてをカバーできるようになることを期待したい。

Why inventory management is so important for retailers

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