ビューティー業界のM&Aは、高級ブランドからマス向けブランドへ
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2023年7月24日配信 Vol.124より
Briefing
新しいビューティーブランドの成功法則が、D2CからTargetやWalmartといったマス向けの店舗への出店へと変化しつつあるとBoFが報じている。2019年以降に生まれたVersedやNaturium、Starface、Bubble、Odeleといったブランドはどれもオンラインで無名ながら、数千店舗を持つチェーン店舗で取り扱われ、売上を伸ばしている。
彼らの強みは、デジタルネイティブブランドらしい洗練されたパッケージだけでなく、その「コスパのよさ」にある。特にZ世代は価格にシビアで、高級化粧品と似たより安いアイテムをシェアするハッシュタグ「#dupes」は、TikTok上で46億回以上再生されている。
「TikTokの投稿がInstagramやYouTubeと異なるのは、マス向けの製品が高級品と同等の品質であることをいとも簡単に、購入したくなるようなかたちで見せることです」とRoCやMilaniなどのマス向けブランドを扱うMatt Farronは語っている。高級なイメージだけではなく、エビデンスをもとにした効能のある製品を、手頃なプライスで提供するのが今のビューティー業界の潮流となりつつあるようだ。
さらに、最近ではマス向け商品と高級品の垣根も曖昧になりつつある。高級化粧品ブランドのEstée Lauderが扱っているAvedaはドラッグストアやスーパーでも取り扱われており、高級化粧品のセレクトショップであるSephoraの人気商品トップ3に、Tower 28の20ドルのマスカラがランクインしている。景気悪化やインフレの影響で消費者はより価格にシビアになっており、高級ブランドもマスへのアプローチを余儀なくされている。
こうした流れを受けて、M&Aにおいてもマス向けブランドの人気が高まっている。今年のはじめにはP&GがMielle Organicsを、2021年にはEstee LauderがDeciemを買収。「プレミアム感がありつつも、価格にプレミアム感はない」ブランドが、市場からも評価されている。
D2Cブームが一息ついた今、ビューティー業界から次のプレイブックが生まれつつあるようだ。
Mass Brands Are the Next Wave of Beauty M&A
Podcast
2023年3月末に大きな話題をよんだ動画「Harry Potter by Balenciaga」。バレンシアガとハリー・ポッターのコラボ動画かと思いきや、実は両者とも動画には一切関与しておらず、AIによって生成されたものであったことで議論の的となった。
今後さらにAIの活用が進むなかで、ブランドやキャラクターの権利はどのように守られていくべきなのか?逆に、ブランドがAIを活用する上で法的リスクをどのように勘案すべきなのか?
「Harry Potter by Balenciaga」の事例をもとに、Generative AIと著作権、AIによる知財の変化について三村小松法律事務所の小松隼也弁護士に聞いた。
News
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