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歌誌『塔』より

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歌誌『塔』に掲載された歌や評をまとめています。
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2024年3月の記事一覧

歌誌『塔』2024年3月号掲載歌「小窓をあけて鳥語を聴きぬ」

歌誌『塔』2024年3月号掲載歌「小窓をあけて鳥語を聴きぬ」

みなさま、こんにちは。

昨年の夏に私家版『歌集 瑠璃色の夏の終りを見届けながら』を作成しました。先日、日本現代詩歌文学館(岩手県)に寄贈したところ、受理していただきました。現在、一般書架に配架されております。書誌番号はB10931274。自分の書誌レコードが作成されているのは不思議な感じ。嬉しいけれど。

それでは『塔』2024年3月号の掲載歌。小林信也選です。

休日は予定がないほうが好き。本

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歌誌『塔』2024年1月号作品批評(2024年3月号掲載)-後編-

歌誌『塔』2024年1月号作品批評(2024年3月号掲載)-後編-

みなさま、こんにちは。

この前読んだ本で「来世とはまぶしきことば花こぶし」(柴田白葉女)・「みづうみは光の器朝ざくら」(片山由美子)という句に出会って、良いなぁと思いました。

それでは後半にまいりましょう。

選者:梶原さい子
評者:中村成吾

いのちの終りを見届けることのできる者はまだ生きている者である。
蜘蛛や蜻蛉などの天敵に襲われることもなく、自動車にぶつかって跳ばされることもなく、そし

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歌誌『塔』2024年1月号作品批評(2024年3月号掲載)-前編-

歌誌『塔』2024年1月号作品批評(2024年3月号掲載)-前編-

みなさま、こんにちは。
今日はあたたかい一日になりそうです。

短歌における評とは何か…ということをあまり深く考えずに、選んだ一首について書きたいことを書いています。
ほんとうにこれで良かったのか、と不安を感じたり申し訳なく思ったりすることもしばしば。
毎月迷いながら書いております。それでは、どうぞ…。

選者:梶原さい子
評者:中村成吾

『源氏物語』須磨の巻。「ありあけの月」とは、夜が明けても

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歌誌『塔』2024年2月号掲載歌「海のなかにもまた海がある」

歌誌『塔』2024年2月号掲載歌「海のなかにもまた海がある」

みなさま、こんにちは。
早いものでもう3月に入りました。
今日はまだマフラーが必要な寒さです。

この記事には載せておりませんが、選から漏れてしまった歌にこそ、よりよい歌を詠むためのヒントがありますね。
今月は私にとって挑戦的な?テーマだったので「これはダメ、あれはセーフ」と多くの学びをいただきました。
それでは『塔』2024年2月号の掲載歌。山下洋選です。

夕顔…と聞いて私が真っ先に思い起こす

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